IGNIS(バンディー編)(デッドバンディーの再来と呼ばれた女)

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【プロローグ】

これは私が友人より聞いた話である。2012年7月の暑い日…男の元に一通のメールが届いた。メールには複数枚の写真ととあるファイルが添付されており…こう記されていた。

「閲覧注意」ただひと言そう記されたその文字がやけに印象的だったと彼は呟く。男はその文面を見ながら思い出していた。そう…あの事件が起きたあの日もこんなふうに蝉が煩く鳴いていた初夏の夕暮れだった。


「私は今現場となったHOTELに来ていますっ!!!?被害者の男性は犯人と見られる女と一緒にHOTELに入室し…翌7月2日未明…遺体となって発見されました」

「男性の頭部は鋭利な刃物で切断されており…警察は殺人事件として捜査を進めている模様です。」


TVからそんなニュースが流れてきて…男の鼓動が早くなる。ドクンっドクンっドクンっと波打つように高鳴る鼓動は彼に「恐怖」というものが何たるかを教えていた。


そして男は「あの映像に映ってたHOTELだ…?」とひと言呟いて嗚咽を漏らす…!!!?男が言うあの映像とは…2012年7月2日未明に送られてきたとある一通のメールに添付されていたファイルである。その映像には…浴室内で凶行に及ぶ女の一部始終が録画されており…どのアングルから撮影したのかはわからないが…様々な視点からの映像が映されていた。


ちなみにHOTELの室内でカメラを仕掛けられるPOINTは多数存在し…通気口…換気口…照明器具…電源コンセント…加湿器…テレビのリモコン…目覚まし時計…煙探知器…USB充電器…シャワーヘッド…ぬいぐるみ…観葉植物…本や本棚…鏡やミラー…ペン…etc…シャンプーやリンスなどの小物類の中など多岐にわたる。


盗撮犯は見付からないような場所に自然に…隠しカメラを仕掛け…絶えず利用者の動向をチェックしているのである。そして映像の投稿主と思われる人物は…男にこう話し掛けたと言う。

「君が今見たものはイースバンディーの犯行の一部始終だっ!?そして…キミがこれから体感する事になるゲームには7つのミッションが存在する」

「1つ目はこれ…ドアポストの中に隠されたコインロッカーの鍵を見つけ出し…期日までに届けよ」

「できない場合は…この中にいる誰かが死ぬことになる」そう言って…見せられた映像の中には両手両足を縛られた7人の男女の姿が映っており…その中には…男の幼馴染である笠松菜奈の姿もあった。


それをみた男の鼓動は早くなるっ!!!数秒後…気付けば男は「菜奈に何してんだぁぁっ!!!?」と叫び散らし…憎悪に滲ませた表情をしていた。

今思えば…これがこのゲームとの出逢いだったのかもしれない。

第1話(宮原早希の場合)

??「さきぃ~あんた何してんの学校でしょ?」


早希「えっ!!??うそホントだ!!!?もおお~ママ起こしてよっ!!?」

早希「今日朝から友達と約束してたのにっ!!!?」


母「何度も起したわよっとにかく…朝ごはん出来てるから!!?早く降りて来なさいっ!!!?」


早希「わかった!!!?」そう言って…返事をするのは「宮城早希」中央大学杉並高等学校を卒業しこの春から大学生になる元天才子役である。


数分後…部屋から降りて来た宮原はパンを口に加えると…外に出て行こうとする。

母「ちょっと早希っ!!!?気持ちはわかるけど朝ごはんはしっかり座って食べなさい!!!?」

早希「えっ!!!でもっ!!!?早くしないと…」

母「でももヘチマもありませんっ!!!?朝ごはんはキッチリ食べるっ!!!?良い?わかったわね?」


「ふぁーい」早希はそう返事して…仕方なく椅子に座ると…食事を摂り始める。ちなみに今日の朝ごはんはトーストに目玉焼きタコさんウインナーに…ポテトサラダである。幸せそうに…ウインナーに齧り付く早希を見て母親は呆れた様に話し掛ける。

母「はぁ…あんたねぇ?この春から大学生なんだから…もうちょっとシャキッとした顔しなさいよ!!?」


早希「だってぇ美味しいだもんっ!!!?」早希はそう言うと…ニンマリ笑ってドリンクを飲み干す。

母「わかったからチャッチャと食べて早く準備なさいっ!!!?学校?遅れてるんでしょっ!!!?」


早希「何それぇ!!?ママがゆっくり食べなさいって言ったんじゃん!!!?」


母「それとこれとは話が別っ!!!?」そう言って…早希の母親は呆れながらTVを付けて部屋を出て行こうとする。


早希「どっか行くの??」

母「今日地元の寄り合いがあるから…行って来るのよっ!!!?」


早希「ふ〜ん?そなんだ?気を付けて行って来てねっ!!!?」


母「あんたもねっ!!!?鍵はいつもみたいにしててくれれば良いからっ!!!?」

早希「ふぁーいっ!!!?」宮原は気怠そうな顔をして…そう答えるとTV画面に集中し始める。


「事件となったHOTELは千葉市の中心にあるこちらの1室となっており…現在も物々しい状況が続いております」


「付近の防犯カメラの映像には…犯人と見られる人物が映っており警察が行方を追っている模様です」TVからそんなニュースが流れてきて…宮原は少し真面目な顔をする。


数秒後…宮原は「こんな事件もあるんだな?」と呟くと…ダイニングを後にして家を出て行った。それから数分後…家の鍵を閉めた宮原こと宮原早希は…大学へと続く道を歩き始めた。


