架空昭和史「川割船頭」

渡船場に超常的な力でモーセの如く川を割って人々を渡らせる“川割船頭”がいた。“川割仙人”とも呼ばれており、多くの人々に親しまれ、町の暮らしにはなくてはならない存在だったのだが、公害問題により水質汚染が深刻化した頃、自然環境が破壊されたのと同時に仙人の力も失われてしまった。やがて仙人は町を去り、二度と戻って来ることはなかったと言う。

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