ファンタシースターポータブル2インフィニティ~次元を越えた戦い~

友達のキャラ名の許可を得ながら書かさせていただきました。
このゲームは、私にいろんなことを学ばさせてもらいました。
ゲームを作って下さった某ゲーム会社の方々には本当に感謝をしております。
その思いも込めております。

最後に・・・
出演させてない方々へ
出演させてもらえず、悲しい、お怒りはあると思います。
申し訳ありません。
セリフ少ないという方もいます…よね、ごめんなさい。
出してない方々は第二部に出します。
それを考えながら読んでくださると幸いです。
また、都合上により細かく書くことができませんでした。
以上のことを踏まえ、深くお詫び申し上げさせていただきます

ゲームをしていた俺はいきなり地球にやってきたゲームと同じ敵との戦闘に巻き込まれてしまう。 戦うための

それは、はるか遠いところの話。
母なる太陽と3つに惑星を持つグラール太陽系…。
そこに住むヒューマン、彼らから生まれたキャスト(意思を持ったロボット)、ニューマン、ビースト(獣人)は、外宇宙から飛来した謎の生命体SEEDによる襲来を受け滅亡の危機を迎えた。
しかし、4つの種族は心を一つにして戦い、激しい攻防の末これを封印した。
その後、ヒューマンが突然変異し、デューマンがうまれた。

惑星 地球

俺は、授業を受けながらPSPo2i(ファンタシースターポータブル2インフィニティ)の自キャラのレベル上げに勤しんでいた。
「なかなか経験値がたまらないなぁ…。」
ぶつくさと言いながら経験値が多いと思われるミッションへとキャラを進ませる。
「レベ上げするのもいいけどノートもとれよ?」
俺の隣にいる友達が注意してきた。
「あぁ、ノートはちゃんととってるよ。」
そう言いながら黒板に書かれてることを写し再びゲームの世界へと誘う。
「ならいいが…。」
と言いつつそいつも俺とは別のゲームの世界へと誘う。
そして、長い授業の時間は、俺のゲームの時間へと消え、昼休みとなった。
「ようやく160レベル超えたか…長かった。」
俺は、登校前に買っていたメロンパンを頬張った。
「また、メロンパンかよ。
そろそろ学食を食べたほうが身の為だぞ?」
「ふむ、しかし大丈夫だ。
なぜなら、俺の体はメロンパンでできている。」
「どっかの古いネタを引っ張ってくるなよ…。」
「大丈夫だ、問題ない。」
「問題大有りだ!!」
「え~…。」
「悲しそうな目で見ても無駄だ。」
「あぅ。
あっ、次の授業ってテストあったっけ?」
「いや、無かったな。」
「そか。」
「お前…まさか。」
「そのまさかさ。」
俺は、ニコニコしながら答えた。
「まぁ、俺も人のこと言えんがな。」
ゆったりとした昼休みの時間が終わり、授業が始まったが再び俺たちは、ゲームの世界へと入り込んでいった。

グラール太陽系 惑星 パルム

「今日も平和だな。」
イーサン・ウェーバーは、伸びをしながら呟く。
「そうですね、兄さん。」
隣にいるルミア・ウェーバーは、椅子に座りながら読書に耽っていた。
「ん?
ルミア、いったい何の本を読んでいるんだ?」
「な、なんだっていいじゃないですか。
兄さんには関係のない本です。」
「お前な、そう言われると余計気になるじゃないか。」
「…。
乙女心を覗く気ですか?」
ルミアは、頬を膨らまし眉間に皺をよせながらイーサンを見た。
「お前の乙女心じゃなくて、その本について聞いてるんじゃないか…。」
「そんなの一緒です。」
「どこが一緒なんだ?」
「兄さんには、一生かかっても女の子の気持ちなんかわかりそうもないですね。」
そういってルミアは、「恋愛指南」という本を持ちながら走ってどこかへ行ってしまった。
「ルミア!!」
イーサンは、叫んだが無駄に終わってしまった。
「なんだってんだ、いったい。」
イーサンは、首を傾げた。
「それには、僕がお答えしましょう。」
「ヒューガ!?
お前、いたのか。」
茂みの中から、ヒューガがひょっこりと顔を出した。
「えぇ、さっきからそこにいましたよ。」
「さ、さっきの会話聞いてたのか?」
「とんでもない、僕は、あなた方の話なんて興味ありませんから。」
「…そうか(聞いてたんじゃねぇか)。
で、俺に何か用があるんじゃないのか?」
「はい、実は興味深い話がありましてね。」
「興味深い話?」
「えぇ、あなたは、グラール太陽系は、3つの惑星で成り立っているのをご存じですよね?」
「あぁ。」
「実はですね、このグラール太陽系から離れた惑星に私たちと同じような種族が住んでるのが確認されました。」
「なんだって!?」
「ただ、まだ調査段階なので詳しいことはわかりません。
よって、私たちの仲間、味方、あるいは敵…なのかも。」
「さすがGRM社だな、グラール太陽系ではなくそこから更に広い範囲の惑星を調査するとはな。」
「いえいえ。
どちらにせよ、おのずとわかってくると思うのですが、時間がかかるのは無論です。」
「だろうな。」
「さて、私はルミアさんの状態でも見てきましょうかね。」
「待て、ヒューガ!」
そう言うのが早いか、ヒューガはそそくさとルミアが走っていった方向へと去って行った。

グラール太陽系 惑星 クラッド6

タッタッタッタッ
一人の少女が、社長室へと入っていく。
「ちょっと、おっさん!
また前のバーからツケを清算してと通達が来てたよ。」
「あん?
そんなのお前が払えばいいじゃねぇか。」
「なんで私が払わなくちゃいけないのよ!」
少女――エミリアは、通達書をクラウチの机に叩きつけた。
「なんでって、誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ?
それを考えたら安いもんだろ。」
「うっ…そう言われると困る。」
「だから、お前が払えばすむんだよ。
ツケの代金はお前の給料から引いといてやるから安心しろ。」
「安心って、給料から引かなくてもいいじゃない!」
「いいから、いいから♪」
「よくない!」
「騒がしいわね、一体何があったっていうの?」
スラリとした背の高い女性が社長室に入ってきた。
「あっ、ウルスラさん聞いてください。
おっさんが、このバーからのツケを私の給料から引くって言うんですよ?」
「ちょっとクラウチ、ダメじゃないの。
自分が、払うものなんだから自分で払わないと。」
「あぁ、また面倒なことになっちまったなぁ、おい。」
クラウチは、小さく呟いた。
「何か言った?」
「いや、何も言ってない。」
「面倒なことを起こすのはあんたの特権じゃなくて?」
「聞いてたんじゃねぇか!」
「誰もあなたの口から聞いたなんて一言も言ってないわよ?
ねぇ、エミリア?」
エミリアは、頷いた。
「っ…。」
「とにかく自分で払いなさいよ?」
「わぁったよ、俺が払えばいいんだろ。」
「分かればよろしい。」
「全く、お前がいるとろくなことになんねぇな。」
「それは、こっちのセリフよ。」
「マァマァ、フタリトモ、スコシハ、オチツイタラドウ?
エミリアガ、コマッテルジャナイノ。」
片言の言葉をしゃべりながらスナックにいるような服を着た女性が入ってきた。
「だってチェルシー、さすがにこれは怒るわよ。」
「タシカニソウダケド~、エミリアガヨケイニコマッタラ、イミガナイジャナイ。」
「…確かにチェルシーの言うとおりね。」
「デショー?
ダカラ、コノハナシハオシマイネ。」
「…。」
ウルスラは、黙って社長室から出て行った。
「シャッチョサンモ、オチツイテ、ネ?」
「…あぁ。」
「アト、コノケイリショニサインオネガイネ。」
「…うわぁぁぁぁ!」
クラウチは、社長室から走り去っていった。
経理書には、3千万メセタという高額な額が請求されていたからである

グラール太陽系 モトゥブ

「トニオ~、トニオはいるか~!」
大きな声を出しながら、どこかの部族を催した服を着た一人の若い青年が、トニオという人物の家へと入っていく。
「騒々しいなぁ。
なんだ、ユートか?
大きな声出さなくても聞こえてるから叫ぶな。」
「ごめん…。」
青年――ユートは、首をうなだれた。
「で、俺に何か用があるんじゃないのか?」
ユートよりも小さな体をしたトニオがユートの顔を覗き込む。
「あぁ、そうだ。
トニオ、よめ、ってなんだ?」
「よめ?」
「あぁ、俺の村の村長が、お前はもういい年だからよめ、を見つけろって言ってきてさ。」
「お前、よめって嫁のことか…。」
「一応、村長にこの人が俺のよめとは言っておいたけど、なんなのか分からなくて。」
「う~ん、嫁っていうのはだなぁ、その…。
俺とリィナは、結婚して家族になっただろ?」
リィナと言うのは、トニオの古くからの付き合いの女で、トニオはリィナと一緒にいたいがためにガーディアンズという組織をやめリィナとともに仕事をするようになった。(現在は、クラウチのいる会社に所属している。)
「うん。」
ユートは、軽くうなずく。
「その家族の中の、リィナが俺の嫁だ。」
「つまり、家族の中の女の人がよめ、ってことだな。」
「まぁな、お前にも分かり易く言うとだな、家族と言う部族の中の夫婦という形で所属していてその中のリィナが嫁、ということだ。」
ユートは、理解したのか右手を拳にしてポン、と左手を叩いた。
「わかったよ、トニオありがとう。」
そう言って、ユートは走り去っていった。
「嫁…か、ユート頑張れよ。」
トニオは、小さく呟いた。

グラール太陽系 惑星 ニューデイズ

「さて、今日も大星霊様の声を聞くか。」
カレンは、グラール教団の伝統の巫女服を身にまとい祈りを捧げはじめた。
両手を掲げ、なにやら呪文を唱え始める。
そして、十数分後 カレンは、いきなり意識を失い倒れた。
「ミクナ様!」
近くにいた巫女たちは騒いでいたが、彼女を急いでベッドに運ぼうとぎこちない手つきで抱き起した。
カレンは、目を覚まし何か不吉なことが起こる、と言った後再び意識を失った。
これを聞いた巫女達は更にざわめきだし慌てふためいた。
「とにかく、どこかへ運ぶのよ!」
カレンを担ぎその場から離れて行った。

グラール太陽系 パルム

「今日も演算処理に問題なさそうね、ルウ。」
一人の眼鏡をかけた女性が青いパーツを身に着けたキャストに声をかけた。
「はい、エミリアとシズルが私の能力を高めてくれたおかげです。」
「そうね。」
マヤは、細い眼鏡をあげた。
「ルウ、今調査している惑星はどんな感じ?」
「現在、GRM社と共同で調査している惑星ですが、多くの人間が住んでおり、文明が栄えていると思われます。
実際に行って調査していないので情報はここまでです。」
「そう、有難う。」
「はい。
…!?」
ルウは何かに憑りつかれたかのように固まった。
「どうしたの、ルウ?」
マヤは、ルウの顔を覗きこんだ。
「マヤさん、パルム、モトゥブ、ニューデイズ、クラッド6にSEEDが確認されました。」
「何ですって!?」
マヤは、悲鳴をあげた。
「SEEDは、もう封印されたはず…誤認情報じゃないの?」
「それが、今襲撃にあっているというSOS信号を検知しました。」
「そんな…。」
そこへ、パルムの惑星間民間警護組織、ガーディアンズの総裁、ライア・マルチネスが部屋にやってきた。
「二人とも落ち着いて聞いてくれ、つい先ほどグラール太陽系のこの4つの惑星がSEEDによる襲撃を受けた。
現在、我々ガーディアンズと同盟軍と共に戦闘を行っているがどうも持ちこたえそうにない。」
「それ本当なの、ライア?」
マヤは念を押してライアに聞いた。
「あぁ、本当だ。
同盟軍の総司令部のフルエン・カーツ総司令官によると軍のキャストの約9割がSEEDに浸食され壊滅パルム、ニューデイズの原生生物もSEEDに浸食され人々に多大な被害を出している。
モトゥブ、パルムのガーディアンズは現在も戦闘を行っているがモトゥブのガーディアンズ部隊は戦闘も虚しく戦闘を離脱しパルムに来て共同で戦闘している。
クラッド6は、市民はパルムに非難しスカイクラッド社が設立したリトルウィングが今もなお戦闘している、という状況だ。」
「…。」
「ルウ、何か情報集まってきた?」
マヤは、ルウに聞いた。
「…。」
ルウは何も言わない。
「ルウ!!」
「聞こえてます。
今、処理中です。」
「あっ、ごめんなさい。」
ルウは何も答えない。
その時、外部からの通信音が鳴った。
それは、カーツからだった。
「こちら同盟軍総司令官フルエン・カーツだ。
ライア総裁はいるか?」
「どうした、カーツ?」
「ライア…もう、同盟軍というものは存在しなくなった。」
「どういうことだ!!」
「主力部隊は全滅…他の部隊はSEEDに浸食された。
残っているのは、私と十数人の部下しかいない。
我々がやられるのも時間に問題だ。
よって、我々は今からガーディアンズ支部に移動する。」
「了解した。
くれぐれも死ぬなよ?」
「あぁ。」
通信は切れた。

