「雀」

 雀はいづこへ行ったろう
 あの秋空に溶けてしまったのかしら
 それとも落葉になってしまったのかしら
 足元でこしょこしょ
 空へとひらひら
 話すのかしら
 翔けるのかしら
 土をふみふみ
 舞をして
 かなりあのように唄ってる

 わたくしの眼に雀はいない
 寂しい秋の
 うつくしい青空よ
 どうか鉛に染まらぬように
 やさしい土の眠りを
 脅かさぬように

「雀」

「雀」

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-08-07

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