冬が来て

冷たい早朝

冷たい道端に静かに横たわる

眼を閉じ
四肢を優しく投げ出し
脣の端をうっすらと赤く滲ませて

その口許にはおにぎりが一つ
供えられ

それをかがんでじっと見つめる

少女

いつまでも、いつまでもそばに居て
一緒に冷たくなっている少女

ああ、冬
冬が来て

私はこの冷たさに懐かしさを覚える

動かない犬
動かない少女

ああ、
私はこの冷たさに懐かしさを覚える

冬が来て

冬が来て

いつまでも、いつまでもそばに居て 一緒に冷たくなっている少女

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-07-07

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