早希が空を見上げると…この時期にしては珍しい程の風が宮原の頬を掠める。振り返ってみると…こちらを見詰める1人の女が立っていて…何とも言えない表情をしていた。


数秒後…女をジッと見詰める宮原の耳に声が響き渡る。


??「してんの?…何してんの?」


早希「わぁっ!!!?びっくりしたぁ…何だ?沙苗かぁ?もう脅かせないでよ!!!?」


沙苗「あっははっ(笑)!!!?作戦大成功っ!!!?」沙苗はニンマリ笑ってそう言うと…ピースをする。


沙苗「それよりどったの?あんなとこ見詰めて?」


早希「ん?いやっ何か誰かの視線を感じた様な気がしたんだっ!!!?」宮原は笑いながらそう言うと…歩き始める。


沙苗「ねぇ!?それよりこの前の映画みたっ!!!?」


早希「えっぇえ!!?うっう…うんっ」

早希「心の声(わぁ~何の映画だろう?わかんないよっ!!!?)」


沙苗「面白かったでしょ!!!?特に主人公演じる山崎賢人の熱演がヤバかったよねえ?」


早希「うっうんっそうだね(笑)!!?」宮原は沙苗の話しに適当に合わせながら…大学への道をただ只管歩いた。数十分後……駅に付いた宮原と沙苗は改札口を抜けると電車に乗り込んで…座席に座る。

電車から見えたのはいつも通りの変わらない町並みと空だった。そして…電車が大学がある駅へと差し掛かった時の事だ…不意に電車のアナウンスが流れる。


「只今線路内に何者かが…侵入した為電車が緊急停止致しましたっ!!!?お急ぎの所誠に申し訳ありませんが暫くお待ち下さい!!!?」車掌と思われる男性のそんな声が車内に響き渡り…やがて周囲は騒がしくなる。


??「おいっ何なんだよ?こっちは急いでんのにっ!!?」



?「もしもしっ課長ですか?今電車が緊急停止してしまいまして…会社に遅れそうなんですっ!!?」


?「はいっはいっ申し訳ございません!!!?」車内ではそうした声が多くなり…宮原と沙苗も何が起こったのかわからないという表情でスマホをいじっていた。

沙苗「やばいっ遙華に連絡しとかなきゃっ!!!?」


早希「今日何か?あったっけ?」宮原は不思議そうな顔をして沙苗に尋ねる?


沙苗「何か?って3人で一緒にランチ食べようって約束してたじゃん!!!?」


早希「あっははっ(笑)!!!?そうだったかなぁ?」数十分後…トラブルは案外早く…復旧し電車が動き始める。



こうした現象が起きる少し前のこと…棒有名大学の駅近くにある…踏み切りでは…とある女が不気味に笑いながら…歩いていた。女は遮断器が閉まってカンカンカンっという音が鳴っているにも関わらず…線路内に侵入し民家の中へと向かって歩いていた。よく見ると女の手には血の付いたナイフが握られており…その様子をカラスだけが凝視していた。

そしてあの事件が起きた。都内にあるとある民家の1室。蝉が煩く泣き喚くその部屋で藤堂啓介という1人の男性が無惨な遺体となって発見された。この家の家主である藤堂啓介は東大の助教授を勤めた事がある程の人物で周囲からの評判も高かった。

彼の身体には致命傷となる刺し傷が深く刻まれており微かだがコロンの様な匂いがした。


また…遺体の頭部は切断されており…啓介の遺体には凌辱したような形跡があった。そして壁には血で書かれた謎の文字が刻まれており…こう記されていた。

 κbτoαa βbπaξU  νbτoκb゛τo
 ιa−υb−χUμaεUτoεe. υbθb  ιa゛
 γoοeσU θbφaγoξo σUρaφaκbβa κb
(ζU)νeβbξU BundEaston yψoνb 7:16

そう刻まれた文字は何処の文字かもわからない配列で並べられておりまるで暗号文の様だった。警察は当初…外国人の犯行を疑ったが付近の防犯カメラにはそれらしい人物は居なかった。

だが不自然な事が1つだけあった。7月12日の午前10時半~13時までの約数時間分の映像が…不自然に消去されていたのである。

果たして(BundEaston)とは何者なのか?


