きみの声

きみの声

電話編

きみと出会って2年半が経過した頃。
久しぶりに電話をした。

懐かしいな。
きみと付き合う前に、電話したのを思い出した。

会って話す声とは、少し違うきみの声。
落ち着いて少し低めのトーン。

マッチングアプリで知り合って、何度かメッセージでやり取りして。

電話が苦手だと言う私に、きみは自分が盛り上げるからと、一生懸命話してくれた。

それがなんだか、私にとっても楽しくて嬉しかった。
2時間とか3時間とか、電話してて。

気づいたら日付変わってる時間になってた。
けっこう話題が尽きなくて、盛り上がった。

そんな日々を思い出して、今はきみと、同じ趣味のゲームを
やりながら、電話してる。

「やっぱこのゲーム苦手だわー」

「よっしゃ勝ったー!」

電話越しにきみは、弱音を吐く。
そして私は、得意気に笑う。

きみの声

きみの声

恋人との電話の話です。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-08-21

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted