部屋
幾許かの歔欷は 物干し竿に見下され ヘアアイロンが絡みつく
不寛容な愛情は おれを心の底から嘲笑っている
そのくせ おまえがなぜ笑わない
おれがどれだけ俺の事を興がっているのか
熱演の果て 崩壊する倫理 目下の走馬灯が 現実であることすらも理解している
思い入れなどなかった 現物のことしか信じていない
現物には全て呪いがかけられており それに執着し過ぎるがあまり
記憶は薄く 走馬灯もぼやけ いるはずの無い胎児がこちらを見ている
思い起こせばおしまい 脳を殺し 次第に全てが消えゆくまで
部屋