グラール太陽系 クラッド6

「おっさん、やばいよ!!
これ以上奴らが来たら私達やられちゃうよ?」
エミリアが泣きじゃくりながらクラウチのコートの袖を引っ張る。
「そんなもん分かってる!!
だが、どうすればいいのか分かんねぇんだよ。」
「クラウチ。」
ウルスラが声をかけた。
「なんだ?」
「もぅ、ここを放棄するしか手立ては残ってないわ…。」
「冗談は、よしてくれよ。
だからと言ってここは俺たちの家だ、手放すわけにはできねぇ。」
「そんなこと言われても…。」
ウルスラは、黙った。
「ミンナ~、テキサンタチガサイゴノバリケードヲヤブッタヨ!!」
チェルシーが叫ぶ。
「くっ…仕方ねぇここを放棄する!」
クラウチは、苦虫を潰した顔で言った。
すぐさま残っている戦闘員、エミリア達は船に乗り込みその場を後にした。

グラール太陽系 モトゥブ

「何でだよ、何でまたこいつらがいるんだよ!!」
ユートは、大声を出しながら手に持っていた槍でSEED化した原生生物を倒していた。
その時、突然何かが飛び出してきて生物達を切り裂いた。
「お前は…。」
「久しぶりだな、ユート。」
それは、カレンだった。
「あぁ、久しぶりだな。」
ユートは、ニコニコしながらカレンを見た。
「にしても、多いな。」
「うん、早く村に帰らないと…。」
「村に帰ろうとしていたのか?」
「うん、トニオによめ、について聞いてその帰りだったんだ。」
嫁という単語を聞いてカレンは、頬を赤らめた。
「どうした、カレン?」
「いや、なんでもない。
「カレンは、どうしてここに来たんだ?」
ガーディアンズに所属している仲間に会いに行こうとしたんだが襲われてね。
それでここに辿り着いたってわけさ。
行くぞ。」
「おう!!」
2人は、敵を倒しながら、村へと進んだ。
だが、着いた時には村には誰もいなかった。
「そんな…」
ユートは、膝から崩れ落ち号泣した。
「もっと早く帰れば、皆を守れたのに!!」
「ユート、諦めるのはまだ早い。
どこかに避難してる可能性もある。」
カレンは、ユートの肩を叩きながら励ました。
「そうだな。」
ユートは、涙を拭い村を見つめ辺りを見回した。
「あっ…。」
ユートは、家の側で倒れている人を見つけ走った。
「大丈夫か!?」
だんだん見えてくる人物を見て、こう叫んだ。
「村長!」
ユートは、村長のヨボヨボな体を起こし、力いっぱい揺さぶった。
「ユート、そんなことしたら本気で死ぬぞ?」
カレンは、ユートを止めて注意した。
「…ごめん。」
「コホッ!」
村長は、一つ咳払いをした。
「ユ…ユートか…?
危うく死ぬところだったわい。」
「ごめんなさい。」
「うむ。」
村長は、ユートの頭を優しくなでた。
「村長いったい何があったんだ?」
「また、あの禍々しいものが現れよったんじゃ。」
「SEEDか…。」
カレンは、小さく呟いた。
「そうじゃ。」
「他の皆はどこに行ったんだ?」
「皆は散り散りに逃げたが、今頃避難用の洞窟に集まってるじゃろ。」
「分かった。
じゃあ、そこに行こう。」
「うむ。」
村長は小さく頷いた。
洞窟に向かっているとカレン宛に通信が入ってきた。
「ライアからだ。
どうした、ライア?」
「今そちらに救助船を向かわせた、まもなく到着する。」
「了解した。
では、今から巣窟に避難している人達を到着地点に誘導する。」
「分かった。」
カレンは、通信を切った。
「あそこの洞窟じゃ。」
村長は、小さな洞窟を指差した。
入ってみると村人達が集団で肩を寄せ合いながら震えていた。
「みんな、助けに来たぞ!」
ユートが叫んだ。
「おぉ、ユート無事だったか。」
村人達が口々に言いながら集まってきた。
「村長も無事だ。」
「皆の衆、よくぞ無事だったな。」
「村長こそ無事で何よりです。」
「うむ。」
「皆さん聞いてください。」
カレンが村人達に今の状況と船への到達地点へと行くことを説明した。
「これから行きますのでくれぐれも離れないようにしてください。」
「分かりました。」
村人達は、頷いた。
到達地点まではそう遠くはなかった。
洞窟を出て皆は固まりながら進んだ。
一時、SEEDに侵食された原生生物が襲い掛かってきたがユートとカレンが対処した。
船がある場所に到着した彼らは、船に乗り込みその場を後にした。

グラール太陽系 パルム

「村人達の救助が完了したようです。」
ルウは、ライアに報告した。
「分かった。
だが…こちらにきたとしてもこちらも持ちそうにない。」
「どうするの?」
マヤが冷や汗をかき動揺しながらライアに尋ねた。
「今調査している惑星に逃げるかあるいはこの場を離れずに戦うか・・・だな。」
「…。」
マヤは黙った。
そのとき、通信が入った。
「マヤさん。」
「あっエミリア、どうしたの?」
エミリアは暗い顔をしながらマヤを見つめた。
「マヤさん、私の演算が正しければもうすぐ…。」
「もうすぐ…何?」
「もうすぐ、グラールは SEEDによって消滅します。」
「なんですって!!」
それを聞いたマヤとライアは、顔が真っ青になった。
「ルウ、グラールはどうなる!?
エミリアが間違ってるよな?」
「間違ってません。」
ルウは小さく言った。
「そんな…。」
ライアは、頭を抱えた。
「グラールが…無くなる。」
そんなことを考えたことがなかった彼らは、頭が真っ白になった。
「ライア、あの惑星に行くしかなさそうね。」
マヤは声を絞りだして言った。
「…今から調査中の惑星に避難する!」
ライアは泣きながら叫んだ。
そして、船へと乗り込み未知の惑星へと出発した。
浸食されるグラールを見ながら人々はむせび泣いた。

地球

「んっ、エミリアから通信?」
右目に青色の眼帯をつけた少女が真っ白い手を胸ポケットに突っ込み小型通信機を取り出した。
「どうした、エミリア?」
「ナギサ、大変なの!!」
エミリアは、泣きながらナギサに話しかけた。
「何があったんだ?」
「グラールが…グラールがSEEDに汚染されて、無くなっちゃたの!!」
「何だって!?」
「ナギサ、あんた今どこにいるの?」
「私は今地球という惑星にいる。」
「地球?」
「あぁ、ヒューマンが沢山いてとても大きな建物がいっぱいある星だ。」
「へぇ…ってその星私たちが調べてた星じゃん!」
「そうなのか?」
「まぁ、あんたは知らないよねぇ…。
今から、私達もそっちに行くね。」
「分かった。」
「因みに、そこの人達って優しい?」
「あぁ、優しいぞ。
私が、剣を出したら侍だぁ何だので写真を沢山撮ってきたな。」
「あっ…そう。」
エミリアは、手を頭に当ててため息をついた。
「どうした?」
「いや、何でもない。
その星には普通に入れるの?」
「普通に?」
「あぁ…えと、船に乗ってその星に行く時何も言われなかった?」
「何を言ってるのか分からなかったからそのまま行ったら攻撃された。」
「えぇっ!!
で、そのあとどうしたの?」
「星に不時着してそこから逃げた。」
「…。」
「ん?
駄目だったか?」
「駄目っていうよりも敵と思われてるよ、それ。」
「そうなのか?」
「当たり前でしょ!」
エミリアは、どなった。
「まぁ、無事ならそれでいい…かな。」
「そか。
あと、私のことを何人か知っていたな。」
「なんで知ってるの!?」
「さぁな、私のほかにもエミリアのことも知っていたな。
なんでも、私たちがゲームのキャラになってるとか…。」
「は?」
「とりあえず言えることはそれくらいだ。」
「分かった、じゃあまたね。」
「あぁ、またな。」
ナギサは、通信を切った。
「私達がゲームに?
一体どういうことなの?」
エミリアは、得意の演算能力で考えてみたが答えが思い浮かばなかった。
「司令官、未確認飛行物体がこちらに向かってきます。」
「なんだと!?
彼らとコンタクトはとれるか?」
「それが、話をしてみようとしても応答がありません。」
「ならば、宇宙人用の電波を送ってみてくれ。」
「分かりました。」
通信士が、宇宙船に向かって電波を発射した。
ルウは、それを感知しライアに伝えた。
「ライアさん、あの惑星から電波がきました。
どうやら、コンタクトを図ろうとして送ってきたみたいです。」
「コンタクトをとろうにも向こうの言語がこちらと合ってるか分からない。
ルウ、その電波を介してリンクして向こうの言語を調べてくれ。」
「分かりました。」
ルウは、発射してくる電波を辿り言語を調べは始めた。
向こうの言語は、英語みたいです。
「はい、翻訳システムにその言語を入れて、彼らと話をしてみます。」
「頼んだぞ。」
「はい。」
「司令官、飛行物体から通信がきました。」
「なにっ!
繋いでくれ。」
「了解。」
「こちらはグラール太陽系パルムから来た民間警備会社ガーディアンズ所属のルウです。」
「こちらは、アメリカ空軍司令官ブライトだ。
君達は、何者だ?」
「私達は、グラール太陽系に住んでいましたが、未知の生物SEEDにより侵食されあなた達の惑星に非難・警告しにきました。」
「そう言って、君達は
私達の惑星を侵略しに来たのではないのかね?」
「違います。」
「司令官、ホワイトハウスにいる大統領から連絡です。」
「分かった。
大統領、こちらは、アメリカ空軍司令官ブライトです。」
「ブライト、状況はどうなっている?」
「現在、未確認飛行物体と交信中です。」
「相手は、何者だ?」
「相手は、グラール太陽系パルムに住んでいた住民です。
彼らは、SEEDという生物に浸食されたそうです。
また、そのSEEDがこの地球に来ようとしているため警告しに来た模様です。」
「了解した。
では、侵略しに来たのではないのだな?」
「はい。」
「ううむ…。
世界中の国の緊急電話に繋げろ。」
「了解しました。」
電話交換手は、世界中の緊急電話の回線をつなげた。
「みなさん、こんにちは。
こちらはアメリカ大統領のケインです。」
「一体、何があったんですか?」
日本首相の佐原が尋ねた。
「今地球に宇宙船が接近してきています。」
皆は、驚きざわついた。
「落ち着いてください。
彼らは、侵略目的でこちらに向かっているのではなさそうです。」
「どうしてそのようなことが言える!」
ロシアの大統領が叫んだ。
「私たちは、彼らとコンタクトをとることに成功しました。」
「おぉ。」
ケインは、どうして彼らがここに来ようとしているかの経緯を話した。
「…というわけで彼らはここに来ようとしているのです。」
「ふむ…。」
佐原は、黙った。
「で、皆さんに彼らが地球に降り立ってもいいか聞こうと思いまして電話しました。」
「私は、賛成だ。
そのSEEDとやらがどんなものか詳しく知らねばならぬ。」
「私は、反対だ。
そう言って侵略しようとしてるのかもしれない。」
論議が続き一向に決まりそうになかったので多数決をとることにした。
「賛成の方?
反対の方?
では、決定しましたので彼らに報告します。」
皆はうなずいた。
「え~っと名前は何と言ったかな?」
「ルウです。」
「ルウ、多数決のより君たちを迎いいれることにする。」
「有難うございます。」
「よし、みんな着陸態勢に入れ。」
ライアは、指示を出した。
そのころ、人々は宇宙船を見て困惑しだした。
「ん?
なんだあれは…。
「UFOだ!
こっちにくるぞ、逃げろ!!」
人々は、車を乗り捨て遠くの方へ走って逃げ惑った。
「む…。
司令官!」
「どうした?」
「新たなる未確認飛行物体が来ます。」
「何!?」
そのことにルウ達も気づいた。
「ライアさん、SEEDが来ます。」
「来るのが早すぎる…。」
その時、無数の紫の光が地球に降り注いだ。
それを見た人々は、再び騒ぎ出した。
「あの光はなんだ?」
「きれいね…。」
そう言ってるのも束の間だった。
光は、地面を砕き、車や建物を破壊した。
そして、生物へと変化していった。
「宇宙人だ!!
侵略しに来たんだ~!」
人々は、混乱した。
「く…来るなぁ!」
一人の男が生物に向かって発砲した。
弾は、あたったが弾き返された。
「銃が効かないだと…?」
この映像を見た上官たちは困惑した。
「ルウ、あれはなんだ?」
「あれがSEEDです。」
「あれが…。」
「一刻も早く排除しなければ地球はSEEDに浸食されます。」
「そんな…。
今すぐ、軍を派遣し対処せよ!」
「了解。」
兵士達は集められ町へと赴いた。
あちこちで車が破壊され火を噴き、ガラスが飛び散っていた。
「ひどいな…。」
一人の兵士が呟いた時だった。
「いたぞ、やつらだ!」
「よくも俺たちの街をめちゃくちゃにしやがって!!」
「くらえっ!」
兵士たちは、生物達に向かって銃弾の雨を降らせた。
しかし、効くどころかどんどん兵士達へと近づいてくる。
「ば…化け物だ。」
「なら、これをくらえ!」
兵士が、ロケット砲をぶち込んだ。
爆音が鳴り響き、生物達は吹き飛びあたりは煙に包まれた。
「やったか?」
目を凝らしてよく見ると生物達には傷一つついておらず起き上がって更に近づいてきた。
「ひっ…ひぃぃっ!」
兵士達は、怖気づき逃げ出した。
「怯むな、戦え!
それでも、アメリカ軍兵士か!」
その部隊の隊長が叫んだ時、一人の少女が現れた。
「おい、君危ないぞ?」
そんな言葉を聞かずに少女は、どこからか剣を取り出し生物達に切り込んで行った。
「なんて強さなんだ…。」
隊員達は、息を詰まらせた。
「早く、逃げろ!」
しかし、話す言語が違うため彼らは彼女が何を言っているのかわからなかった。
逃げようとしないのを悟ったナギサは、近くに止めてあった車を剣で突き刺した。
「ハァッ!!」
彼女は、隊員たちに向かってそれを投げた。
驚いた隊員たちは後ろへと退いた。
「危ないじゃないか!!」
隊員たちは口々に叫んだがナギサはそんなことを尻目に敵へ突っ込んだ。
「彼女は、我々に逃げてほしいと訴えているんじゃないか?」
一人の隊員が、つぶやいた。
「まさか、だったらこんなことしなくてもいいだろう。」
「そうでもしないとひかないと思ったんだろ。」
「ふむ…。」
「彼女の意見に従うか…。」
隊員たちは、退き上げていきナギサのみがその場に残った。
「退いたか。」
ナギサは、そう呟き再び敵に切り込んで行った。

