「カラメル」

 とろりカラメル
 焦げたかおり
 生ぬるい哀傷と似て
 微かに苦く
 舌に残りつづける
 ほろ苦さは後ろの影を引いて
 長い夕焼の影法師
 遠くにけぶる細い筋も
 白く 空へと溶けこみて
 あれは、何のしるしだろう
 記憶をたぐれどほつれは止まず
 あゝ、カラメルの唯だ渺々たる…

「カラメル」

「カラメル」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-12-02

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