「海に化ける」前編

プロローグ

花恋「よし。準備できたね?」
夜雨「うん。」
花恋ちゃんはつきっきりで勉強や、女性としての生き方を教えてくれた。
彼女は停学して一年をもう一度過ごすみたいだ。
花恋ちゃんはすごい。
作品を作りつつ、ブルーダイヤモンドの研究。
手際が良すぎた。
あれ以来魔女狩りとも会っていない。
僕は平和に大学一年生を迎えた。

大学生活

花恋「キタキタ夜雨!」
夜雨「一緒のクラスだね!」
花恋「まあ…ちょちょいのちょいで…」
彼女がこのセリフを言う時は、裏で手を加えた時。
夜雨「全然忘れてたけど…なんで僕大学に入れたの?」
花恋「…一応君はニューハーフってことになってるからさ。将来も心配するな!私が稼いでやるから!」
本当に頭の切り替えが僕より速い。
クラスメート「君が夜雨?」
夜雨「あ…」
花恋「…。」
花恋ちゃんは前に出る。
クラスメート「え?あ、そういう…」
花恋はコクリと頷き、クラスメートを遠ざけた。
ルールだ。
他人と話してはならない。
バレたら終わりなのだ。
じゃあそもそも大学なんて辞めたらいいなんて思うかもしれない。
でもそれじゃあブルーダイヤモンドについて研究出来ない。
研究しなければ。
兎に角ブルーダイヤモンドを身体に移植すること自体おかしいことなのだ。
田舎の人間の風習というものは中々変わらない。
特に僕の地域では…。

ニュース

海鮮屋にて。
大将「ヘイ!ネギトロ丼!サヨリ丼!お待ち!」
花恋「…。おばちゃん…これ何産?」
大将「いやね!花恋ちゃん!使ってるのは海外産だよ!日本産は何入ってるかわかんないからねぇ!」
花恋「…ごめん…私…」
花恋ちゃんは泣き出してしまった。
大将おばちゃん「花恋ちゃん…。」
…。
時は遡り去年の夏頃
―――――――――――――――――――
夜雨「優愛さん。凛護さん。さようなら。」
花恋「ハァ…ハァ…いやあああっっっ!!!」
死体がバレないように花恋さんは二人を粉々にする。
透けた死体なんてバレたらそれこそ問題になるからだ。
ラプラス「…!?危なあああいっ!」
夜雨「おっと!?」
お前は!?
レコード・バード「フフフ…」
こいつ!また生きてっ!
ドォン!とレコード・バードが大爆発する。
細い血液が飛び散って…。
花恋「海から早く出て!早く!」
!?
兎に角出なきゃ!
ラプラス「助かったよ…花恋…。」
出た途端に海は真っ青に光り輝く。
夜雨「なんだこれ!?」
ラプラス「…呪いだ…この地域の魚全てがブルーダイヤモンドの遺伝子を…」
何だって!?
ラプラス「ごめんね。オイラ東京には行けない。ここの地域の魚を食べつくして…守らないと。」
ラプラスは巨大化し海に潜り込んだ。
夜雨「ラプラス!」
返事はなかった。
―――――――――――――――――――
大将がテレビをつける。
ニュースキャスター「日本で問題となったブルーダイヤモンド。愛知県で侵食を止める事に何とかできていますが、近い将来魚介類、そして私達が飲んでいる水、降っている雨、全てが影響されてきます。」
大将「はぁ…。こりゃ…人間はどうなっていくんだろね…。」
ニュースキャスター「速報です!ただいま愛知県全体をロックダウンした模様です!魔女狩りと言われる集団が後を立たず!ブルーダイヤモンドの呪い言わ」
大将はテレビを切った。
大将「私らは多分何も苦労しない。苦労するのはアンタらよ。」
夜雨「…。」
大将「夜雨ちゃん!今のうちに食っときなよ!ほらオマケ!」
おばちゃんがチョコを渡してくる。
大将「安心しな!海外産だよ!」