その頃俺は、教室で講義を受けながら友達と話をしていた。
その時、空からまばゆい光が降り注いできた。
「なんやろな、あの光?」
光は、どんどん教室の中へと近づき窓を突き破った。
窓ガラスは飛び散り、光がぶつかった地面はそこの部分だけひび割れが生じた。
教授は、講義するのを忘れ忘れその光景に目を奪われた。
光は少しづつ無くなり、一つの生物へと変化していった。
大きな緑色の体に2つの鋭い鎌、長く上へと伸びた鋭い耳、顔は、鼻や口がなく黄色く光輝くものが埋め込まれている。
「あいつはまさか…。」
俺は急いでゲームの画面に顔を戻した。
間違いなく、まったく瓜二つの姿のゾルディランそのものだった。
「何あれ、ロボット?」
「何かの映画の撮影でも始まったのか?」
他の奴らは口々にそう言った。
「ありえない…でもやつはここにいる。」
そう言った瞬間、俺は心の中でこう思った。
殺される!!
ゾルディランは、あたりを見回した後急に右腕を後ろに引いた。
おい、やめろ!!
俺は、叫んだ。
「早く机の下に隠れろ!!」
その瞬間ゾルディランは、腕から緑色の弾を投げだした。
弾は、素早く回転しながら生徒たちを襲った。
3発連続で発射されたが机の上を飛んだため俺は、難を回避できることができた。
スパンッと何かが斬れる音とブシャッという何かが飛び出た音が教室に響いた。
俺は、立ち上がった時その音の正体がなんだったのかが理解できた。
それは、生徒たちの首や腕が斬れる音とそこから血が飛び出た音だった。
「ウプッ!」
口から何かがこみ上げてきた。
しかし、これを必死に抑え込み俺は教室を出ようとした。
教卓のとこにはまだゾルディランが居座っており今にも俺に向かって飛びかかりそうな雰囲気を醸し出していた。
俺は、奴に気づかれないように荷物を持って机の下に潜り込んだままほふく前進で歩きドアを開けその場を後にした。
「一体、何が起こってるんや…。」
状況把握ができない以上何もすることができない。
周りを注意深く確認しながら一歩ずつ前へと進む。
1階へと行くエレベーターへと辿り着きボタンの押した。
1…2…3…4…
エレベーターは、数字を増やしながら上へとゆっくり昇って行った。
ようやく俺がいる7階へと昇り終わりドアが開いた瞬間悶絶した。
目の前には血だまりの光景が広がっておりそこにいたのはデルジャバンさん達4体…。
「ええと…お引き取り願いますでしょうか?(涙笑)」
顔をひきつらせながら言ったが、彼らにとっては無論お構いなしであり両腕を振りかざしながら襲いかかってきた。
「ひぃぃぃぃっ!!」
急いでエレベーターではなく階段へと向かい、走って降りた。
武器も何もなく、まるでネズミが猫に追いかけられているような気分である。
建物を飛び出し、外に出たのはいいが周りは敵…敵…敵。
「この中を逃げるって無茶ぶりにもほどがあるぞ。」
殺されないようにひたすら走る。
冷たく湿った冬の風が頬をなでた。
まるで何かが終わるかを知らせるかのように…。
安全地帯などここには存在しなかった。
逃げること、これが最善の手段でありこれしかなかった。
家族が今どうなっているかなどの余裕などそんな時間は一切なかった。
道路に飛び出すと交通は大混乱に見舞われていた。
車は事故を起こし、建物に突っ込んでいる車も多数見受けられた。
炎が立ち込め、人の姿など一切見られなかった。
まるで、どこかに連れ去られたかのように…。
俺は、道に捨てられていた自転車を拾い上げ荷物を前にある籠の中に入れ走り出した。
建物を見回しながら走ったが病院や警察署などはまったくと言っていいほど機能していなかった。
なぜなら、そこに奴らが押し寄せ破壊と殺戮を起こしたからである。
親に電話をかけたがまったく出る気配がなかった。
これからどうなるのだろうか…。
不安になりながらペダルをこいだ。

ペンタゴン

「さて、この状況を話してもらおうか。」
ケイン大統領は、ルウ達に語りかけた。
周りには無数のモニターがあり、そこには各国の首相や大統領が映っていた。
「わかりました。」
ルウは頷き、あるモニターを映し出した。
「これらの生物達は、SEEDと呼ばれ言葉を持たずひたすら殺戮と破壊を繰り返します。
感情も持ち合わせておりません。
以前我々が封印したのですが復活しました。」
「どうして復活したんだ?」
「原因は、不明です。
明確な情報がありませんので…。」
「倒す方法はあるのか?
我々が使っている現代の武器が通じないのでは倒すすべがない。」
「私達のAフォトンを使った武器を使えば倒すことは可能です。」
「しかし、我々はその武器を持っていない。
よって、戦うことができない。」
「私たちが、みなさんに武器をお貸ししましょう。
武器に限りがあるのが難点ですが…。」
「もし、その武器が製造できればいいのだがどうかね?」
「製造するための機械を持ち合わせていませんのでそれは不可能です。」
「そうか…。」
その時、佐原が手を挙げた。
「あの~…。」
「なんですか?」
「どうしても話を聞いて欲しいという者がいるのですがよろしいでしょうか?」
「どうぞ。
何か役に立つかもしれぬし…。」
皆は頷いた。
「ありがとうございます。
では、こちらへどうぞ。」
画面に映ったのは、眼鏡をかけたヒョロッとした男だった。
「私は、セガで働いているサカイと申します。
実は、私が作ったゲームがあの敵と同じなのです。」
「何!?」
あたりはざわめいた。
「武器もAフォトンを使っているとか…。
もし、私のゲームデータを実体化できれば対抗できるのではないかと思いまして、まぁ現代の段階では不可能に近いですが…。」
「たかがゲームだ、そこまで一緒とは限らない。」
「実体化なんて無理に決まっている!」
皆は、口々に叫んだ。
だが…
「待ってください。」
ルウは、皆を黙らせた。
「確かに、ゲームですので一緒とは限りません。
しかし、そこまで言う必要はあるのでしょうか?
この重大な危機に瀕している中で無理とか不可能とか言っている場合ではないと思います。
実体化は、難しそうに見えますがいけるかもしれません。」
「本当か!」
ケインは、安堵した。
「しかし、これはあくまでも推測です。
プログラムを読み取ってAフォトンを使って具現化できれば問題はないと思います。」
「ふむ、ではさっそく取り掛かってもらいたい。」
「はい。
では、サカイさんも手伝ってください。」
「わかりました。」
「ライア?」
ルウは、ライアを呼んだ。
「なんだ、ルウ?」
「エミリアを呼んでください。
この実験の計算を任したいのです。
私一人では限界がありますので…。」
「しかし、エミリアはそれを受け入れてくれるだろうか?」
「確率は、50%ですね。」
ルウは悲しそうな眼をしながらうつむいた。
「そうか…。
とりあえず、聞いてみるよ。」
「お願いします。」
ライアは、部屋から出て行った。
ライアが歩いているとベンチに座っているエミリアを見つけた。
「エミリア。」
「あっ、こんにちはライア総裁。」
「こんにちは。
実は、折り入って頼みがあるのだが聞いてくれるか?」
「頼みですか?」
「うん。
他の人にはできないことなんだ。」
「どのようなことでしょうか?」
ライアは、今までの経緯をエミリアに説明した。
「というわけで、君にこの装置の設計を任したい。
嫌ならば他の誰かに頼んでやってもらうしかない…。」
エミリアは目をつむって下を向きしばらく考えた。
「…私にしかできないことなんですか?」
「あぁ、他の奴に頼むにしても膨大な計算をするにはかなりの時間がかかってしまう。
今はそんな時間をかけている余裕はない。」
「分かりました、やります。」
「いいのか?」
「これ以上誰かが傷つくのを見たくありませんのでやります。」
「分かった、ではこちらに来てくれ。」
「はい。」
ライアは、再びルウ達がいる部屋へと赴いた。
「失礼します。」
「どうでしたか?」
「見ての通りだ。」
そこにエミリアが部屋に入ってきた。
「あっエミリア、来てくれたんですね。」
「うん。
私、頑張ってこの装置を完成させる!」
「分かりました。
では、この画面に映っているサカイさんと開発を行ってください。」
「わかった。」
「では、すぐに飛行機を手配する。
しばらく待っててくれ。」
オバマは、エミリアに優しく話しかけた。
「分かりました。」
エミリアは頷き部屋の外へと出て行った。

