小さい猫にも問われてる/鏡の前に傘を忘れた。
「小さい猫にも問われてる」(2012年8月6日)及び「鏡の前に傘を忘れた。」(2012年9月25日)を一部修正して再掲したものです。
「小さい猫にも問われてる」
小さい猫にも問われるのは
涙が水色ではない事情。
食べちゃったかな その色は。
塩っ辛くて泣いちゃいそう。
平熱抱えて涙は流れる。
36度は意外に速い。
条理に冷めるその前に
お気に入りの絵本を読んでる。
机が新しいからだな。
木目調と涙が遊ぶ。
脱脂綿で吸わなきゃいけない?
それも愛だと言えない日々だ。
少し舐めた自分の名前も
しょっぱさが入ってた。
飽きっぽい涙と思ってた。
意外なセンチメンタルが内に跳ねる。
涙補給のタンクを持って
開ける門扉がキイッという。
あとで油を差しておこう。
買って置いたケースを思う。
行きがてら、
小さい猫にも問われる。
涙が水色ではない事情は何?
チャプンというのはタンクの隣。
それはねって語りはじめる。
「鏡の前に傘を忘れた。」
鏡の前に
傘を忘れた。
雨も降らずに
傘を忘れた。
出掛け方
は残しておいて
帰り道
は導けなければ
定点だって
途方にくれるよ。
北極星が
引き合いに出されて
眠れないのは
真昼の月。
見つけられたら
どこにも行けない。
裸じゃないと
説明して。
あれも月だと
言ってよお願い。
森で見つけた
水溜り。
多分に写った
1つの人。
覗き込んだ
位置関係。
未来の象徴って
言えるいま?
増えた涙は
波紋になって、
写れないから、
見えない。
隕石だって
渡してくれた。
黒い石
は特別だった。
拭き掃除は忘れない。
約束なんて
1つもないけど。
手を降るからって
言われても
ココから離れた距離。
よく知って。
指で測って。
背伸びも尽きて
もう届かない。
地球のスイッチ
見つけてくれれば、
迷惑かけない
オフの無重力。
忘れた傘、
持ってってあげる。
朝は必ず迎えてる。
玄関だって
ホントに開けてる。
靴は少し減らして置いた。
サイズから見て、
2足分で
挨拶もちゃんとしてる。
外でも内でも。
独り言
にしないは約束。
相変わらずの
ブラウン管は
もう眠って
何処かに行って
はっきり映る
今日の予報。
今夜までずっと、
雨模様。
鏡の前に
傘は忘れた。
雨も降るけど
傘を忘れた。
曇りだから
見えやしない。
居ると あるが
等しくない。
沢山ある水溜り。
写ると不思議と、
2人も居ない。
傘は鏡の
前にある。
雨が降っても
前にある。
波紋は大きく伝わって
電灯1つもまるで月だ。
忘れ物
になっている
傘の色、
当ててみて。
住所は変わらない。
返事は忘れて。
小さい猫にも問われてる/鏡の前に傘を忘れた。