なつの おとし もの

なつの おとし もの

わたし ことしの なつは いなかった みたいだ
ゆかた はなび りんごあめ サイダー
ぜんぶ いなかった

あれ いつから なつに いなかったんだろう
もしか すると ずっと まえから 
なつに いなかった のかも しれない

あぁ おもいだした じゅうななか
あの へやで あの ばしょで
あの しゅんかん に かわって しまったんだ
あのひ から なつに なると
ちいさな “はい”が おもいでに 
つもる ように なった

むかしは “はい” じゃなくて ふぃるむ だった
えいぞう が きろく されて いて
あたまの なかで いつでも ながせた
それが いつの まにか いろを うしなって
ぼろぼろ に なって おもいでに つもった

なつは わたしに とって とくべつ だった みたいで
どれだけ きれいな ものを みても
どれだけ すてきな けしきを みても
どれだけ きちょうな けいけんを しても
ふぃるむ として きろく されなく なった

わたしの めもり には
あなたと した なにげ ない かいわと
その ばしょに ただよう こーひーの においが
まだ のこって います
えいえんを うたった あの ばしょに
えいえんに とじこめ られて いるの でしょう

さよなら と うたえ ない わたしは
いまだに よわい まま みたいだ

なつの おとし もの

なつの おとし もの

ずっと そこで ねむって いた かった

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-09-05

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