自選短歌 2023年6月

今日からのわたしに遠近両用の焦点が合う目線の角度

二十年見守っていた置時計が今宵凶器になってしまった

目をそらしからだをねじり逃げようとしているときの前はどっちだ

ごろごろと土にまみれた里芋がわたしを好きでわたしも好きだ

誰ひとり力を入れる気がなくて行ってしまった綱引きの綱

青空に食われたあとの地球から出ていくことのない御中元

本当は痩せて太った半年を変わりはないということにする

自選短歌 2023年6月

自選短歌 2023年6月

2023年6月に「うたの日」で発表した短歌からの自選7首です。

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-07-02

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