流れ星の姫君

ある日、星が空から落ちてきた

蒼い炎を身にまとい 夜空に一筋の光を描き

彼女はこの場所に降り立った

星の瞬く夜に

彼は地上で待っていた

紅い大地を衣にし 太陽の一点の闇となり

何千年もの間を

彼と彼女はお互いを見つめる

まるでこの瞬間を待っていたかのように

ふわっとした暖かい手が彼女の頬に触れる

華奢な儚い手が彼の頬に触れる

まるで初めて生き物に触れるかように

そっと愛おしいものに触れるかのように

時間が止まり 空間が止まり 世界が止まる

この刻が永遠になるように

二人が永遠の愛を誓うように

流れ星の姫君

流れ星の姫君

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-01-07

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