後に犯人と対峙する事になる…宮原早希はこの頃…まだ…何も知らなかった。あの時送った何気ないメールが…あのゲームへと繋がる。惨劇の舞台へと変わる事に…。そして彼女の友達である久藤沙苗はこの日を境に消息を絶ったのである。
それから数日後の日が赤く染まった土曜日。外の気温は30℃を超えており猛暑と呼ぶに相応しいその日「宮原早希」は沙苗が居なくなったあの日を思い出していた。


沙苗「ねぇ?早希?これからクラブ行かない?」


早希「無理だよっ!!!?私の親厳しいの知ってるでしょ!!?」


沙苗「あっはは(笑)!!!?そうだったね?」


沙苗「それはそうと…最近涼くんとはどうなの?」


早希「どうって変わんないよ!!!?涼は涼のまんまだよっ!!!?」


沙苗「かぁ~そうじゃなくて…2人の仲は進展したのか?って意味だよ!!!?」


早希「あのねぇ?沙苗?あのバカと私がそういう仲になる訳ないじゃん!!!?」


沙苗「ふーん?そうなんだ?傍目から見てたら2人お似合いなんだけどなぁ…?」沙苗はそう言うと…おちゃらけた様な顔をして…ニンマリ笑う。


それを見た宮原は少し苦笑いしながら「もうっ辞めてよねっ!!!?あんなのと私が恋人同士になるなんて考えただけでも気持ち悪いよっ!!!?」と言って不機嫌そうな顔をする


沙苗「あっははっ(笑)!!!?ごめんごめんっ!!?そんなに怒んないでっ!!?


沙苗「んじゃあ私はこれで失礼するねっ!!!?ばぁいばぁーいっ(笑)!!!?」沙苗はそう言うと…足早にその場を立ち去って行った。そしてその日の午前2時を回った頃に沙苗から届いたメッセージを最後にして連絡が取れなくなった。

送信取消された沙苗から届いた最後のLINE 。そこに何が書いてあったのか…宮原にはわからない。ただあの日…沙苗と一緒にイベントに行かなかった事をただ後悔した。

そして心に深く決意したのである…沙苗を必ず見つけ出してみせると!!??
数日後…宮原早希はとある探偵事務所の前に立っていた。日も暗く鬱蒼としていたそのタイミングでカラスの声だけが宮原の耳にやけに響いた。

??「姉ちゃん?何してんだよ?うちの事務所の前で?」


早希「えっあっいや!!?な、なんでも」


??「何でもって事ぁねぇだろ!!?何か話したい事があってうちに来たんだろ?とにかく入んなよ!!」青年はそう言うと…宮原の手を掴むと強引に事務所の中へ入る。数秒後…ガチャっという音が響き…20代前半ぐらいの女性が宮原に小さくお辞儀をする。


??「須藤さん?この人お客っ!!!?部屋に案内して!!?」


須藤「かしこまりました!!!?ささっこちらへどーぞ!!!?」須藤と言われた女性は…宮原を別室へと誘導する。宮原は言われるがまま…部屋の中へ入り…少し神妙な面持ちになる。

早希「心の声(はぁ思ってた展開とはちょっと違ったけど…とりあえず中に入れた。)」


早希「心の声(とっ!!?とにかく…沙苗の事話さなきゃ!!!?)」


数分後…ドクンっドクンっという鼓動の音が高まる中でガチャっという音が部屋に響き渡り30代半ばぐらいの女性が宮原に話し掛ける。


?「本日は我が探偵社にお越し頂き誠にありがとうございます!!!?」


?「私はこの探偵社で探偵をしております…二条永遠と申します」そう名乗った女性は宮原に1枚の名刺を見せて…椅子に座る。



永遠「本日は何用でしょうか?」


早希「あっえとその…!!!?実は…」宮原は少し戸惑いながらもそう言うと…事のあらましについて話し始める。数十分後…宮原の話しを聞き終えた二条は「なるほど」と呟くと…お茶をひとくち口に含む。


永遠「つまり…人探し?という事ですね?」


早希「はいっ!!!?なんの前触れもなく突然居なくなった友人を探して欲しいんッです!!!?」


永遠「かしこまりました!!!?ではこちらの書類に目を通して…必要事項を記入して下さい」二条はそう言うと…契約内容などの様々な説明が書かれた何枚かの書類を宮原に見せて書くように促す。それを見た宮原は納得した様な顔で…書類に必要事項を記入していく。


そして…書類に一通りの事を書き終えた宮原は二条にそれを手渡す。
それから数十分後…宮原はホッとしたような顔をして…探偵社のドアの前で小さくガッツポーズをしていた。そんな宮原をみた先程の青年は話し掛ける。

??「何だよ?あんたまだ居たのか?へへっ(笑)!!?その様子じゃ…無事に依頼する事ができたみてぇだな?」


早希「えっあっえとさっきの?」


??「俺は成瀬!!?成瀬啓介この探偵社で調査員をしてるもんだ!!!?」成瀬と名乗った男はそう言うと…ニカっと笑う。


早希「はいっ!!!?さっきはどーもありがとうございますっ!!!?」


成瀬「良いって事よ!!!?それよりどうだい?今から俺とちょっくらお茶しねぇか?」


早希「すっすいません(汗)!!!?急いでるので…」


成瀬「そうだよなっ(笑)!!?ははっんじゃまたな!!?」成瀬はそう言うと…その場を走り去って行く。数秒後…その背中を見ていた宮原も小さくお辞儀をして何処かへと向けて歩き始めた。