俺は、なんとか家へと自転車をこいで帰ってくることができた。
「…。」
歩いて玄関へと向かったが足が軋み激痛が走った。
「くそっ!」
足を引きずりながらも俺は、家の中がどのような状態になっているのか、親が無事でいるのか全く分からない状況の中で不安になりながらも玄関の前に立った。
鍵は…閉まっていた。
「まだ、中にいるのか?
それとも外に出たのだろうか…それとも…。」
鍵を開けドアノブを捻りドアを開けた。
中は静かで物音一つ聞こえなかった。
「ただいま…。」
俺は、小さな声でそう呟いた。
リビングへ続く廊下を歩きリビングに出た。
電気もついておらず親の姿などどこにもなかった。
「どこに行ったんだ?」
自分の部屋に入り、荷物を置き定期、財布などの貴重品はポケットに入れっぱなしにした。
部屋から出て、台所、妹の部屋、親の寝室、トイレの中を探したが誰もいなかった。
「逃げたと見ていいのかな…?」
そう言った時だった。
リビングの窓が割れる音が家の中に響いた。
「まさか…!?」
リビングに行ってみるとそこには一つの光があった。
「おいおいおいおいおいっ!!」
俺は、急いで家を出てそこに止めていた自転車にまたがり、家から逃げるように一心不乱にこぎ続けた。
こいでいると遠くの方に逃げ惑う人々が見え、その中に母の姿があった。
「母さん!!」
俺は、叫びながら母さんの方へと自転車をこいだ。
気が付いた母は、腰が抜けてしまっているのか足元がおぼつかない足取りで歩いてきた。
「無事だったのね。」
「うん、母さんも無事でよかった。」
「あいつらは一体なんなの?」
「信じがたいけど俺がやってるゲームの敵そのまんまなんや。」
「えっ…。
じゃあ、実体化したってこと?」
「いや、空から降ってきたから宇宙から来たとみて間違いないと思う。」
「宇宙ですって!?
そんなことがあるなんて…。
とにかく、早くここから逃げましょう。」
「うん。」
俺は、母を荷台に乗せて走ろうとした時だった。
不意に携帯のメール着信音が鳴った。
「こんな時に誰からだ?」
携帯を開けメール確認してみると見知らぬメールアドレスだった。
「何かの勧誘サイトか?」
よくよく見てみるとそれはセガからのメールだった。
内容を読んでみると今、敵に対抗する装置を開発しており完成次第渡したいのでファンタシースターポータブル2インフィニティのUMDとメモリースティックを持ってきてほしいということだった。
「…ってことはまた家に戻らなあかんやん…。」
俺は、来た道を引き返し家へと戻った。
母を玄関前に残しドアを開けて中に入った。
辺りを見回したが奴らはいなかった。
「うし、このまま部屋へ行くか。」
自分の部屋へと向かいPSPを持って部屋を出ようとした。
玄関近くの親の寝室から何か物音がした。
おそるおそる中に入ってみるとそこには、SEEDに汚染されたコルトバがベッドの上に寝転んでいた。
「なんでコルトバがいんの!?」
そんなことを言いつつも玄関をでてサドルにまたがり自転車をこいだ。
目指すは、セガの本社がある東京…。
他の人達ってどうやって行くんやろ?
そんなことを考えつつも前へ前へと自転車を進ませる。
一般道路を進むが人や車が邪魔になってしまいなかなか進むことができない。
「何かいい方法はないのだろうか?」
そう思っているところにとある看板が見えた。
「これだ!」
俺は、その方向へと自転車を向けて走り出した。
「一体どこに向かってるの?」
母が、後ろから尋ねてきた。
「高速道路さ。」
「え…。
そんなことしたら轢かれるに決まってるじゃないの!
馬鹿な真似はよしなさい。」
「さっき、通行止めの電光掲示板が見えたんや。
これなら一気に行けることができる。
無論、体力を消耗するからかなりの道のりになるけどね…。」
「PA(パーキングエリア)もあるしゆっくり行きましょ。」
「うん。」
俺は、頷きハンドルを強く握りしめた。
車が、所々で乗り捨てられていたが道は塞がれておらずスムーズに進むことができた。
太陽が傾き始め夜がまもなくやってくる。
道路で野宿するわけにもいかず近くのPAに自転車を止め夕食を食べ、ベンチに寝転んだ。
ほどなくしているとドアが突き破られる音がした。
何事かと起きてみるとパノン数匹が棚の中の品を漁ったり飛び跳ねたりしていた。
「ここから出た方がよさそうだな…。」
俺は、母を起こし寒い夜空の中をライトを点けて走り出した。
兵庫から大阪、大阪から京都へと順調に県を跨いで行く。
PAで買い物しつつ走る…走る…走る。
岐阜あたりで足が止まり、さすがに足に限界が近づいてきていた。
「まずいな、こんな何もないところで止まるわけにはいかない。」
次のPAがある場所までこぎ続けた。
結構走ったな…。
今までの走った距離を考えるとそう実感させられた。
しかし、東京までは距離が長い。
もっと早く進めるものはないかとあたりを見回す。
運転免許を持っていないので車に乗るわけにはいかないな…。
そう考えていたが足は震え、激痛が走っていたためそんなことを言っている余裕はなかった。
「母さん、車に乗ろう。」
「あんた、運転免許持ってないのに何言ってるの!
事故でも起こしたらとんでもないわよ。」
「けど、東京まで行くにはもう自転車じゃどうにもならない。
車じゃなきゃ到底着くことなんて容易じゃないよ。」
「…。」
母は、黙ってしまった。
「じゃあ、私を置いて行きなさいよ。」
「何言ってんだよ?
こんなとこで置いてけぼりにできるわけないやんか!」
「あなたが運転する車に乗るなんて私はごめんよ。」
「…分かった。
じゃあ置いて行くよ。
どうなっても知らないからね。」
俺は、そう言って動かせそうな車を探した。
「あっ、この車鍵がついてる。」
見つけたのは、日産で生産中止にされたスカイラインR―34だった。
乗り込みエンジンを点けた。
父親の隣でいつも車の動かし方を見ていたのでクラッチに書いてある頭文字は理解していた。
アクセルを踏み母の前まで車を動かす。
助手席の窓を開け母に話しかけた。
「本当にいいの?
乗らないの?」
母は黙ったまま何も語ろうとしない。
「…行くね。」
そう言って窓を閉めようとした時だった。
ドアを開けて母が乗り込んできた。
「えっ?」
俺は、あっけにとられてしまいしばらく固まってしまった。
「何してるの?
早く動かしなさいよ。」
「う…うん。」
俺は、車を発進させた。
ガソリンの量に目を配らせながら目の前の道路に集中する。
疲れてしまったのか、母は寝息をたてながら助手席で寝ている。
そんなことはお構いなしにとエンジンをふかせて速度を上げた。
一県、一県確実に東京へと近づいていく。
車も人もいない高速道路…。
障害物がないのでスムーズに車を走らせることができることに俺は上機嫌になっていた。
途中で仮眠をとるなどして朝日を拝むころには東京に到着していた。
高速道路を下り、セガ本社がある住所を看板を見ながら車を走らせた。
ここまで来る時にはやつらが来なかったので安堵した。
会社に到着し、車を降りて中へと入った。
広々とした玄関の前に受付があり、受付にここに来たことの趣旨を伝えた。
2階の奥の部屋へ行ってくれと言われエスカレーターで2階に上りそこへ向かった。
その部屋にはたくさんの人だかりができていた。
「俺の友達はいるのだろうか…。」
不安になりながらも辺りを見渡すが人が入り乱れてるので顔がよく見えない。
携帯を取り出し知っている限りのゲーム友達全員にメールを送った。
ほどなくして携帯の着信音らしき音がいくつか聞こえてきた。
その方向へ行ってみると顔に見覚えのある人物が向こうに見えた。
「サラ!」
俺は、叫んだ。
彼は、此方に振り向き、そして手を振りながらこっちに近づいてきた。
「久しぶりだな、motty。」
mottyとは俺がゲームに使っている名前である。
因みにモッチーと読む。
「あぁ、去年のオフ会以来か…。」
「そやな。
この人は?」
と、俺の隣にいる女性のことを聞いてきた。
「俺の母さん。
他の家族との連絡は取れてない。
たぶん、生きてると思う。」
「そうか…。」
「白駒とピトフーイは?」
「見てないなぁ。」
「そか…。
俺も会ってないし連絡がきてない。」
そう言った時だった。
誰かが俺の服のそでをクイクイと引っ張ってきた。
「誰?」
後ろを振り返るとそこに白駒の姿があった。
「もっちさん、サラ、お久しぶり。」
「あぁ、久しぶり。
無事やったんやな。」
「よくここまで来れたな。」
「うん、お父さんに連れてきてもらったの。」
「なるほどね。
あとは、ピトだけか…。」
「来てないの?」
「そやねん…。
あいつ京都やからのぉ。」
「うむ。」
「他に誰かおるんかmotty。」
「うん。
けどまだ会ってない。」
「そうかぁ。」
「残念だね。」
3人がうなだれたその時、俺の携帯が鳴った。
「あっ、ピトからだ。
すぐそばにいるみたい。」
「どこやろ?」
「あ…あれじゃないかな?」
白駒が指差した先には少し背が高く眼鏡をかけた青年がいた。
「ピトだ。」
3人は近づきその青年に声をかけた。
「ピト…?」
俺は、少し顔をあげて青年の顔を見た。
「あ、motty!!
久しぶりやんw」
「うむw
サラと白駒もおるよ。」
「やほ♪」
「ひさ。」
「おぉっ!!」
4人は久しぶりの再会ということで喜びに酔いしれた。
「あの…私どうしたらいいの?」
「この人誰?」
白駒は首を傾げた。
「俺のお母さん。」
「お母さん!!」
白駒とピトは驚いた。
「いつも息子がお世話になってます。」
「いえいえ~。」
