クリスマス

冬の夜空に鈴の音が響く
目を凝らしてソリを探した
あの頃の私は
遠い夜に置いてけぼり

サンタさんにプレゼントをお願いして
良い子にしてたらもらえるよって
良い子ってどんな子?
幼い頃は知っていた気がするけど

プレゼントを待ち侘びて
ただそこにいるだけ

良い子にしていたつもりだけど
欲しいものは手に入れられない
むしろどんどん増えていく

あの頃の真似して
夜空に目を凝らす
ため息がひとつ
白い息になって消えていった

あれが欲しいと
素直に言えた
あの頃の私と
何が違うんだろう

羽のように
雪が降ってきて
「ホワイトクリスマス」
そう呟いた私を、全てを
雪が包み込んでいく

クリスマス

クリスマス

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-12-11

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