不安

花恋「どうしよう…」
夜雨「どうしようね…」
平和なのに平和じゃない。
花恋「!?」
花恋さんが屋根に隠れる。
雨が降ってきた。
夜雨「大丈夫だよ花恋ちゃん。」
花恋「まだ。でしょ?」
夜雨「…うん。」
花恋ちゃんはブルーダイヤモンドについてずっと調べていた。
でも…
夜雨「考えすぎたよ。ダイヤモンドが雨に溶けるはずないそれが正解だったら息を吸ってる時点で君は死んでる」
花恋「…そうだよね…でも…怖くて…。」
夜雨「そもそも…問題なのはブルーダイヤモンドが燃えたときの煙を吸ったら火傷で死ぬこと。僕達はブルーダイヤモンドの呪いのせいで触ったら発火を起こす。でもダイヤモンドが燃えるなんて温度は1000度だ。そんな気温死んじゃうよ。魚は置いといて、少なくとも飲み物は大丈夫だよ。」
花恋「でも…もし…もしも…」
夜雨「僕が守るよ。」
僕は花恋ちゃんを優しく抱きしめた。
どうやら通り雨だったみたいだ。
すっかりやんで風が吹く。
桜がパラパラと散った。

ロックダウン崩壊

オイラは沢山魚を食べた。
兎に角沢山だ。
でも…魔女狩りの連中もたべていたんだ。
蓄積していったのはブルーダイヤモンドだけじゃない。
呪いと言う名の魔法。
ロックダウンは正解だったけど…。
してもしなくても結果は同じ。
魚を食べた全員が何者かに洗脳されていった。
いや、本当に洗脳なのだろうか。
なんでそんなに魔女や魔法使いを嫌いのか正直分かっていない。
しきたり、という呪いなのだろう。
親が嫌いといえば、子も嫌いという。
そういった呪いが…。
彼らを人間では無くしたんだ。
魚は全て喰らい尽くした。
今度は化け物を喰らわないと。

最悪

僕は飛び起きて花恋ちゃんにしがみついた。
花恋「何〜?また甘えん坊モード?」 
夜雨「テ…早くテレビつけて!」
花恋ちゃんが首を傾げながらテレビをつける。
その瞬間町中で警報がなった。
ニュースキャスター「速報です!ロックダウンの壁が壊され…」
花恋ちゃんはリモコンを落とした。
花恋「なに…これ…」
ニュースキャスター「謎の生物がっ…!?」
上空で撮っていたであろう映像が揺れ始める。
画面が乱れ真っ黒になった。
墜落した…。
ニュースキャスター「この謎の生物は人間を捕食、そして生物同士の共食いなどを行っております!数が増えることはないようですが…早めに対処をしないと危険と専門家が!」
その謎の生物は…二足歩行のウツボ…。
SNSを調べるとウツボ人間がトレンド入り。
花恋「何よこれ…」
僕達の新しい戦いが今始まった。

3日後

僕と花恋ちゃんは昨日現状を見に行った。
魔法転送は使えないが僕達には透明になる機能はある。
静岡県あたりだ。
ウツボ人間が見えた!
奴らは人を丸呑みにし、とてつもないスピードで移動する。
人間の動きじゃない。
花恋「私達みたいねアイツら。」
夜雨「…。」
僕はとある一匹に目をつけて蹴り入れる。
夜雨「な!?」
全く!全く肉にも衝撃を与えられていない!
皮膚が硬すぎる!
ウツボ人間にガッツリと腕を掴まれていた。
夜雨「つ、強い!速い!」
花恋「ハァッッッ!」
花恋ちゃんの斬撃が見事に切れ目を入れた。
一瞬、ウツボ人間の力が弱まった。
僕は裂けた部分を蹴り。
夜雨「!?骨が硬すぎる!」
ウツボ人間の肉だけ剥ぎ取った。
花恋ちゃんは瞬時に写真を撮り、僕は肉を調べる。
夜雨「え?…」
僕の手は溶けていた。
熱で溶けたどころじゃない。
強酸レベルの威力。
花恋「逃げよう!」
僕達はなんとか逃げ帰れたが、案の定僕の両足にも怪我を負ってしまった。
しばらく僕は完全に花恋と離れた。
溶けたときに出る煙。
明らかに危険だった。
ただ、分かったことが一つ。
僕はどうやら内部は攻撃を受けないらしい。
煙を大量に吸ったが何事もなかった。

