訪れについて-レナード・コーエン Thanks for the Dance-に寄せて
「よく分からないまま、そのまま理解しようと」
このアルバムを聴けたのは、やっと今日。発売されてから、何年経った?
やっと、お金の使い道として選んで聴いた。
あなたを聴き始めたのは、多分、nivanaとかjeff buckleyとかのカバーが切っ掛け。
詩を描き始めた当時の僕は、詩人としてのあなたに興味があった。
心の方向性の指針として。
キリスト教でもないから、あなたの歌詞(詩)の内容を理解できるかは感覚的なことだった。
「ハレルヤ」という言葉が象徴的なものだった。
それから「禅」を、あなたが行っていたこと。それでもって、この人は何か深いものがあるのだと。
初めて聴いたアルバムは、「ディア・ヘザー」だったと思う。
声がとにかく渋くて、腑に落ちるものを含んでいるように感じた。
エロティックなものも魅了であった。
今思うと、ギリシャ神話的な「エロス」があなたに強くあったのだと思う。
男女の性的な感覚が、そのまま性欲にならずに、神秘的な側面を照らしていく感覚だ。
神秘的な側面
それに最も惹かれたのだと思う
ただ、理解できないまま
理解の及ばぬまま
よく分からないことを聴いていた
ソクラテスがずっ と、虚空を掛け合わせようとしている
「愛」の上に、「愛」が掛けられたままだ、神よ、それが問題なのだ
ということだった
レナード・コーエンのCDジャケットなどに出てくるシンボルマークがある。
ハートに逆向きのハートがウロボロス的に「トリケトラ」のようなもの。
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