単なる人捜しだと思われたこのなんてことの無い事件が…後に「IGNIS」と呼ばれたあのゲームへと繋がる惨劇の扉を開いてしまった事を宮原はまだ知らない。だが彼女の心の中には…正義心が溢れ出していた。居なくなった親友を探したいというその無垢な想いが彼女の原動力だったのである。


そして…世界はここから周り始める。地球がゆっくり自転して未来に向かっていくのと同じ様に…宮原もゆっくり進み始める。そして彼女は出逢う事になるのである。後に自身の人生を狂わせる事になるあの女と…。だがそれはまだまだ先の話しである。

第2話(IGNIS)

??「お集まりの皆様っ!!!?本日も誠にありがとうございます!!!?」


??「私はこのゲームの主催者を勤めております…KHAKICROWNと申します」


KHAKICROWN「さぁ…今宵も哀に満ちた闇の世界へと貴方を誘います!!!?」


KHAKICROWN「さて…先日のLIVE配信では…参加者の1人であるイースバンディーが見事に獲物を仕留めて3000万円の賞金を手にしました。」


KHAKICROWN「これで獲得賞金額が合計で2億円を超えた彼女は現在トップとなり優勝への道をひた走っています!!?」


KHAKICROWN「その為…今回はゲーム調整の為に彼女には少し…苦手なミッションを与えます」


KHAKICROWN「題して…宝探しゲームっ!!!?ゲームのルールは至ってシンプルです」


KHAKICROWN「都内にあるとある民家の1室から隠された「財宝」を見つけ出せ!!!?」KHAKICROWNと名乗った男はそう言うと…ニンマリ笑って不敵な笑みを浮かべる。

そして彼のその配信を眠そうな顔をして見詰めているのが…視聴者の1人である「桐原蓮」だ。


桐原が現在見ている動画はダークウェブ上にある「IGNIS」と呼ばれるサイトにアップされているもので…現実とは思えない様な配信をする事で有名である。


LIVE動画で配信されるその内容は…殺人…放火…詐欺…窃盗…監禁…レイプ。等などとにかく犯罪であれば何でもありの動画配信サービスである。


KHAKICROWNと呼ばれる男はミッション1つ1つに賞金とポイントを付与する事で参加者を自由自在に操って…何人もの人間を不幸のどん底に陥れてきた。中でも殺人に関する項目の賞金額とポイントは高く…このサイトによって年間数千人という規模の人間が何らかの被害にあっている。そして「元警視庁捜査一課「桐原蓮」はそんなLIVE配信者を特定する為に…ダークウェブ上で監視をしている1人で彼は人生をかけてKHAKICROWNを追っているのである。
数年前の夏…埼玉県内でとある事件が起きた。円阿弥男女9人バラバラ殺人事件。この事件は1999年2月~2002年3月にかけて埼玉県中央区で発生した事件で…当時…埼玉県いずみ高等学校で教員をしていた男が逮捕された事件である。


男は…1999年~2002年にかけて…担当していた生徒の母親などを中心に惨殺しその様子をネット上でLIVE配信していた。そしてその時に使われたのがダークウェブという深層サイトであり…事件の被害者の中には当時高校生だった桐原の妹まで含まれている。


事件の加害者とされた…(森)という名の男性教諭は非常に残忍な方法で被害者たちを殺害し…その全ての人間の首を切断して…クーラーボックスの中に入れて保管していたという。


彼は怪しまれないように…常日頃から休日は釣りに出掛ける事を日課としており…事件が発覚した2002年3月8日も釣り人を装ってクーラーボックスの中に…担当生徒の母親の首を入れて堂々と歩いている姿が目撃されていた。


そしてこの時彼がアクセスしていたサイトこそが(IGNIS)であり…彼はサイト内で…殺人まで請け負っていたのである。この3年間の彼の銀行口座には一介の高校教師とは思え無い程の金額が振り込まれており…周囲には宝くじに当たったと自慢していたと言う。彼のその言動に不審を感じた桐原は執念の捜査で男を追い詰めてついに逮捕した。


捜査当局に引き渡され手錠をかけた男が言い放った最後のひと言が桐原の心に大きなダメージを与えた。以来(桐原蓮)は妹を救えなかった自分を恥じて刑事の職を辞して現在に至る。

そして2012年になった現在の桐原に見えてるものは…殺意にも近い深い情念と自分自身への怒りだけである。桐原はそんなことを思い出しながら深く溜息をついて…天井を見上げてポツリと呟く

桐原蓮「KHAKICROWN?お前は一体何者なんだ?」

それから数日後…桐原蓮は公園のベンチに座って空を眺めながら考えていた。KHAKICROWNの正体はわからないまま…また現在ちまたで騒がれてる連続殺人鬼の行方はわからずじまい。


このままだと10年前のあの日の様にまた数多くの人間が被害に合う。そう考えたら居ても立ってもいられなくなり…1人ベンチに座って彼は流れる風景をその目に焼き付けていた。数秒後…子連れの親子が歩いている姿が桐原の目に映ってハッとする。