「どうも…。」
ピトは、明るく振る舞ったがサラは人見知りなためおどおどしながら答えた。
白駒とはいうと…。
「は…ははは…初めまして!!」
なぜか妙に緊張していた。
「チロw
そんなに緊張しなくていいよ。」
「わ…わかった。」
緊張しすぎと男3人で笑いながら仲良く談笑した。
「他の人は呼べる?」
「例えば?」
「アリスさんとか。」
アリスさんとは俺にとってはゲームの師匠である存在の方であり優しく接してくださるとても好き方である。
「メールしたけどパソコンしか持ってないから見てるかわからない…。」
「そうか。」
サラは、会いたかったのにと肩をすくめた。
「うぅむ。」
「こうするか?」
「どうするの?」
白駒は、頭の上に疑問符が浮かんでいるような顔をした。
「何か目印がある場所にいるとメールしたら集まるんじゃないかと。」
「それええなぁ。」
「隊長、グッドアイディアです。」
「いつのまに俺は隊長になったんだ、ピト?」
「オフ会から。」
「…そう。」
俺は、頭に手を抑えながら答えた。
そして、目印になるものを探した。
「あれでええんちゃう?」
サラが指差した先には振り子がついている置時計が置いてあった。
「あれにするか。」
俺は、目印の場所にいると友達全員にメールした。
5分経過した頃に、全員から了解というメールが返ってきた。
そこからどれくらい待っただろうか…。
ぞろぞろと人がこっちに集まってきた。
「もっちさん、この人たち全員誰なのか分かる?」
白駒は、俺に耳打ちしてきた。
俺は、冷や汗をかきながら分からないと答えた。
聞くしかないか…。
俺は、そう思いこう叫んだ。
「ここにお集まりの方々はmottyのフレンドですか?
もしそうならば手を挙げてください。」
そう言った瞬間、全員が手を挙げた。
「うぉっ!!」
あまりの多さに悶絶しそうになったがこう付け加えた。
「大変申し訳ありませんが実際に会ったことがないのでゲームで使われてるカードで名前を呼びますので返事してください。」
皆は、頷くなり返事をした。
「では、いきます。」
ASOU、フラン、サラ、ピトフーイ、ポイニクス、白駒、あきにゃん、いりは、ストラーフ、三日月、grym、96293(クロツグミ)、よれしく、ヨシュア、ライト、ソラ、MAO、セイ、紅羽、トシキ、アザレア、ゆい?、BUNTA、ZERO、カルシファー、ボコチョ、エリエス、?、ささき、kyoui、マサヒロ、Ymir(ユミル)、ホワイトオーガ、L206LAARK、ユウタ、フィリア、ともたん、(>_<)(顔)
呼んでいくとこの人数が手を挙げた。
バルシュは、中国に在住なので欠席、後に合流するとソラから聞いた。
アリスさんは、呼んでも返事がなかった…。
この人数はいくらなんでも多い。
この輪の中で話をするのは骨を折りそうだと俺は感じた。
「もふ。」
セイが、俺のもう一つのあだなで呼んできた。
いつも鳥の着ぐるみを着ているためモフモフしてるからもふ、らしい。
「何?」
「もうすぐ、会見が始まるみたいだよ。」
「ほぉ、何を言うんやろね?」
「さぁ…。」
「これからのことじゃないの?」
そこにMAOが割り込んできた。
「ですよね…。」
「私たちを集めて何か始めるみたいだけど何するか分からないし…。
早く始めさないよねぇ。」
MAOは頬を膨らました。
「まぁまぁ、落ち着こうぜMAO。」
ソラがMAOをなだめた。
「そんなこと言ったって始まりやしないんだから落ち着いて待とうよ。」
「だからって、外は未曽有の危機に瀕しているのよ?
落ち着いてられるもんですか!」
更に頬を膨らます。
「大丈夫よ。
そう簡単にこの世界は終わらないわ。」
紅羽は、つぶやく。
「そそ、軍がなんとかやってるだろ。」
俺は、そう言うとMAOに軍なんかあっけなくやられたわよと言われあえなく撃沈…。
「あっ、会見が始まるみたいだにゃ。」
あきにゃんが、静かにと注意うるかのように小さく俺たちに向かって言った。
大きなプロジェクターが上から登場し、その前に男の人が歩いて行く。
「皆様、大変お待たせしました。
これから、重大な説明をいたしますのでよくお聞きください。
それではルウさん、お願いします。」
プロジェクターが光だし、そこにルウの姿が現れた。
「あれって本物なのか?」
人々は、疑問を投げかけざわめいた。
「…静かにしてもらってもよろしいですか?」
この問いかけに皆は、黙った。
「私達は、SEEDの復活によりグラール太陽系を壊滅されてしまいました。
ちょうどそのころにこの星の調査を行っておりましたのでここに逃げることにしました。
SEEDはグラール太陽系のみならずここに侵略してきたので何か対抗策はないかとここの惑星の上の方達と話をしました。
その時、このサカイさんから提案があるということでその提案に賛成し実行し、実現することができました。
その提案についてサカイさんに話してもらいます。
サカイさん、よろしくお願いします。」
ルウは、カメラの外に出たかと思うと今度は黒縁眼鏡をかけた一人の男性がプロジェクターに映し出された。
「えぇ、ただいま代わりました、サカイです。
私の提案と言いますのは、私が作ったゲームとこの今の敵や武器が全く同じということが分かったため、ゲームの武器を実体化できないか?という提案でした。
現代の技術では不可能に見えましたが、GRM社とエミリアの現場監督の下で実験を行った結果…。
UMDとメモステを差し込むことでキャラに変身し尚且つ武器が使える装置を作ることに成功しました。
また、この装置はキャラのステータスにもリンクしています。
ゲームでは転生4回がステータスのカンストとなってますがこれが人間に付加できる力の限界にしました。
もし、改造を使って強化した場合は力の限界を超えることになるので怪我、及び死につながりますので気をつけてください。
また、大変疲れている状況で変身を行うと精神異常や身体的以上をきたす恐れがありますので十分注意してください。
これらを守ってSEEDと戦ってこの地球を守りましょう!!」
オーと全員が声を張り上げた。
「では、チーム・ギルドなどに分かれて行動してください。
あと、リーダー、副リーダーを決めてください。
連絡するときに必要なので…。
説明は以上です。
準備ができ次第出発してください。」
装置が配られ、俺は右肩に装着した。
ほんとに変身できるのか?
そう疑問に思いながらUMDとメモステを入れ、キャラを選択した。
体が光だし、気が付くと俺は鳥の着ぐるみを着ていた。
「うぉっ!!
ていうことは…。」
俺は、もう一人のキャラを選んだ。
体が光り、着ていた鳥の着ぐるみは消えてその代わりにメイド服と猫耳が付き髪の毛は緑の短髪、目は赤色のキャスト(ロボット)になった。
「はうぁ!!」
その姿を見た三日月が冷たい目で見てきた。
「もってぃってそんな趣味があったんだぁ…。」
「誤解だ!!
うぅ、下がスゥスゥして気持ちわりぃよぉ。」
「は…早く着替えなさいいよ、馬鹿。」
「馬鹿ちゃうわ!」
「それを着てる時点で馬鹿よw」
「ぐふっ…何もいえねぇ」
そう言いながら俺は、もう一度鳥の着ぐるみを着た。
「さて…。
あの~。」
その声に全員が俺の顔を見た。
「リーダーと副リーダーどうする?」
その問いかけにポイニクスが答えた。
「リーダーはもう決まってるじゃないの♪」
その言葉に全員が頷く。
「えっ、誰?」
「もふ、よ。」
アザレアが答えた。
「そうですねmottyさんはリーダーシップがありますし大丈夫です。」
96293さんがニコニコしながら言った。
「もふは、俺の兄貴やし♪」
「兄貴って…。
俺には無理だ!!」
俺は、必死に反論したがそんな反論は通じることはなかった。
「じゃあ、副リーダーは?」
この問いかけには全員が唸った。
俺がリーダーになるのは本気で決定事項だったのね…。
俺は、がっくりと首をうなだれた。
「私がやりましょうか?」
そう言ったのは96293さんだった。
「俺は、賛成です。」
俺は、言った。
すると…
「もふが、賛成なら僕も賛成するよ。」
そう言ってセイが手を挙げた瞬間全員が手を挙げた。
俺って一体なんなんやろ…?
そう思いつつ俺は、96293さんを副リーダーに任命した。
「では、用意ができ次第出発する。
解散!!」
そう言った時だった。
「もっちさん。」
白駒が、暗い顔をしながら近づいてきた。
「どうした?」
「私、あまり戦いたくない…。」
白駒は、ゲームの中でもあまり実戦経験がなかった。
「う~ん。
なら、こうするか。」
「?」
白駒は、首を傾げた。
「あの~、戦う兵士、衛生兵、医者などを決めたいのですがよろしいでしょうか?」
皆は、それに賛同した。
その結果がこうだ。
白駒・ポイニクス:衛生兵
ストラーフ:兵士兼お風呂番台
Ymir・96293:兵士兼精神科医
残りが兵士となった。
「では、改めて解散。」
その時だった。
いきなりプロジェクターに何かが映った。
「あ~、あ~、聞こえるか諸君?」
そこに現れたのは、黒服を着たシズルに似た人物だった。
「シズル…?」
俺は、そう呟いた。
「違う、私は太陽王カムハーンだ!!」
「フハハーンか…。」
エリエスが、ぼそっと言った。
「私は、カムハーンだ!!
なぜフハハーンなんだ?」
「フハハハハとずっと笑ってるからだよ。」
俺が、答えたと同時に皆は、頷いた。
「貴様ら~!!
私を愚弄すると言うのか!?」
「うん♪」
皆は、再度頷いた。
「…。
いいだろう。
私の本気を見せてやる!!」
そう言ってカムハーンは両手をかかげた。

