紅姫織歌/新作短歌
「秋はやはり、紅葉の歌がなければ一年の幕は引けぬ」と歌仙はいいつつ
鵯(ひよどり)の 笛ひそやかに紅姫は
織し錦と共に舞降り
布を引く 滝訪れし彼の法師
山織姫の紡ぐを見しとか
春は桜 夏青緑の打掛に
秋紅(くれない)の錦の山姫
白姫に 逢えば死出への詣で口
紅(べに)の山姫 何処(いずこ)へ誘(いざな)う
逢いたくば 紅燃ゆる山の派の
この身の錦の色褪せぬうち
彼の姫は 褪せし錦を打ち捨てて
やがては素肌に白き雪綿(ゆきわた)
春風が その眠りをば覚ますまで
山織姫は しばし微睡(まどろ)む
☆ 何処か紅葉狩りにいかれました?最近は出不精に
なって今年もテレビ画面で見ただけでした。(いずみ)
紅姫織歌/新作短歌