桐原蓮「心の声(あれは!!?KHAKICROWNのマーク!!?)」桐原は心の中でそう呟くと…走り出していた。そして…父親であろう男性の肩を掴んでこう問い掛ける。


桐原蓮「すまねぇあんた(汗)!!!?それを何処で買ったんだ?」


??「はぁ?それってどれだよ?」


桐原蓮「そのカバンだよっ!!!?」


??「あぁこれね?これは買ったというか貰ったんだよ!!?」


桐原蓮「貰ったぁ?誰にだ?」


??「友達だよ!!?つか何でんなことあんたに言わなくちゃいけないの!!?」


桐原蓮「心の声(ちっ忘れてた今の俺は刑事じゃねえんだった)」桐原は心の中でそう呟くと…バツが悪そうな顔をして…「すまなかったな兄ちゃん」とひと言謝罪するとその場を立ち去って行った。

桐原はその後…秘密裏に親子連れの男性を調べ上げた。名前は「二階堂隆」2009年…5月15日10才年の離れた…妻と結婚し先月第二子が生まれた。


彼は…大手IT企業に勤める生え抜きの社員で若くして「課長」にまで上り詰めている。交友関係は幅広く…ケータイのアドレス帳には2000人以上の人物が登録されているという噂がたつほどである。


そして…KHAKICROWNのロゴの付いたカバンを所持している人間で…ダークウェブに何らかの形でアクセスしている可能性も否めない。桐原はこれらの情報から…彼が勤めている企業のパソコンにハッキングして…静かに動向を探った。


桐原蓮「ちっ野郎まだ尻尾を見せやがらねぇ!!?」桐原はそうぼやくと…タバコに火を付けてフゥーっと息を吐く。数秒後そんな桐原に女性が声をかける。


??「あんまり根を詰め過ぎないで下さいね?桐原さん」


桐原蓮「るせぇーよ!!?それより…そっちは何か掴めたか?」


??「何も掴めてませんよ!!!?そもそもほんとにこんなことを調べて意味あるんですか?」


桐原蓮「あるさ!!?この二階堂って男を探れば…どっかにKHAKICROWNとの繋がりがある筈だ!!?」数秒後…TVからニュース速報が流れてきて…桐原は耳でそのニュースを聞き始める。


「えぇ~現在私は事件があったとされる民家に来ています!!?」


「犯人と思われる人物はこちらの窓を叩き割って民家に押し入って…この家で暮らす(60代)の男性を鋭利な刃物で殺害したと見られています!!?」


「また事件のあった現場には…犯人の物とみられる足跡が残されており…警察が慎重に捜査を進めています」数秒後…それを見ていた女性はポツリと口を開いて…桐原に声をかける。
??「ねぇ?桐原さん犯人はどーして足跡なんて残したんでしょうか?」


桐原蓮「さぁなぁ!!?俺にはわからねぇ!!?ただ犯人のその行動からかなりの自信を感じる事だけは確かだな?」


??「自信ですか?」


桐原蓮「あぁ俺には犯人が無能な警察連中を嘲笑ってる姿が目に浮かぶぜ!!?」


桐原蓮「そうでなきゃ…ただのバカだな?わざわざ事件の証拠になり得る足跡を残すなんざ捕まえてくれって言ってる様なもんだ!!?」


桐原蓮「それか…その足跡自体が偽装工作っていう可能性が考えられるわな?」


??「偽装工作?」女性はそう言うと…不思議そうな顔をして桐原を見詰める。


桐原蓮「あぁ…あえて自分の靴のサイズとは異なる靴を履いて民家に侵入し害者を殺害後…わざわざご丁寧に足跡を残したのかもしんねぇ…」


桐原蓮「いずれにせよ…どの線を追ったとしても足跡から犯人を特定すんのは骨が折れるだろうな?」桐原はそう言うと…タバコを灰皿に捨てて立ち上がる!!?


??「どっか行くんですか??」


桐原蓮「コンビニだよコンビニ!!?最近ちゃんと飯食って無かったからな!!?」数分後…扉がガチャンっと閉まる音が響き渡り桐原はコンビニへと歩き始めた。

第3話(CROWNSONIC)

桐原がコンビニに出かける数時間前の事だ…都内にあるとある時計店では仮面強盗たちが時計を強奪していた。彼らは薄気味悪い白い仮面を付けており白昼堂々と犯行に及んでいた。


この時…あまりに大胆な犯行に道行く人は映画か?何かの撮影だと考えていたと言う。映像には…時計店が襲われているのに…何事も無かったかのように過ぎ去る人物が何人も映っていて…その様子がダークウェブ上に放映されていた。

KHAKICROWN「皆々さまっ!!?ご覧ください!!!?これは見ものですねぇ?」


KHAKICROWN「現在…CLOUDSONICのメンバー3人が果敢にも時計強盗をやっている模様だ!!?」


KHAKICROWN「これはかなりPOINTが高いっ!!?私も長年このサイトを運営してきましたが…まさか本当にやるものがいるのか?という別の意味での驚きを体感している所でございますっ!!!?」


