山手線のシルバーシートに座っていた

隣の人に一粒、力を吹き込んでやった
向かいに座っている人にも一粒、力を吹き込んでやった
手すりにつかまっている人にも一粒、力を吹き込んでやった

電車はいつまでも止まらないように思えた

私はいつまでも立ち上がることの無いまま
車両の揺れに身を任せていた

電車はいつまでも止まらないように思えた

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-07-21

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