「激しき眩暈」

 眩暈に心は暗めきて
 大地の怒りにひれ伏す
 見えない嘆きにひれ伏す
 炎に涙を
 狂喜に水を
 あのうつくしい寂しい川が
 次の世でも枯れぬことを

 こわれたヤジロベエ
 ピエロを見た子どもの
 落書きした木彫りの頬雫模様は
 嘔吐の苦しみか
 避けられぬ
 搖らげり搖らげり搖らぎは続けり
 真綿にうずくまるヤジロベエ
 誰が泣いてると分ろうか

「激しき眩暈」

「激しき眩暈」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-12-30

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