僕と俺と私

絶望と希望


中学生で俺がまだ僕だったころ
俺は絶望と希望を知った---


---僕はとても驚いた
小学校では仲のよかった女の子達が急に僕を避けだしたから
僕は小学生のころ、女の子といることが多かった
これだけ言うと羨ましがられるのだが、これには理由があった
簡単に言ってしまえば、男子にはいじめを受けていたから
生まれつき、と言ってもいいくらい、僕はずっといじめられっ子のポジションから外れることが出来なかった
原因なんて分からなかった
保育園の先生には、優しすぎるのだと言われた
僕は覚えていないけれど、先生がいじめっ子を押さえつけ、僕にその子を殴るよう言った、というエピソードがあるというくらい先生からしても納得のいかないことだったのだろう
僕はそれでもその子に仕返しなんて出来なかったらしい

男の子=怖いと思っていた僕が仲良くできるのは女の子しかいなかった
それが更に男の子を苛つかせ、いじめをエスカレートさせていたなんて僕は気付けなかった


それから何度か引っ越しをして環境を変えたが、僕のポジションが変わることはなかった
そして今の僕がいる

急に避けだした女子達
今まで通りいじめてくる男子達
中学生になって増えた知らない男子達からもいじめられた
僕はいじめられっ子として校内で有名になった
先輩も後輩も僕を知っていた
学校全体が敵なのかと錯覚していた
それでも不登校にはならなかった
母に言えるはずがなかったから

僕は笑い続けた
僕がいじめられていないときは話してくれる子もいた
いじめっ子が近付いてくると他人のふりをされるけど、それでも大切だと思った
僕以外にもいじめられっ子がいたし、滅多に学校に来ない子も何人かいた
僕はそういう子とも関係なく話をしていた
多分、僕は何かが壊れてる
そんなことしたらいじめが激しくなるかもしれないだなんて思わなかった
だけど、僕は気付けばいじめられっ子のポジションから少し違うところに移動していた

それでも毎日のように数人に殴られたり蹴られたりしていた僕を見ていた人がいた
僕は気付いていなかったけど心配してくれていたのだろう
僕とは完全にポジションの違う人が僕に話しかけてくれたのだ
彼は野球部のエースだった

体格も良く、顔も良い、人気者

完全に僕とは違った
そんな人が話しかけてくれたことが僕はただただ嬉しかった
怖かったはずの男子という存在が180度変わった
昼休みの時間には僕をキャッチボールに誘ってくれたりもした
楽しかった  嬉しかった

しかし、僕は違和感を覚えるようになっていった

僕と俺と私

僕と俺と私

※多少同性愛描写含みますので苦手な方はお読みになりませんようご理解お願いいたします。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-01-10

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