「魂の記憶」

 きれいな、うつくしい唄を聞いた…
 あれはいつの頃であったろう
 少し前の幼い時か
 女童の時か
 捨てられた雀の時か
 用水路で泣いた鼠の時か
 雪の霊山に祈り続けた時か
 花魁のねえさんに見惚れ見送ったをなごの時か
 手まりをついてお山の姉さまに
 抱かれて幽明家を隔てた時か…
 あのきれいなびい玉たちは
 あのかあいいうさぎの小物たちは
 わたしの姉さまが持たしてくれたお守りか…

「魂の記憶」

「魂の記憶」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-12-15

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