KHAKICROWN「さぁ…これでCLOUDSONICはチームとして5位に浮上!!?」


KHAKICROWN「さぁさぁさぁ…レースの行方がわからなくなって来たぞっ!!!?」KHAKICROWNが言う「CROWNSONIC」とは仮面を付けた謎のチームで…総員数は「50人」を超えるとも「500人」を超えるとも噂されている…犯罪グループである。

彼らは時たまこういった事件を起こして…サイト内を賑わせており…別名「CLOUDCROWN」とあだ名されていた。そしてBOSSの素性は「不明」とされておりKHAKICROWNですらその全容を把握してはいないのである。

CLOUDSONIC「作戦本部」渋谷第三地区…エルミタージュ通り。


??「八木くん?あれ誰がやってるの!!?」

八木「うちの末端の高校生のガキですよっ!!!?」


??「くくくっ(笑)!!?ばっかだねぇ?普通あんな目立つ格好で時計強盗なんてするか?」


八木「さぁ?これから先一生借金背負って生活するよりはマシだと思ったんでしょうね?」


??「ふーん?高校生の少年もいろいろ事情を抱えてるんだねぇ?」


八木「ですね?それより見て下さいっ!!?そのガキのお陰で視聴数かなり伸びてますよ!!?」


八木「KHAKICROWNもご満悦!!!?この分だとチーム戦はまたうちらの圧勝臭いっすね?」


??「たりめぇだろっ!!!?俺等は天下のCLOUDSONICだぜ!!!?」男はそう言うと…ニンマリ笑って不敵な笑みを浮かべる。

八木「あっ見て下さいっ先輩!!!?今度はこれをやらせようと思ってるんですがどうですかね?」八木はそう言うと…パソコンを操作して…(詐欺)という項目をクリックする。


??「あんっ?詐欺かぁ?ちょっとしょぼくねぇか?それじゃ5POINTしかGETできねぇだろ?」

八木「いやっ先輩!!?それがそうでもないんですよ」


八木「KHAKICROWNが提示する3つのお題をクリアすれば…最大50POINTは手に入れられる筈なんです」


八木「これを見て下さい!!?っKHAKICROWNがこれまでに提示したお題をクリアした奴らは全員順位が爆上がりしてますっ!!!?」


八木「俺の計算通りなら…50はかたいっすよ!!?」


??「良いねぇ!!?50ありゃ…またパーティー開けるじゃねぇか?」


八木「パーティーどころか?そのPOINTで人を殺す事も…時価数億の豪邸を手に入れる事だって出来ますよっ!!!?」


??「それにしてもKHAKICROWNは何者なのかねぇ?」


??「こんだけ堂々と犯罪を犯しておいて未だに捕まらない…」


八木「さぁ?俺も詳しくはわからないですが…KHAKICROWNという人間を複数人で演じているという噂が昔っからありますっ!!?」


八木「そしてその正体を知った者は皆必ず死んでいるそうです!!!?」


八木「それより…ミステリーボックスの中に変なもの入れるの辞めて下さいよっ!!?」


??「ケケケッ(笑)!!!?良いじゃねぇーか?人間の死体の一つや二つ」


八木「よくありませんよっ!!!?腐った豚の肉風に加工すんの…大変なんですからねっ?」

八木「ちょっとは自制して下さいっ!!!?いくら匿名で販売してる箱だとは言っても…限度ってもんがあるんですから!!!?」



??「悪かったよ八木ちゃんっ!!!?それよりどう?動画の調子は?」


八木「大当たりっす!!?っこの分ならこっちのサイトでもうちらが勝つのは時間の問題っすね?」


??「だろう!!!?やっぱ当たるんだよオレの予想は?」


八木「それにしてもリーダーは何してるんですかねぇ?」


??「あんっ?まぁどーせ奴の事だ…今頃女を両手に添えて豪遊でもしてんじゃねぇーか!!?」


??「んなことより…この前獲得した10POINT現ナマに変えとけよっ!!!?」


八木「わかってますよっ!!!?既に手配してありますっ!!!?」


八木「予定通り入金されれば口座残高は10億円突破っ!!!?」


八木「これでまた新しい事業を展開できますよっ!!?」


??「フンッ(笑)!!!ようやく俺等も軌道に乗ってきたじゃねぇか?」男はそう言うと…その場を立ち去って行った。

そして台風吹き荒れるあの空の下で再び事件は起きた。窓から吹き付ける風はいつも以上に騒がしく…風呂場から滴り落ちる水の音がどうでもよく思える程だった。


その日の夜中…帰宅途中の女性が仮面を付けた謎の数人組に連れ去られるという事件が起きた。警察は当初…身代金目当ての誘拐事件だと決め付けて捜査を進めたがやがて難航し…事件は迷宮入りになりそうになっていた。


