「深夜」
暗い室で燈を吸いつけたって
誰が来るというでもない
理想を掌につかんだ者が
次の理想に浮気して
逆しまにずぶずぶ沈んで行くのが見える
ニコチンの煙
灰色の苦さが
気取ったウヰスキーと絡まる
毒の匂い
毒の味
青々とした小麦の匂いも
白いパンの味も分らなくなった
どぶに倒れた稲穂を見おろしては
徒に陶器の破片で利き腕を切る
いっときしか痛み残せぬもどかしさと安堵に
からん…
グラスの氷が沈んだ音
「深夜」
暗い室で燈を吸いつけたって
誰が来るというでもない
理想を掌につかんだ者が
次の理想に浮気して
逆しまにずぶずぶ沈んで行くのが見える
ニコチンの煙
灰色の苦さが
気取ったウヰスキーと絡まる
毒の匂い
毒の味
青々とした小麦の匂いも
白いパンの味も分らなくなった
どぶに倒れた稲穂を見おろしては
徒に陶器の破片で利き腕を切る
いっときしか痛み残せぬもどかしさと安堵に
からん…
グラスの氷が沈んだ音
「深夜」