「人肌」

 母の寝息に
 ひとり安堵の涙を流し
 誰にも言わず
 黙って両手に滴らせた
 あたたかい涙が
 人肌に沁みて
 久しぶりに
 頭を上げた
 静かな夜に
 家族の寝息が
 うたう夜に
 ひとりで
 明るいランプを灯した

「人肌」

「人肌」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-11-07

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