和洋折中
ある日、君が食パンを箸で持って食べていたから
何故か、と聞いてみた
君は、「和洋折衷だよ」と子どものように笑いながら言葉を返した
そこは食材同士じゃないんだ、と思ったが君が自由なことを僕は止めたくない
次の日、君がカレーを箸で食べていたから
何故か、と聞いてみた
君は、「和洋折衷だよ」と変わらず微笑んだ
インドはどこだよ、と聞いてみたら
「インド洋の洋だよ」だってさ、変な発想だ
だけど、君らしいとも思った
また次の日、君がチャーハンをスプーンで食べていたから
普通だね、と言ってみた
君はムッとして、「和洋折中だよ」と言ってきた
なるほど、中華だから中ねと思った
字が違うけどいいんじゃない?と言おうとしたら
目の前にチャーハンが乗ったスプーンを差し出してきた
「折半の折だよ」と言いながら
まいった、僕はやはり君を止められない
金色にかがやく君の髪の毛は、風にそよがれて僕の心を揺り動かす
君が日本に来てくれてよかった、と思った
和洋折中