3日で完治し、家に帰った途端、花恋ちゃんに思いっきりビンタを食らった。
花恋「なんで飛び出したの!」
夜雨「君の研究がうまく行けば皆救え…」
視界が歪んだ。
花恋ちゃんに初めて本気でぶん殴られた。
花恋「貴方がいなくなったら研究なんて上手くできるわけ無いでしょ!それに…貴方がいない世界なんて…私耐えられない…。」
夜雨「ご、ごめん。」
僕は謝るしかなかった。

出撃命令

とある日の金曜日。
僕達はただ楽しく今を生きようと思っていたのに、たった一年で壊された事に絶望した。
無視なんてできない。
無視をしたら人類皆滅ぶんだ。
あの日以来花恋ちゃんとは仲が悪い。
ただ、出てけなんて言わなかった。
むしろ。
花恋「何?まだ言いたいことあるの?貴方は絶対に戦わないでね。家でお留守番してて。邪魔だから。」
夜雨「…。」
大学なんて行かせてもらえなかった。
そして。
花恋「…じゃあ行ってきます。」
夜雨「行ってらっしゃい。」
花恋「大好き。」
夜雨「…。」
ハグは忘れずにしてくれた。
僕は何をやっているのだろうか。
雨子に怒られるかもしれない。
花恋ちゃんにもまた恋愛感情が芽生えている。
この先僕は100人喰らうとして、魔法を叶えれるようになったら何を望むんだろうか。
雨子を生き返らせる?
彼女はどんな顔をする?
それともこの世界をやり直す?
いやいや…願いがかなった途端に魔女の記憶が無くなるんだぞ?意味はない。
自分でオムライスを作り食べる。
丁度朝の10時半にチャイムがなった。
花恋ちゃんが忘れ物でもしたんだろうかと思った。
目の前にいたのは、警官服よりも黒色の制服を着た男だった。

将官の覚悟

夜雨「誰?おじさん。」
将官「陸上自衛隊の将官だ。」
…は?
確かにたくさんのバッチが左胸についている。
国のトップレベルの人間がなんでここに…。
将官「正直に言わせてくれ。自衛隊そのものが崩壊した。」
夜雨「何言って…」
将官「とりあえず私の車で話そうか。」
―――――――――――――――――――
将官「あのウツボ人間にやられた。全滅したわけではないが命を優先にする者が多かった。」
夜雨「意味がよく…。」
将官「君の能力はなんだ?」
テレビのモニターを将官は操作するとある映像が流れる。
僕が飛んでいる。
花恋ちゃんは…写ってない!?
ど、どういうことだ!?
将官「協力してくれないのであれば。」
こめかみに何かが当たる。
銃だ。
将官「君を敵と見なす。」
…。
夜雨「協力しません。」
将官はあっけなく引き金を引いた。
僕は瞬時に弾を避ける。
窓ガラスが割れた。
夜雨「…。」
将官「…。」
しばらく沈黙が流れた。
夜雨「…。一つ疑問があります。僕の本名を何故知っているんです。」
おかしい。
僕はもう花恋ちゃんと結婚している。
草風夜雨なのに。
将官は溜息をついて帽子を取った。
将官「私の名字は月夜。月夜雨子の父だ。」
夜雨「なん!?」
僕の言葉を遮るように将官は話を続けた。
将官「そして君の、父でもある。」

父の最後

夜雨「は?」
…は?
…。
????????????????????
将官「私は君が魔法使いということを知っている。」
な…何言ってんだこいつ。
夜雨「僕に父さんは!?」
…父さん?
父さんの記憶がない。
あれ?お母さんなんか言ってたっけ?
将官「そしてお前のは…」
その時だった。
将官の頭部が破裂した。
夜雨「うっ…うわぁぁぁぁぁっっっ!!!」
お、落ち着け!弾じゃない!呪いだ!
誰のなんの攻撃なんだよ!
確実に魔法使いか魔女の攻撃じゃないか!
僕は将官の車を素早く調べる。
夜雨「あ、カバ。」
カバンを見つけた瞬間更に車が爆発した。
夜雨「ぐぅぅええええっっっ!!!」
なんとか無事にカバンを取り出したが、全身にガラスが突き刺さった。
爆風とともに一瞬浮いた近くのマンホールの穴に入る。
取っ手で更に右肩をへし折ったがなんとか地下までたどり着いた。
夜雨「花恋ちゃんに!花恋に連絡を!」
何とか『家に来るな逃げろ』、とメール送信する。
痛みで意識が、遠のいていく、走れ!できるだけ遠く走るんだっっっ!!!

