「真昼の月」

 真昼の月
 空に青く
 水に白く澄めり

 真昼の月の下
 まだ早き花咲ける
 のどかなる日ひとひ

 やわらかなる光の
 底は円く
 すくうかたち

 やわらぐ光
 まるいびいずをふわふわにして
 月が紡ぐネックレス
 身をまろげ
 猫のやすらう
 人は笑う
 田舎列車のさみしさ呑んで

 真昼の月
 落日のやけにも曇らざれば
 彼処へ帰るをひた守れり
 哀しき街の
 あの灯へと帰るまで
 帰りても
 離れる思いを企まぬ
 真昼の月はいとおしき

「真昼の月」

「真昼の月」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-12-22

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