ペンギンが飛べたら
飛べた
両翼に風を受けて、大空羽ばたくペンギンたち。
海を泳ぐ要領で、雲の間をスイスイ飛んでいく。
今 越えるのは白波ではなく、いつも見上げていたあの雲なのだ。
「空も海と変わらないな!」あるペンギンが得意げに言った。
そして、たどり着いた小さな島。
飛べたから
青い海、白い砂浜……
ペンギン達は思い思いに浜辺で佇みながら、寄せては返す波の音を聞いて暮らしていた。
あれから空を飛ぶ者は、誰 一羽いない。
ここは前に住んでいた氷の島と違って暖かく、魚がすぐに捕れるので皆それだけで満足しているのだ。
あるペンギンは「海も空と変わらないな」と言うと、伸びをしてから海へと向かった。
ペンギンが飛べたら