矛盾

何で僕はラプラスがいないのに傷を治せる?
そして僕はそれが治るものだと確信していた。
おかしい。 
ラプラスや雨子が言ってた身体能力の凄さってなんだ?
父さんの記憶がないのは何故なんだ?
雨子は何なんだ?
僕は魔法使い?
夜雨「ん…」
意識を取り戻す。
痛みで全身が動かない。
何とか持っていたカバンの中身を空ける。
そこには。
夜雨「任命証…?」
「(任命証 月夜夜雨 貴方を陸上自衛隊 曹長に任命す。)」 
と書いてあった。
夜雨「月夜って…僕は今草風だって…。」
更に曹長のバッチだろうか?
皮肉にも魚にも見える。
ラプラス…きみは無事なんだよね?
なんとか立ち上がろうとすると、かばんから更に写真が落ちた。
夜雨「…これは!?」
父さん、母さん、雨子、そして僕が写っている。
写真撮影日は…。
夜雨「僕が小学6年生の頃?」
そんな嘘だ。
雨子にも会ってないぞ!
そうだ!花恋ちゃん!
転がっているスマホを手に取る。
約5時間も経っていた。
花恋ちゃんから何通ものメールが来ている。
最後のメールには。
「(私もすぐに行きます)」
と書いてあった。
…!?
まさか!?
メールを見返す。
家に行ってはいない!
まさか!?ウツボ人間のとこに行ったのか!?
夜雨「ぐうううあああ!!!」
身体を浮かせろ!兎に角!花恋ちゃんのとこに行かないと!
スマホでウツボ人間の場所は分かった!まだそんな愛知県から離れていない!
待ってろ!待ってろ花恋ちゃん!

バッドニュース

花恋「ただいま〜。」
あれ?
夜雨君また寝てる?
花恋「はぁ…。」
最近強くあたってしまう。
彼が心配なのに自分も心配。
戦わないとけないのに戦いたくない。
ウツボ人間の弱点は大体分かった。
皮の厚さ、骨の硬さ、そして肉の弱さ。
厚い皮に、刀を突き刺す。
そこで私の電撃を加えれば焼きこがせるはず。
しかし…。
花恋「煙を吸っても駄目。おそらく血も危険。」
逆にだ。
なぜブルーダイヤモンドは私達魔女にとって弱点だったのか?
呪い…。
ブルーダイヤモンドの呪い?
私は重い頭の中、食事の準備をする。
私達は何故魔女に変身できるようになった?
私達は使い魔によって呪われたのだろうか?
だったら何故優愛先輩もブルーダイヤモンドの毒を食らっていたの?
そもそもダイヤモンドの中の素材でアレルギー反応を起こしている、耐性が無くなっていると考えても、ダイヤモンドって炭みたいなものだから、シャー芯を触る、粉吸った時点で死ぬ事になる。
科学的には説明できない。
花恋「モヤモヤしてても駄目!」
私は換気を行うために窓を開けようとした。
花恋「痛った…」
足の裏が痛い。
勢いよく血が飛び出す。
そして泡泡とした血が地面に垂れた。
花恋「…。」
…血?
今日ってこんな暑かっ…!?
窓ガラスが割れてる!?
花恋「え…何よこれ…。夜雨君!」
…反応がない。
急いでスマホを開く!
メールが一通届いていた。
花恋「“家に来るな逃げろ”…?」
私はすぐさま家から飛び出す。
窓ガラスが飛び散っていたのは内側。
外から攻撃された。
そして割れ方。
爆発したように割れていた。
そして血痕は見当たらず。
魔女狩りの奇襲にあって家から飛び出た?
いや、扉の鍵は閉めてあった。
現場は外か。
私は外に出る。
5分おきにメールをしても何も返事はない。
花恋「…なにこれ?」
焼き焦げた帽子のようなものが見つかる。
警察の帽子?
スマホで検索をかけてしばらく、速報というニュースが目に入る。
花恋「自衛隊将官が行方不明…?」
…この帽子は!?
落ち着け、考え直せ。
ニュースを読み進めていくと、ウツボ人間対策のために新たな人力を伸ばしていた。
魔女と呼ばれる者と接触する為に…。
そこで、私はスマホを閉じる。
将官がここに夜雨君と私に会いに来た。
何かしらの攻撃を受け、将官が死亡。
夜雨君は家から逃げた。
将官の死体は?
更に最悪なニュースが出る。
自衛隊将官は魔女の手によって殺された。
というデマだ。
SNSを調べると…
(ウツボ人間を作ったのは魔女てことでおけ?)
(使い魔なんじゃね?)
花恋「…ま、マズイ…」
(魔女狩りが正義なんじゃね?)
みんなの思考が…。
夜雨君が危ない!
ウツボ人間どころか人間全員の敵じゃない!
ということはいま仲間と言える人間は…。
真実を知ってる自衛隊だけってことになるわ!
夜雨君がウツボ人間の元に行ってるハズ!
メールの返信はまだ来ない!
私は急いでウツボ人間の元へ向かった

