「戦死」
荒波に
我身打ちつけ思ふ身の
磯にて素足を浸し初めけり
凍る足元は雪より白く
纏ふ濃藍の絽の着物は
ただ 風にはたためく
朱に染まりし血管の
今は肌に浮ばずを
朱に染まりし両頬の
名残も見せずや冬の海
珊瑚の簪胸にいだきて
遠国のやさしき海へと共にゆかん
「戦死」
荒波に
我身打ちつけ思ふ身の
磯にて素足を浸し初めけり
凍る足元は雪より白く
纏ふ濃藍の絽の着物は
ただ 風にはたためく
朱に染まりし血管の
今は肌に浮ばずを
朱に染まりし両頬の
名残も見せずや冬の海
珊瑚の簪胸にいだきて
遠国のやさしき海へと共にゆかん
「戦死」