信仰と崇拝

2023年9月8日

言葉はいらない
そう言って何もかも振り切った私の頬を殴った
旅を続けられる足を
その言葉を信じられる心を持っていてあげたかった

林の影から、何者かがこちらを見ている
それは猛獣か、子供か
じっとこちらを不思議そうに覗きながら、それでも恐れながら、ただ居るだけで何もできないのはわかっていた
うかがってくる者たちは表裏一体だ

雲が雨を降らせ幻となり
暗雲が去る頃には
そいつは抜け殻だけになっていた

信仰と崇拝

信仰と崇拝

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-09-25

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