「なんですかこれは!?」
突然ルウが叫んだ。
「どうした、ルウ?」
ライアが尋ねた。
「突然、SEEDのコアが増えました。」
「なんですって!
一体どういうことなの?」
「分かりません。
いきなり増えて私には予測不可能です。」
「なんだと…。
今いる部隊でSEEDコアを破壊しに行く。
総員、準備に備えろ!!」
ライアは叫んだ。

一方その頃エミリア達は、サカイと話をしていた時にこの映像を見て驚いた。
「カムハーンって死んだはずじゃ…。
なんで生きてるの!?」
「俺にもわかんねぇよ。」
クラウチが、頭をかきながら呟いた。
「とにかくあいつをぶったおさないと…。」
「だな…。
まぁた、あいつと戦うことになるのか。」
「そうね…。
大変だけどやらないと。」
ウルスラは、そのことに嘆いた。

「行くか…。」
そう呟いて俺は、全員に集合をかけた。
ドアを勢いよく開けて飛び出していくその姿はまるで獲物を狩りに行くコヨーテのようだ。
外を見てみるとビルからは煙が立ち込め車は見るも無残な姿となっていた。
俺は、ファミ通デンドーブレードを両手で持ち敵に向かって突っ込んでいき切り裂く。
切り裂いていると奥の方に男の子が座り込んで泣いているのが見え、そこに向かってくるダークベルラの姿が見えた。
まずい…。
そう思い男の子の方へと走った。
ダークベルラは男の子に鋭い爪で刺そうとする…。
「やめろ~~!!」
俺は、叫んでダークベルラを切ろうとしたが間に合わないと踏んで男の子の上に覆いかぶさり怖くて目を瞑ってしまった。
刺されたな…。
そう思った。
その時、何か金属がぶつかる乾いた音とベルラが叫ぶ声がした。
何が起こったのかと目を開けて確認してみるとそこにいたのは銀色の髪のツインテール、初音ミクの白い服、両手に流星棍を持った女性キャストだった。
どこかで見たことがあるな…いや…ある…。
俺は、小さくその人の名前を呼んだ。
「アリス…さん?」
こちらに振り向きそしてニコッと笑った。
「ういす~。
間に合ったみたいやな。」
そう言ってアリスは僕に手を差し伸べてくれた。
「立てるか?」
「はい、有難うございます。」
「いあいあ。
僕、大丈夫か?」
アリスが男の子に声をかけると彼は小さく頷いた。
俺はそっと男の子の頭を撫でてあげた。
「ありがとう…。」
目に涙を浮かべながらそう言った。
「さて、motty。
この状況をどう打開しようか?」
アリスは、俺の背中合わせをしたまま尋ねた。
「そうですねぇ…とりあえず周りを囲まれちゃってるんで突破しかないかと思うんですけどもどうですか?」
「ふむ…。」
彼は、目を瞑り頭を巡らせた。
「何を考えているんですか?」
「集中しようと思ってね。」
「あっ、邪魔してすいません。」
「いやいや、大丈夫だよ。
きたぞ。」
「はい。
お兄ちゃんたちのそばを離れないでね。」
俺は、男の子に言い聞かせた後剣を構え直した。
周りを囲んでいたパノンやデルジャバンがじりじりと間合いを詰めてくる。
「こんだけ囲まれてると回転切りできる武器の方が効率いいかもしれませんね。」
「そうやね。
てことは斧だね。」
「ですね。」
2人は、武器をエンドイフに持ち替えた。
「行くか。」
「はい。」
俺たちは、エンドイフを振り回しながらパノン達を倒していく。
「斬っても斬ってもキリがないですね…。」
「だね、どんどん増えてる気がするが気のせいだろうか?」
「気のせいではないと思いますよ。
奥の方から来てますもん…。」
俺が指差した方向にはSEED達が群れで近づいてきてるのが見えた。
「むむむ…。
どうしたものか。」
「増援が欲しいですね。」
「うむ…。」
そう言った時だった。
後ろの方から何かが走ってくる音がした。
敵なのか味方なのか分からないため走ってくる方向に武器を構えた。
2人の前に勢いよく飛び出してきたのは背が小さく、ノーノシュヴァンツを着た女性キャストだった。
「やほ、motty。」
「ポイニクス!!
来てくれたのか。」
「あぁ、他のみんなも呼んでるからもうすぐくるはず。」
「そうか。
なら、こいつら全員倒せるな。」
そう言いつつ3人で敵の中を突撃した。
「俺の威力を思い知れ!!」
そう言ってポイニクスは、SUVウェポン:スターライトクラスターを発動させた。
縦横無尽にボードで駆け巡り敵を宙へと舞い、そして切り裂かれ屍と化した。
「どんなもんじゃい。」
満面の笑みを浮かべながら威張った。
「なんか、攻撃範囲と威力めちゃくちゃ強くないか?
改造してるん?」
俺は、威力が高いことに不思議に思いポイニクスに聞いた。
「してない。
転生した時のステータスとかで強くなってるだけやけど…?」
「そか、すまない。」
「ええってw」
「なんとか倒し終わったみたいだね。」
アリスさんが最後の1匹を仕留めて言った。
「みたいですね。」
その時、携帯にメール着信音が鳴った。
メール相手は、アザレアからだった。
三日月とライトとマサヒロが先に行ったまま帰ってこないということだった。
3人は、アザレアがいる場所へと向かった。
「アザレア、何があった?」
俺は、アザレアに問いかけた。
「私、紅羽、ライト、三日月、マサヒロでSEEDを倒しにここに来たんだけど私と紅羽を残してどこかに行っちゃって…。
さっきまで連絡が取れてたんだけど途絶えちゃったの。」
「多分、戦ってる間に別の方向に奴らの姿がいたからそこに向かって言ったんだと思う。
止めようとしたんだけど私たちの前に襲いかかってきたから止められなかったの。」
「私達のミスだわ、リーダーごめんなさい。」
2人は、俺に頭を下げた。
「いやいや、誤られても困るよ。
それよりも早く探しに行こう。」
「まだ遠くには行ってないと思いたいが…。」
アリスは、唸った。
「どっちの方角かはわかるの?」
ポイニクスが聞いた。
あっちの方、とアザレア達は指をさした。
「分かった、行こう。」
俺達5人は、その方角へ進んで行った。
進んでいくと何か叫んでる声が聞こえた。
「何だ?」
その方角に行ってみるとSEEDの群れの中に人影が見えた。
その人影は、だんだん大きくなり鳥の着ぐるみが見えたのでそれはマサヒロだと分かった。
「マサヒロ!!」
そう叫ぶと鳥頭がこちらに向いて羽(手)を振った。
「手ぇ振ってる場合か!
勝手にはぐれようとするなよ…。」
「ごめん…。
でも向こうの方に敵がいたからそっちに行こうとしたの。」
「だからといって勝手に行ってしまうのはだめや。
今度から気ぃつけや?」
「うん。」
「にしてもさっきの叫び声は何やったんやろ…。」
「それは…あれのせい。」
「あれ?」
マサヒロが指差した方向には、一人の若者がSEEDと共に月達を襲っているところだった。
「何だあれは!?」
「さっきあの人と会って仲良く戦ってたんだけど急に性格が変わって僕達を襲ってきた。」
マサヒロは、何とかしてと俺達に懇願してきた。

「ちょっとやめなさいよ!
一体どうなってるのよ…。」
「ガルルルルルルゥゥ。」
三日月は、ロッドで青年の攻撃を防御しつつ後ろに退きながら傍にいるライトに聞いた。
「そんなの私に聞いても分かるわけないじゃない。
とにかくこいつを何とかしないと解決しないわ。」
「でも他に敵がいるしどうにかなんないの?」
「無茶言わないでよ。」
と、喧嘩まがいの話をしながらライトは、SEEDが三日月に攻撃しないように注意を払って周りのSEED達を倒していた。
「増援は来ないのかしら…」
「増援ならここにいますけど?」
「えっ…。
あっ、motty!
それにみんなも!!
どうしてここにいるの?」
「アザレア達の連絡を受けてここに来たんや。
勝手にはぐれやがって、あかんぞ?」
「ごめんなさい。」
「まぁ、それとして目の前の奴らを倒そうか。」
アリスさんは、武器を構えた。
「そうね。」
アザレアも、ロッドを持って戦闘態勢に入った。
「とにかく何とかしてよ!」
三日月は、ロッドを横にして上に構え、片膝を地面につけながら助けを求めた。
ロッドは、若者の攻撃によってすり減り今にも折れそうな状態だった。
「分かった。」
俺は、そう言って若者に向かって走り顔面を蹴り上げた。
若者は吹き飛んでがれきの中に埋もれた。
「怪我はないか、月?」
「うん…ありがとう。」
三日月は、しょんぼりしながら答えた。
「あいつ、変身してから暴走し始めたのか?」
「うん。
理由は分からない。」
「とりあえず、変身を解かせた方がいいな。」
そう言って俺は、青年が身に着けている装置を使って変身を解いた。
青年は、かなりの深手を負っているらしくぐったりしていた。
「病院に運んだ方がよさそうね…。」
紅羽は、青年の肩を担ぎ運び出した。
「俺も手伝う。」
アリスさんがもう片方の肩を担いだ。
「ありがとう。」
「いあいあ。」
そう言って2人は歩き出した。
しばらく歩いていると青年が目を覚ました。
「すいません、歩けます。」
青年は、2人にお礼を言って歩き出した。
「何で暴走し始めちゃったの?」
マサヒロは、不思議そうな顔で青年に聞いた。
「そ…それは…。」
青年は、黙ったまま答えようとしない。
「お前、改造データを使ったのか?」
俺は、冷たい目で尋ねた。
「…はい。」
青年は、声を振り絞り小さく答えた。
「改造を使った方がもっと強くなるしいいと思ったからです。」
「なるほどね…。
でも、いくら体を強くしたって他人を傷つけてしまっては意味がないわ。
ほんとに強い人は、戦いながら周りの人を助けたりする人のことよ。
ね、もってぃ?」
三日月は振り返って俺に尋ねてきた。
「えっ…あ…うん。」
俺は、とまどいながらも答えた。
「だからそんなことしなくたっていいの。
分かった?」
「はい…。」
青年は、しょんぼりしながら答えた。
そうしていると俺の携帯のメール着信音が鳴り響いた。
「あっ、セガからメールきました。
集合してください、とのことです。」
皆は、頷いて会社に向かって歩いた。
セガについてみると前回集合した部屋で会見が行われていた。
「えぇ、我々がSEEDのコアを破壊しに行ったところコアを搭載した要塞が多数出現しました。
これは、カムハーンが具現化によって作り出したものでカムハーンを倒せば無くなると思います。
肝心のシズルの潜伏場所ですが、SEEDコアがある中で一番大きい要塞を発見しました。
この中にいると思われます。
よって、今からこの要塞に向かって総攻撃を開始したいと思います。
各班、地上部隊と宇宙部隊に半分ずつに分かれて行動してください。
分かれた後、しばらく時間があります。
時間になりましたら私達が乗ってやってきた船に乗り込んでください。
私からの話は以上です」
ルウは、淡々と会見を行った。
「隊長、どう半分に分かれますか?」
ピトフーイが俺に尋ねてきた。
「むぅ…。
全員連れて行きたいのに…。」
俺は、唇を噛み締めて涙をこらえた。
「では…班を決めます。」
その結果がこうなった。

地上部隊
白駒、あきにゃん、いりは、ストラーフ、三日月、grym、96293(クロツグミ)、ライト、ソラ、MAO、アザレア、セイ、紅羽、トシキ、サラ、エリエス、ピトフーイ、ポイニクス、BUNTA、マサヒロ

宇宙部隊
ASOU、フラン、ゆい?、カルシファー、ボコチョ、shin、?、ささき、kyoui、アリス、ホワイトオーガ、LAR2006、フィリア、ともたん、(>_<)(顔)、よれしく、ヨシュア、Ymir(ユミル)
となった。
「準備ができ次第出発する。」
俺は、言った。
「出発前にお風呂に入って行かない?」
ストラーフさんが提案した。
「私、近くの温泉の番台になったのよ。
だから、さっぱりしてから戦いに臨んだ方がいいと思ったんだけど…どうかしら?」
皆は、賛成し温泉へと向かった。
「れぽ君、女の子の裸を覗こうとしちゃだめよ?」
いりはさんが俺にニコニコしながら語りかけてくる。
「み…見ませんよ。
ってかするわけないじゃないですか!」
「そうよね。
もっちさんは、そんな人じゃないもんね。」
白駒が一緒に抗議してくれた。
「うん。」
俺は、ただただ頷くしかなかった。
「mottyさん、お風呂気持ちいいですね。」
ピンクのカクワネ着ぐるみを着たgrymが近づいてくる。
「ちょっ…そのまま入ってきたのか?」
「はい、何か問題でも?」
「ないけども、茹で上がったカクワネに見えて仕方がない。」
そう言った瞬間その場にいた全員が爆笑した。
「はぁ…いいお湯ね。」
MAOはそう呟きながら余韻に浸っている。
「確かにいいお湯じゃ…。」
「そうだにゃ…。」
紅羽とあきにゃんも賛同しながらうっとりしている。
「半分に分かれるのは仕方ないが、悲しいです。」
96293が、鳥の着ぐるみを着たまま羽(手)で俺の頭を撫でてきた。
「すみません…。」
俺は、謝ることしかできなかった。
「いえいえ、頼りにしてますしきっとこの班がいいと思っています。」
「96293さん…。」
涙目になりながら俺は抱きついた。
「絶対ここに戻ってきます。」
「はい、戻ってきたらみんなでどこかおいしいものでも食べに行きましょうね♪」
「はい!」
こうして俺達の至福の時は流れ、出発の時間がやってきた。
「では、行ってきます。」
「もふ、カムハーンなんかぶっ潰してこい。
地上は俺達に任せろ。」
ソラが元気よく満面の笑みを浮かべながら言ってきた。
「りょ~かい。」
そう言って2人は、ガッチリと腕をくんだ。
「では、出発します。」
ルウの言葉を聞いて船が1機、また1機と飛び立っていく。
そして、俺たちの番がやってきた。
ドアが閉まり轟音と共に地面からの距離が少しづつ遠くなっていく。
お互い手を振りながら見送った。
「行っちゃったね…。」
アザレアがぽつりとつぶやいた。
「そうだな、だが俺達は俺達の仕事をやるだけだ。」
BUNTAは、そう言って武器を構えた。
「やる気満々ね。
頑張らないともふに怒られちゃうわね。」
MAOは、船を見つめながら言った。