ウツボ人間戦その1

銃声や戦闘機の音が聞こえる。
ウツボ人間は…あそこか!
ウツボ人間は喰うたびに強くなっている。
とてつもない脚力で空を飛び戦闘機を破壊した。
花恋「嘘でしょ!?」
こいつら…何人喰ったのよ!
そのまま踵降ろしを私にぶつけてくる。
やっぱり見えてるのね。
コイツに抜刀術は使えない。
刀が確実に欠ける。
なら。
突術しかない。
放電加工というものがある。
超硬合金と言われるダイヤモンドより硬い素材を加工するために流す電気だ。
熱は6000度まで上がる。
私はウツボ人間の脳に突き刺しすぐさま離れる。
うまくいったみたい…。
ウツボ人間は煙を口から少し吐き、その場から立ったまま動かなくなった。
脳だけを焼き焦がした。
だが、私の事なんか目にもくれずに他のウツボ人間は突き進んでいく。
このままじゃ負けてしまう。
何とか私が抑えないと…!

ウツボ人間戦その2

夜雨「ふう…ふう…」
地獄絵図だ。
やっとついたものの周りは死体だらけ。
傷は…だいぶ治ってきた。
ウツボ人間もいない。
通り過ぎた後か…。
夜雨「ふ…っ!」
何とか力を振り絞って、空を飛ぶ。
何体かウツボ人間が倒れている。
中には焼かれているものも。
夜雨「…ハハ…。雨が降って口に入ったら死ぬなんて花恋ちゃん言ってたな…。」
一度降りてウツボ人間を調べる。
しっかりと脳天に穴が空いていた。
全て花恋ちゃんが…。
もう一度空を飛ぶ。
スマホでニュースを調べるが何もない。
どこに行ったんだ…。
花恋ちゃん。

ウツボ人間戦その3

…。
私はゆっくりと目を閉じた。
そして深呼吸して目を開ける。
花恋「ああ…。」
何も変わらない。
目の前には少女の死体。
そして私の腹部には多数の刺し傷。
まさか、女の子にメッタ刺しにされて死ぬなんて。
女の子も私が殺してしまった。
花恋「…。動けない…か。」

