冬の短歌

9時半になってようやく日の当たるコンクリートの壁は花柄

死にたいと泣いてる少女を無責任に救ってやりたいような気の夜

この風はお前の身にも寒かろういちょうの落ち葉を借りる生垣

あの赤い星が資源に見えている人に星座はきっと結べない

クリスマス枕元にある靴下は寝てる間に脱いで置いたもの

鳥たちの落とすどんぐり屋根に聞き薬師如来は今日もほほえむ

目が合うと視線を逸らしはにかんでどっか行っちゃうママの恋人

猫をまた飼いたいという母のため飼えばとひとこと言えない私

犬とさえ心をつなげる人間が人間同士で憎み合ってる

真っ白な画用紙黒く塗りつぶし黄色い絵の具の垂れたとこキミ

狛犬と射的たこ焼き焼きそば屋あと二つ寝ればお正月です

この夕日むかしは僕のものだった今では母のものになってる

冬の短歌

冬の短歌

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-12-09

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