地球を飛び出して少し経った頃だった。
目の前にSEEDが大量に浮かんいるのが見えてきた。
向こうもきっと俺達の存在に気付いているはず…。
そんなことを思いつつ俺の顔は段々険しくなっていった。
「motty、そんな気難しい顔してたら勝てる戦いも勝てなくなってしまうぞ?」
「すいません…。」
「仕方がないけどね…。」
「そうですね…。
しかし、リーダーなのでこんな顔をしててはダメですね。」
「まぁ、mottyはしっかりしてるから大丈夫だと俺は思ってるよ。」
「あぅ…有難うございます。」
俺は、照れながら答えた。
その時、突然大きな揺れを感じた。
2人は歩いてロッジに向かって歩いた。
「何があったの?」
ロッジにいたゆい?が聞いた。
「SEEDからの攻撃がきました。」
船を操っている操縦士が答えた。
「頑張って避けていますが…。」
操縦士は顔を曇らせた。
「何としてでも避けろ!」
俺は叫んだ。
近くにいた船が次々と攻撃を受けて爆発していく。
それを見て皆は息をのんだ。
仲間がやられていく…。
それを実感しながら俺達は何としてでもカムハーンを倒すと心に誓った。
なんとか攻撃を回避し一番奥のSEEDにたどり着くことができた。
「全員、突撃~!!」
俺は、叫んで船を降りた。
船から降りてみると目の前にはSEEDが群れをなして船の周りを囲んでいた。
「団体できましたね…。」
ホワイトオーガが苦虫を潰したような顔で言った。
「でも、ここまで来たんだから絶対勝てますよ。」
カルシファーがライフルを構えてホワイトオーガを元気づけた。
ASOUは双剣:ヒャッカリョウランを持って、ある1体に斬りかかった。
「絶対に切り抜けてやる。」
LAR2006は、そう言ってグレネードをぶっ放した。
「もっちゃん、ここはやるから先に行って!」
ヨシュアが、俺に向かって先行を任せてきた。
「そうね、リーダーだし。」
よれしくが頷いた。
「先に行くのであればこれを持って行ってよ。」
ささきが、小型カメラと通信機を渡してきた。
「これは、なんだ?」
「このカメラは、地上部隊の人達がこの映像を見ることができるようになって、こっちの通信機はルゥ達が指示を出すためのものなんだって。
操縦士の人が渡してきた。」
「分かった。」
俺は、小型カメラを頭につけ通信機を耳の中に装着した。
そして、Ymir(ユミル)は衛生兵としてその場に残し、 アリス、フラン、ボコチョ、shin、?、kyoui、フィリア、ともたん、(>_<)(顔)を引き連れて先を急いだ。
「気をつけて…。」
Ymir(ユミル)が悲しそうな顔で俺達を見送った。
先に進むと所々分かれ道になっており、何かあればメールをするように打ち合わせをしてからバラバラに散らばった。
俺とアリスは、ひたすらまっすぐに進み、目の前にいる敵を大剣と斧で切り裂いていった。

「フラン、右に密集してパノンがいるぞ。」
「分かってるって、ボコチョ。」
俺達は、分かれた道の右の方向へ進んでいた。
一向に先が見えない中、敵をひたすら倒していった。
他のみんなはどうしているのだろうか…。
そんなことを考えつつ俺達は、足を止めなかった。

「こいつらまだ出てくるよぉ…。」
「そんなこと言わないで前に進みましょう。
でないとカムハーンの思うつぼよ。」
「フィリアの言う通りよ、ともたん。
地球の滅亡がかかってるんですもの。」
「うん…。
そうよね、ごめんなさい。」
私達は分かれ道の左を進んでいた。
「謝ることはないわ。
謝るんだったら目の前の敵を倒してちょうだい。」
「分かったわ、フィリア。」
ともたんは武器を構え直した。
「さぁこのまま進むわよ!!」
(>_<)(顔)は、そう言って先へ進んで行った。

俺達は、mottyとアリスと一緒にまっすぐ進んでいたが左とまっすぐに分かれ道があったので左に行くことにした。
「あの2人でまっすぐを行ったが大丈夫だろうか…。」
kyouiは、少しおどおどしながら呟いた。
「大丈夫ですって、もふとアリスさんは息がぴったりですから大丈夫ですよ。」
shinは、元気よく答えた。
「そうだね、今頃カムハーンぶっ潰してたりしてw」
ボコチョは、笑いながら言った。
「そうかもしれないな…。」
?は呟いた。

「また、分かれ道か…。
どっちに行く?」
「では、私は右に行きます。」
「分かった。
もし、カムハーンに会った時は絶対に倒そう。」
「はい、アリスさん。
気をつけて倒しましょう。」
「うむ。」
俺は、右の道に行って進んだ。
進んでいくと大きな広間に出た。
目の前には大きなSEEDのコアがありコアの中にはダークファルスの塊があった。
「ダークファルスの塊がなんであるんやろ?
破壊しないと…。」
俺は、SEEDのコアに向かって走って行った。

フィリア達3人が走っているとアリスと出くわした。
「ありゃ、そっちと道が繋がってたか…。」
アリスは、顔をしかめた。
「みたいですね。
誰と一緒にいたんですか?」
ともたんがアリスに聞いた。
「mottyと一緒にいた。
途中で別れてね、たぶん向こうが今頃カムハーンと闘ってるのかもしれないな…。」
「急いで行きましょう。」
(>_<)(顔)は言った。
「うむ。」
4人は急いでmottyの方へと向かった。

「あれ…なんでみんないるんだ?」
ボコチョは、フラン達と出会った。
「道が繋がってたみたいでさ他のやつらとも合流してたら全員集まった…。」
フランは、答えた。
「そうか…。」
?は答えた。
先に進むことを決め皆は進んで行った。

俺は、コアに近づいて壊そうとした。
その時、背中から腹にかけて何かが突き刺さるような痛みが走った。
え?
俺は、腹を見てみると一本の剣が刺さっていた。
「私がいない間にここまで来ていたか…。
人間ごときにこのコアを破壊させてたまるものか。」
後ろを見てみるとカムハーンが立っていた。
「カム…ハーン?」
剣が思いっきり引き抜かれ血しぶきをあげながら倒れた。
「カハッ!!」
血を吐きながらカムハーンを睨み付けた。
なんとか起きあがろうとするが体に力が入らなかった。
「てめぇを倒す…。」
声を振り絞って俺は、カムハーンに言った。
「そのような状態で倒す?
倒すだと?
笑わせるなよ、人間めが!」
「motty!」
アリス達がやってきた。
「ふん、ザコどもが増えたか…。」
「え…もふは、どこにいるの?」
フィリアは辺りを見回した。
「もふ?
あそこでくたばってる奴か?」
カムハーンは後ろを向いて指差した。
それを見た4人は息を呑んだ。
「もふ!!」
ともたんは、叫んで近づこうとした。
「それ以上近づいたらこいつを殺す。」
カムハーンは、俺の首元に剣先をチラつかせてきた。
「やめろ…。」
アリスは、小さく言ってカムハーンを睨んだ。
「それ以上俺の弟子に手を出すな。」
「ほぉ、こいつは貴様の弟子なのか面白い。
ならば、一緒に死なせてやろう。」
カムハーンは、分身した。
「ゲームと同じパターンなのね…。」
(>_<)(顔)は、顔を歪ませた。
どんどん分身が増えていく。
総勢6人
「ゲームの倍…か。」
アリスの顔が一層険しくなった。

ここはどこだ?
俺は、混沌とした暗闇の中を彷徨っていた。
その時、声が聞こえた。
(やっほ~。)
それは、俺(・)の声だった。
「お前は誰だ?」
俺は、勇気を振り絞って聞いた。
(うち(・)は、あんたであんたはうちや。)
そいつはニコニコしながら答えた。
「ここはどこだ?」
(ゲームの世界と現実世界の狭間や。
今からうちがあいつと戦う。)
「勝てるのか?」
(そんな自信ないこと言うなやw
あんたやねんから勝てるやろ。)
信用できない…。
「どうやって戦う?」
(あんたの体に乗り移って戦うんや。
その間、あんたは眠っててもらう。)
「どうして、お前がでてきた?」
(それはうちにも分からん。
ただ、体を貸してほしい。
絶対に倒す。)
「信用していいんだな?
もふ(・・)?」
(当たり前やないかw)
「分かった。」
段々暗かったのが明るくなっていった。
「何が起こっている?」
(うちが子の狭間を断ち切ろうとしてるんよ。
あんたと話したかったからあんたを連れてきた。)
「そうか…。」
俺は、武器を出してもふに渡した。
「武器をとれ、戦いの時が来た。」
(うい。)
もふは、武器を受け取った。

「さぁ、死んでもらおうか。」
カムハーンは、4人に斬りかかった。
あまりの速さについていけず防御体勢しかとらざるをえなかった。
怖さで目を瞑ってしまいその後のことを見ることができなかった。
肉が切り裂かれる音ではなく金属同士がぶつかり合う音が聞こえた。
「なぜ、貴様がここにいる!?
さっき、そこに倒れていたはずなのに…。」
その声を聞いて目を開けてみるとそこにいるはずのもない者が立っていた。
黄色の着ぐるみが両手の指の間に剣を6本挟み込んですべての攻撃を受け止めていた…。
「もふ…?」
フィリアは首を傾げながら聞いた。
「こっちの人数よりも多い人数で戦うのはひどいんとちゃうか、カムハーン?」
うちは、カムハーンにうすら笑いしながら言った。
「ふん、人数など関係ない。
勝てばいいのさ、勝てば!!」
「そういう問題じゃない。
勝つ、負けるの問題じゃない。
そういう手段をとるやつは逃げてるんや。」
「なっ!!
貴様、私を愚弄する気か?」
「愚弄?
愚弄どころか滑稽で笑うよ。」
「貴様…。
そこまで言ったことを後悔させてやる。」
「後悔?
後悔などしない。
だって勝つのは目に見えてるんやもん。」
「motty、それは言いすぎじゃないか?」
アリスがうちに言ってきた。
「いいんです。
私は、サシでこいつと戦いたいんで…。」
「わかった、私は何も手出しはしない。」
「有難うございます。」
「本当にいいんですか?」
「うい、mottyがリーダーだから任せる。」
「そうですか…。」
ともたんは、悲しそうな目でうちを見た。
「いくぞ、カムハーン!」
うちは叫んでカムハーンに向かって走った。
「私が勝つ!」
6人のカムハーンがうちに向かって走る。
1人のカムハーンと剣先を交えた。
3人が後ろ、右、左から突っ込み、残り2人が剣を銃に切り替えて撃ってきた。
うちは、前にいる一人を蹴り上げた後しゃがんで転がりながら剣の1本を後ろのカムハーンに投げた。
カムハーンに剣が突き刺さり倒れた。
倒れた瞬間に突っ込んできたカムハーン達の剣がお互いに刺ささった。
カムハーン達は倒れ、姿が消えた。
「ぐはっ!」
本体のカムハーンは、血を吹き出しながら膝から崩れ落ちたた。
「まだだ、まだ終わらぬ!」
カムハーンは、そう言いながら立ち上がり、3人横に並んで走ってきた。
6本の剣を両手の指に挟み込みすべての攻撃を受け止めた。
1人が、左から切りかかる。
左手で攻撃を弾き返す。
残りの2人が、前と左に攻撃をしてきたが両手で受け止め押し返す。
押し返した後、崩れ落ちた左のカムハーンを切った。
「くそっ…。」
カムハーンは、立ち向かわず後ろへとじりじりと下がりSEEDコアへと向かった。
「待てっ!」
俺は、カムハーンを追いかけた。
カムハーンは、SEEDコアの中にあるダークファルスの塊を手に取り壊した。
壊した欠片がカムハーンの中に入り込んだ。
「すごい、力がみなぎってくる!」
「なんてことを…。」
アリス達は、この光景に目を疑った。