ウツボ人間戦その4

ついにニュースに速報が入った。
ニュースキャスター『色の違うウツボ人間が現れました!一体です!場所は愛知県の…』
…!?聴いたことある場所の名前。
嫌な予感がする…。
いやそんなはずはない。
とにかく向かってみよう。
全速力で海岸の近くまでついところ。
僕に何かが飛んできた。
夜雨「…!?ミサ!?」
ミサイル!?
間一髪で避ける。
そうか!僕のせいにされるってことか!
3台ほど大きなヘリが飛んてくる。
僕は急速に近づいた。
夜雨「落ち着いてくれ!これは僕達の仕業じゃないんだ!」
「誰が信じられるかぁ!」
バンッと銃を撃たれる。
力が抜けた。
どこを撃たれた…。
夜雨「あ…心臓…。」
ゆっくり意識がが遠のいていく。
が、その途端。
ヘリが3台急に潰れた。
夜雨「…え…?」
心臓の傷が急速に治る。
あれは!?
夜雨「ラプラス!」
ウツボ人間「違う。」
…は?
ラプラスの色をまとったウツボ人間…?
どういうことだ?

ウツボ人間最終戦

僕は着地し、距離を取る。
夜雨「な、なんなんだよ!」
ウツボ人間「お前が…魔女か?」
コイツ!なんで喋れる!?
夜雨「バカでかくてカッコいい僕の親友をどうした!」
なんで…同じ色をしてるんだ!?
ウツボ人間「…。」
コイツ…今笑ったか!?
とてつもないスピードで拳が飛んでくる!
僕は避けたつもりだったが。
当たった。
夜雨「ブッ!?」
吹っ飛ばざるというより、拳がめり込む。
横っ腹が消し飛んだ。
ウツボ人間「そうか!お前が夜雨か!不味かったな〜アイツ。」
夜雨「…え?」
ウツボ人間「ラプラスは俺が喰ったッッッ!アハハハッッッ!!!」
嘘だろ…。
優愛さんの顔が浮かんだ。
二人で新しい人生を歩む?
無理じゃないか。
真実を追い求める?
一体どうやって…。
拳の2発目が飛んできた。
すかさず避ける。
逃げないと。
ウツボ人間「まてぇ!お前を喰らわせろぉおぉ!!!」
一か八か。
僕が粉々になるか。
それとも生きるか。
2発目の拳が飛んでくる。
避けたらだめだ。
間に合わない。
僕はしっかりと身体に受け止めた。
ドンッと吹っ飛ばされ、バキバキと全身がなる。
骨で衝撃を吸収した。
もう動けない。
ブルーダイヤモンドの影響か、きれいに輝く海に落ちる。
ウツボ人間が上から降ってくるのがわかる。
死ぬのか。僕は。
ああ。
何でこうなるんだよ。
何で…。
ラプラス…ごめんね…。

海に化ける

お腹空いた。
花恋ちゃんのご飯が食べたい。
飛んでくるウツボ人間がラプラスに見えた。
空を泳いでいるように見えた。
呼吸ができずに海水を飲み込む。
優愛さんと凛護さんが散ったこの場所で。
僕も死ぬのか。
真っ暗な海。
なんだろう居心地が良い。
ウツボ人間がすぐそばにやってきた。
なぜだろうか。
ラプラスが泣いている声がした。

「海に化ける」前編

人間として色々と退化してしまいました。
そんな中、身勝手に書いた海に化ける前編でございます。
個人的な愚痴を言わせてください。
まさか会社の人にも信用してもらえなくなるとは思ってませんでした。
今は歌を歌うことさえ気力が湧きません。
自分が何をしたいのかわからないんです。
ただ一番近くにある自分の好きな事をただやるだけ。
歌で人気者になりたかった僕は何処へ。
夢を掴むために伸ばした手が、目の前で腐っていくのが分かります。
幸せってなんなんでしょうね?
花譜さんの海に化けるはこちら→https://youtu.be/2BWdQcAvP9k?si=eWepVblGDbgXUFTS

「海に化ける」前編

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-10-30

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work
  1. プロローグ
  2. 大学生活
  3. ニュース
  4. 不安
  5. ロックダウン崩壊
  6. 最悪
  7. 3日後
  8. 出撃命令
  9. 将官の覚悟
  10. 父の最後
  11. 矛盾
  12. バッドニュース
  13. ウツボ人間戦その1
  14. ウツボ人間戦その2
  15. ウツボ人間戦その3
  16. ウツボ人間戦その4
  17. ウツボ人間最終戦
  18. 海に化ける