迷彩。
私が見ていたものには、
自らしか映っていなかった。
そういう、どうしようもないまなざしをしていた。
大切な色に、汚れた指で触ったから、
宝石のようなそれも汚れてしまった。
私が、汚した。
紺珠があったとて、きっと同じこと。
全て、私の中で、私が汚して、
姿は崩れてひとつの泥になる。
ひとつの大きな泥の泉が、ここを満たす。
そこにはお前の顔しか映らない。
お前だけしかここにはいない。
お前だけしか見詰められない。
お前だけしか私には見えない。
ひとりの生涯。
ひとつの泥濘。
ひと欠片の君。
泥中の過去へ祈り、
終わりへと歩こう。
迷彩。