私達は、SEEDのコアに着いた後その場にいたYmir達に叫んだ。
「あんたたちここで何してるのよ!」
「えっ…何で皆さんがいるんですか?」
「もふが大変な時に何してるのよ!」
MAOがYmirの頬を引っぱたいた。
「うっ…。」
「俺達は何も知らない。
何があった?」
「カムハーンに…刺されたのよ。」
三日月が答えた。
「何だって!?」
ボコチョは驚いて目を丸くした。
「とにかく急いでもふのところに行きましょう。」
いりはさんは、そう言って進んでいった。
進んでいくと大広間に出て、その場にいたアリス達に声をかけた。
「もふは?」
セイは、声を荒げながらフィリアに聞いた。
「そこにいるわ、カムハーンを追い詰めたんだけどダークファルスの塊を取り込んだのよ。」
「えっ、mottyさんってそこに倒れてたんじゃないんですか?」
ホワイトオーガが疑問に思った。
「それが、あれはmottyじゃないの。
この世界のmottyじゃなくてゲームの世界のmottyらしいのよ。」
「そんなことってあるの?」
アザレアは、唸った。
「現実にこうなってるんだしあるんでしょ…。」
紅羽が答えた。
「やな…。」
LAR2006は答えた。
「ふん、愚民どもが集まってきたか…。
この欠片を使って貴様達を倒してやる」
カムハーンは、よろめきながら言った。
「馬鹿か、お前は…。」
うちは、薄ら笑いしながら言った。
「どういうことだ?」
「その欠片を使ったら欠片に取り込まれてダークファルスディオスになるんやで?」
「何だと?」
「知らなかったのか?」
「知…知ってるに決まってるだろう!」
「じゃあ、なぜ取り込んだ?」
「そ…それは…それはだな…倒すためだ。」
「…答えになってねぇし。」
「くっ…。
見てろ!
これがSEEDと欠片の力だ!」
カムハーンは、そう叫んだあと体が黒く光りながら大きくなっていった。
「オルガ・スピリトゥスか…。」
ソラが呟いた。
「この体で貴様らを倒す。」
「倒すって何回言うねん…。」
がぼやいた。
「よぉ、フラスコ。」
うちは、カムハーンの体を指さしながら言った。
「フラスコ?」
カムハーンは首をかしげた。
「えっ、フラスコ知らないの?
下が球体で上の口が細いあの器具を…。
あぁ、そっか旧文明人やもんね。
旧!やもんねw」
「きっさま~!」
カムハーンは、二本の太い腕をうちに向けて紫の小さな弾を無数に撃ってきた。
うちは必死に弾を避けながら後ろへと走った。
「ちょこまかと走りやがって…。
この…当たれ!!」
「当たるもんかよ!」
その間にソラ達に攻撃するようメールを送った。

「おっ、もふからメールだ。」
メールを受け取ったソラ達は、そっとカムハーンに気づかれないように歩いて近づいた。
そして球体に手が触れそうな位置まで近づいたとき…。
「今だ!」
ソラは叫んで球体を切った。
切ったといってもかなり固いので叩くが正確である。
「なっ!
貴様ら卑怯だぞ!!」
「卑怯な手を先に使ってきたやつに言われる筋合いはないにゃ!」
あきにゃんが言いながらツインダガーで体を大きく使って叩く。
それはまるで舞踏会で舞う踊り子のように…。
「固すぎんだよ、てめぇの体はよぉ…。」
ASOUは怒りながら斧で叩く。
少しづつ球体にひびが入っていく…。
「お…おのれぇぇぇ!」
カムハーンは、腕を地面に突き刺してドリルのように回転させながらソラ達に襲い掛かった。
「2本だから少ないし回避できやすいですよねぇ♪」
(>_<)はニコニコしながら走る。
「そんなこと言ってたら油断大敵よ?」
フィリアは、注意しながら球体を叩く。
「そうだよ、フィリアの言うとおりだよ?」
セイは、顔をしかめながら球体のひびに向かって銃弾を撃ち込んだ。
その瞬間球体が砕け散った。
「うぁぁぁぁぁ!!」
そう叫びながらカムハーンの体が光り輝いた。
「まだだ!
まだ終わらん!」
カムハーンはそう言いながら体の形を変えた。
形を変えてオルガ・アンゲルスに変身した。
「白飯か…。」
アリスは、呟いた。
「白飯?」
カムハーンは、首をかしげた。
「アナスタスなら赤飯でよくゲームでレアアイテムを落としてくれたのだが…。
いらんやつになったか…つまらん。」
「…っ。」
カムハーンは、怒りながら翼を広げ魔法陣のようなものを出し、そこから無数の紫の弾を発射してきた。
皆は、それを避けつつ攻撃を開始した。
両腕を地面に叩きつけて飛び散った岩を飛ばして攻撃してきた。
「えっ、こんなしょぼい攻撃しかできないの?」
カルシファーは、首をうなだれながら言った。
「さらに愚弄しやがって!」
カムハーンは、右手を上に掲げ呪文を唱え始めた。
「この場合って体力減ってる時なんだっけ?」
ゆい?が聞いた。
「そうだったな。」
「うむ。」
?とkyouiが頷いた。
「このまま攻めた方がよさそうね。」
ささきが一気にたたみかけた。
エリエスは、魔法を唱えて皆の攻撃力を高めた。
そして、各々の武器を使っての必殺技を使った。
その瞬間カムハーンは、苦しみだした。
「まだ、まだ終わるわけにはいかないのだ!
この私が死ぬはずなんかない。
死ぬのは貴様らの方なのに!」
「死ぬのは、お前の方だ!」
皆が、口々に言った。
「くそぉぉぉぉぉ!!」
カムハーンは、叫びながら体をじたばたさせた。
体にひびが入り、少しづつ砕け散っていった。
砕け散った後、中心にディオスの塊が残った。
そこに何か光るものがそこに吸い寄せられていった。
「くそ…まだこいつが残っている。」
光るものがそう言いながら中に入ろうとする。
おそらくカムハーンの魂だろう…。
入った瞬間に紫の塊は、光りながらどんどん変化していき大きな生物になった。
ダークファルス・ディオス…。
ケンタウロスのような体で色は黒、両腕に大きな双剣を持ち、4つの足とお腹と頭に黄色のコアが光っていた。
「こいつを倒さなあかんのか…。」
ASOUは、呟いた。
「この人数で倒せれるわけねぇだろ!」
フランが叫んだ時だった。
(私達、俺達がいるのを忘れるな!)
どこかで声がした。
「誰?」
アザレアが尋ねた。
(あら、あなただっていうのにわからないの?)
「え…?
私?」
(そう、ゲームの中のあなたよ。)
「じゃあ、今のもふってこと?」
(そうだよ、セイ。)
別の声が聞こえた。
「お前達が何しに来たっていうんだ?」
96293は聞いた。
(そんなの決まってるじゃないか。
みんなにmottyさんのような力を与えに来たのさ。)
「わかった。
俺達にその力をくれ!」
カルシファーは叫んだ。
その瞬間、体が光に包まれた。
(さぁ、これで倍の人数分の力になったよ。
これなら勝てるだろ。)
「うし、いくぞ!」
皆は、口々に叫んだ。
「これで勝てるぞ。」
そう言ってうちらは、4つに分かれて足のコアを攻撃し始めた。
ディオスは、大きな剣を振り下ろして叩き潰そうとしてきた。
「回避!」
ホワイトオーガが声を荒げながら叫んだ。
少しづつコアにひびが入り、ディオスは痛み出した。
そして、足のコアはすべて割れた。
「うし、次はお腹をって…うぉ!!」
マサヒロがそういった瞬間、ディオスの体が炎に包まれだした。
「炎に巻き込まれるな!
火傷するぞ!」
kyouiが言った。
身体の色が青色からこげ茶色になり、尻尾を生やしたディオスはその大きな体を揺らしながら消えた。
「どこに行った?」
うちは、辺りを見回したがどこにもその姿がなかった。
その時だった。
「motty、後ろ!」
アザレアが叫んだ。
後ろに振り向いた瞬間、ディオスがうちに向かって両手を前に突出し双剣をぶつけてきた。
「ぐはっ!!」
うちと持ってた武器は吹き飛び、壁に叩きつけられ、そのまま下に落ちた。
「もふ!」
セイが近寄ってきた。
「だ…大丈夫や。
まだ、戦える。」
ズキッとお腹に痛みが走った。
どうも、骨の2、3本は折れてるみたいだった。
ディオスは、剣を地面に突き刺し火柱を皆に向かって立たせてきた。
「逃げろ、巻き込まれてはひとたまりもないわよ!」
MAOが忠告する。
「わかってるのにゃ。」
紅羽はそう言いながら回避する。
回避している間に、攻撃されていない者がお腹のコアに攻撃を加える。
少しづつひびが入る中、ディオスの目と目が合った。
その瞬間、双剣でうちを突き刺してきた。
「もふ。」
セイと共に飛び跳ねてその攻撃をかわす。
「攻撃が遅いぞ、ディオス!」
うちは、ディオスの大きな腕に飛び跳ねそのまま大きなコアへと走った。
「このホオズキで終わらしてやる。」
うちは、大きな太刀を構えてそのまま大きく前へとジャンプした。
「一刀両断切りぃ!」
コアを真一文字に切った。
その瞬間、コアは砕け散りディオスは叫びながら光に包まれて消えた。
「か…勝ったのか?」
ゆい?は、ポカンとした顔で呟いた。
「勝ったんですね。」
Ymirは安堵した。
「いや、まだ終わっていないわ。」
ともたんが、指さす方向にはSEEDコアがあった。
「あれを破壊しない限り終わらないわよ。」
「だな…。」
grymは首をがっくりと項垂れながら言った。
「ここはさ、必殺技で締めくくろうや。」
うちが言うと皆は深く頷いた。
ヒューマン、ニューマン、キャスト、ビースト、デューマン特有の必殺技…。
ミラージュブラスト、SUVウェポン、ナノブラスト、インフィニティブラストを使った。
「では、アリスさん。
いつもの言葉をお願いします。」
「いつもの言葉って…ここで使わせてほしくないのだが…。」
「すいません。」
「まぁ、最後やし言わさせてもらうよ。」
スゥ~っとアリスは大きく息を吸い込んだ。
「爆発しろ!」
そう言い放った後、SEEDコアに攻撃をした。
その瞬間大きな爆発音とともにコアは吹き飛び跡形もなく消し飛んだ。
その瞬間天井が崩れだしたため皆は急いで船に乗った。

「何とか逃げ切れたようですね。」
96293は、ホッとしたような顔で言った。
「そうですね…。」
「えぇ…。
って、mottyさん、体が!」
その叫び声を聞いて、皆がもふに集まった。
鳥の着ぐるみが、ノイズのようにビリビリと音を出しながら消えかかっていた。
「しもうたな、あん時か…。」
もふが、腕を出して装置を見せてきた。
装置は、今にも壊れそうになっておりUMDがカラカラと音を立てながら回っていた。
「ディオスの双剣突出し攻撃の時にやられたんやろな…。
まぁ、うちは消えてまうけど問題はない。」
「問題大有りよ!」
三日月は、怒った。
「あんたが消えたら他の皆はどうしろっていうのよ。
あんたがリーダーなのに…。」
「うちは消えたとしても当の本人は生きている。
ただ、うちの変身が解除された瞬間、お腹から背中にカムハーンの剣が刺さった状態になるから急いで治療が必要になるがな…。」
「そんな設備…ここにはないからもう少しの辛抱はできないの?」
「それは、無理やな…。」
「どうしてよ?」
「それは、この装置がいつ壊れるかがうちにはわからないからや。」
「少しは、長引かせるようにはしなさいよ!」
「うちには、無理や!」
そう叫んだ瞬間、装置がボンッと音を立てた。
「潮時か…。
こいつには悪いけど、起きた時によろしく言うといてくれ。」
「勝手なこと言わないでよ!」
チロが間に入ってきた。
「そんなの自分の口から言ってよ。
そんなのもっちさんじゃない!」
「そうは言われても…ねぇ。」
そう言った時だった。
装置が爆発してUMDとメモステは吹き飛んだ。
UMDは真っ二つに割れ、メモステは粉々に砕け散って塵と化した。
変身が解け、傷口がパッカリと広がった。
「ちょ…えぇっ!」
皆は、ざわつき慌てふためいた。
この状態で地球に帰還し、即座に病院へと運ばれたもふは、手術を行い一命を取り留めるのであった。
かくして地球防衛を終えたのではあったが、グラール太陽系の人々の力が無ければできなかった。
そのことを一理踏まえた結果、政府は変身部隊にグラール太陽系奪還を命じたのであった。

続く

ファンタシースターポータブル2インフィニティ~次元を越えた戦い~

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二次創作ですがフレとの思い出を残したくて作りました 読んでくださるとうれしいです4

  • 小説
  • 中編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-01-06

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

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