??「戸田警部っ!!?カメラに映ってるこの男たちは何者なんですかね?」


戸田「さぁーねぇ?僕にもわからない…ただ…1つ言える事は…あの時計強盗の仲間臭いって感じがするのは確かだね?」


??「そうですね?全く同じ仮面を付けてますもんね?」


戸田「僕も長年刑事をやって来たが…こんな奴らは初めてだ…!!!?」


戸田「わざわざ仮面を付けて犯行に及ぶなんて捕まえてくれと言ってる様なもんだ?」


??「ですね?もしくは捕まることも折込み済みで…犯行を行ってるかですね?」


戸田「だね?こういう輩の場合…実行犯をいくら捕まえてもきっと事件は解決しないだろう?」


??「僕もそう思いますっ!!!?それよりこれを見て下さいっ!!!?詳しく調べたんですが…数年前にも似たような事件が数件起きていますっ!!!?」


??「その時はこれ程派手な格好はしていなかったですが…手口からして同一犯によるものだと思われますっ!!!?」青年はそう言うと戸田にいくつかの書類を手渡す。


??「まずそれが…4年前の事件の詳細ですっ!!?」


??「その時は…三枝俊哉という男が事件の実行犯として捕まっています」


??「この時三枝は…黙秘を貫いたまま獄中で自殺しましたが…彼の遺品の中に妙なデータが入っていたそうです」


戸田「妙なデータ?」


??「はいっ!!!?開いてみると…ピエロのお面を付けた男の子供騙しな動画がいくつも入っていてどれも嘘臭い内容ばかりだったそうです」


戸田「ふーん?なるほどねぇ?ねぇ?矢田くんそのデータってまだあるのかい?」


矢田「さぁ?僕にはわかりませんっ!!!?何せ事件とは直接関係のない動画でしたから…残っていない可能性もありますっ!!?」


戸田「となると…かなり地道な捜査になるね?恐らく今回の事件?そのピエロと何かしらの繋がりがあるんだろう?」戸田は意味深な顔でそう言うと…タバコに火を付けてフゥーっと息を吐く。



数秒後…ガチャっという音が響き渡り…1人の女が部屋に入ってくる。


??「警部っ!!?大変ですっ!!?また仮面を付けた集団によるものと思われる事件が発生致しましたっ!!!?」


戸田「わかったすぐ行くよっ!!!?」戸田はそう言って…部屋を出るとその場を後にして行った。


それから数日後…とある部屋の中ではCROWNSONICの団員たちが何かを見ながら話しあっていた。


??「どう?八木くん?あれの調子は?」


八木「めちゃくちゃ好調ですよっ(笑)!!!?今トップを走ってるのはうちのチームっ!!!?この分ならイースバンディーを抑えるのも時間の問題っすよ」


??「それなんだけど?抑えない方が良いんじゃなぁない?」


八木「何でです?何かまずいことでもあるんですか?」


??「いやぁ別にねぇーよっ!!!?ただそういう手合いの輩をあんまり怒らせすぎると…稀に団員が襲撃されたりするもんで…?」


八木「確かに?その心配はありますよね?ですが…ご安心下さいっ!!!?そう思ってバンディーだと思われる女には既に監視をつけてあるんですっ!!?」


??「フューっ♪っやるね?さすが八木くん?」


八木「いえっそれ程でもないっすよっ!!?それよりこれを見て下さいっ!!!?予想通り伸びは上々っ!!?この分ならうちらの圧勝で間違いなしっす!!!!?」


??「最高っじゃないのっ!!!?引き続きその調子で頼むよっ!!!!?」男はそう言って話すとその場から立ち去って行った。


数秒後…男が部屋から出たのを確認した八木の部下の男は…フッと息を吐いて「行きましたね?藤堂さん?」と言って…安堵したような表情を浮かべる


八木「だなっ!!!?んなことより抜かんなよっ!!?」

カチャっカチャカチャカチャッ!!!?

??「わかってますよ!!!?それより先輩っ!?こんなショッピングモールの監視カメラにハッキングしてて意味あるんすか?」


八木「何だよ?急に?さっきは乗り気だったじゃねえか?」


??「いやっそもそも先輩っ!?ほんとにこんな女探って意味あるんですか?」


八木「はぁ?杉下?お前っ!!!?俺の言葉が信用できねぇのか?」


杉下「いえっそう言う訳じゃありませんが…こんな女張ってても意味ないっすよ!!?」


杉下「そもそもコイツがイースバンディーだって言う保証なんてあるんですか?」


八木「バーカっ!!!?それを今から調べるんだろ?それに…これはメンバーを守る為でもあるんだっ!?」八木はそう言うと…端末を操作して1人の女が居る部分だけ拡大して…凝視する。


数秒後…女は何かに気付いたのか監視カメラの方をジッと睨み付けて…画面越しに見詰めている八木の方に目をやった。


八木「こいつ?うち等が覗いてる事に気付いてるな?」


??「えっ!!?いやいくらなんでもそれは気の所為でしょ?」


??「それにこの女がどんなに頑張って調べても…絶対にうち等にはたどり着けないっすよ!!?」


八木「バカッ!!!?そういう油断が良くねぇんだよっ!!!?俺等はタダでさえ目立つ格好で犯行を犯すんだぜ!!!?」


八木「念には念を越しとかねぇーと…!!!?後でやべぇ事に繋がりかねねぇっ!!!?」八木はそう言うと…紅茶をひとくち口に含んでフッと息を吐くっ!!?

