「太陽の哀しみ」
場所高く昇り
天にてひとり輝くもの
太陽は命のみなもとなり
太陽の光は
もう一つの飲み水となって注ぐ
命をうるおす
魂にぬくもりを与える
光は光を生む
光は影を生む
冷たい涙の零れた痕を生む
其処に藤の花は咲かず
花の躯の欠片が倒るるのみ
光の笑顔の裏には
影なる泣きあと微笑みが居る
月は影を抱きつつむ
それも太陽には出来なくて
救おうとすれば
燃えるか或いは
救いの御手を拒まれる
絶対神と崇め奉られし光の玉が
夜 月をひとりきり仰ぐのは
影を抱きしめられぬと嘆くのだ
自らが救い主などでないことを
救い主になれないことを
嘆き 悶えて 押し込める
それでも付は微笑みを
雨に震える白百合に…
「太陽の哀しみ」