滝下清心/2023年詠み納め短歌
兎になりて 跳ねても届かぬあの空へ いざや竜に転じて昇ぼらん
いやもはや いつの間にかの年の瀬に
この身も心も いかにすればと
世の様を 嘆いていても仕方なし
せめて周りの人の絆を
自治の緩みを憂いし人来たり
寒さ忘れてしばし歓談す
裏庭の 大根引き抜き我が友は
見てこの細さと 気候異変を
込みしスーパー 返却のカート譲りし同輩の
優しき笑顔の暖かさや嬉し
体調の今日は良しやと歩きに出れば
いきなり時雨て後戻り
横を過ぎ行く 顔を曇らす制服姿の乙女の歩み
この時勢 心の中で祈るほかなし
糞尿を汲み取る仕事の白髪の友に
来れば今年も感謝のビールを
帰省する 近所の家族の行き帰り
雪に注意と念を押す日々
あそうなんや お部屋 暖房ついてるものね
薄着のエマちゃんニッコリ笑うクリスマス
なんとなく年が暮れて なんとなく年が明ける
人の心の節目や 何処に
人の心の節度や何処に
小春日に しばし語らん親しき友と
日毎に色づく伊予柑の庭
物高し 正月飾りの松の枝
寒さを押して 裏の山へと
仕事納めて帰りし妻を
昼食を整え 玄関に迎える
☆ 今年も1年愚作にも関わらず、お付き合いくださり
有難うございました。迎える新年、皆さまにとって
平和で幸せに満ちたものになりますように・・・。
(筆者敬白)
滝下清心/2023年詠み納め短歌