そしてその様子を見ていた(杉下)は…少しバツの悪そうな顔をして八木に話し掛けるっ!!!?

??「先輩っ!!?実は折り入って話したい事があるんですが良いですか?」

八木「あんっ!!?何だよっ!!!?急にっ!?ヘマでもしちまったのかっ!!?」

??「いやっ!!?そういう訳じゃないんですが…遅れてた例の資料やっと出来上がったんですよ!!!?」


八木「やっとかぁ?たくっお前はいつも待たせ過ぎなんだよっ!!!?」


杉下「すいませんっ(汗)!!!?あのジジィ案外ガード硬くって!!!?」


杉下「身辺調査するのにかなり時間がかかりましたっ(汗)!!!?あっ後調査にかかった費用まとめて請求するんでよろしくっす!!!?」


八木「はぁっ!!!?いくらだよっ!!?高かったら払わねぇーぞっ!!?」


杉下「チームの口座に億単位のお金があんのにどんだけケチなんすか?」


八木「それとこれとは話が別なんだよっ!!!?無駄使いは一切しねぇーのっ!!?」


杉下「にしても八木さんっ!!?ジジイの所から金をくすねるにしてもどうやるんですっ!!?かなりガード硬いっすよっ!!?」

八木「バーカっ!!?そういう時は外注で…協力者を募れば良いんだよっ!!?」八木は資料を見ながらそう言うと…紅茶をひとくち口に含む!!?


杉下「なるほどですね?さすがっ先輩っ!!!?」


八木「だろ?それはそうと…てめぇさっきから何やってんだっ?」


杉下「あぁこれですかっ!?KHAKICROWNの事を調べてたんですっ!!!?」


杉下「これを見て下さいっ!!?過去にKHAKICROWNが取り扱った7人の男たちの犯行なんですが…どれも…昼の12時~15時(3時)の間に行われています」


杉下「これは俺の予想なんですが…十中八九KHAKICROWNはこの時間帯がいつも暇なんです!!!?」


杉下「だから…忙しい合間を縫って彼らの動向をチェックできる!!!?」


八木「だから何だよ?それと今回の案件に何があんだよっ!!!?」


杉下「鈍いっすねぇ〜?先輩もっ(笑)!!!?わかんないんすか?」杉下はそう言うと…ニンマリ笑って不敵な笑みを浮かべる。

その頃…八木の上司にあたる藤堂という男は…幹部に呼び出され事務所まで来ていた。

??「藤堂くん?動画の伸びはどうだい?」

藤堂「それなりの調子を維持できていますっ!!?」

??「それなり?微妙なニュアンスだね?」

藤堂「ダッハハっ(笑)!!?大下さんがそこまで心配する必要はありませんよっ!!?」


藤堂「なんたってうち等は現在…チームとして1位っ!!!?このまま行けば…来週には3億入る見込みなんですからっ!!!?」


大下「そうかい?ならっ!!?安心だね?」


大下「それはそうと藤堂くん?例の案件どうなってる?」


藤堂「そちらの方も滞り無く進んでいますっ!!!?全てこの私にお任せ下さいっ!!!?」


大下「OKっ!!!?期待して待っているよ!!!?今日はもう帰っていいっ!!!?久々に早く帰って家族サービスでもしてあげなさいっ!!!?」大下という男はそう言うと…ニンマリ笑う。


そして藤堂は間髪入れずに「お気遣いありがとうございますっ!!!?」と返して深々と頭を下げてその場を立ち去って行った。


その後…部屋で一人きりなった「大下」は流れる雲を見ながらポツリと呟くっ!!!?

大下「くくくっ(笑)!!!?KHAKICROWN!!?今に見てると良い…ボクが必ずキミの正体を掴んでやる」


そう話す…大下の目は決意に満ち溢れていた。そしてこのことが後に「CLOUDSONIC」を追い詰める事になろうとはこの時まだ誰も予想できては居なかった。得体の知れないKHAKICROWNの正体に…大下が翻弄されていたのと同じ様に…動画の視聴者の9割が騙されていたからだ…!!!?「KHAKICROWN」という男の猿芝居に!!!?

IGNIS(バンディー編)(デッドバンディーの再来と呼ばれた女)

関連キーワード(ゲーム)
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IGNIS(バンディー編)(デッドバンディーの再来と呼ばれた女)

これは私が友人より聞いた話である。2012年7月の暑い日…男の元に一通のメールが届いた。メールには複数枚の写真ととあるファイルが添付されており…こう記されていた。 「閲覧注意」ただひと言そう記されたその文字がやけに印象的だったと彼は呟く。男はその文面を見ながら思い出していた。そう…あの事件が起きたあの日もこんなふうに蝉が煩く鳴いていた初夏の夕暮れだった。

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  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-07-30

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  1. 【プロローグ】
  2. 第1話(宮原早希の場合)
  3. 第2話(IGNIS)
  4. 第3話(CROWNSONIC)