ガンダムZ 0078 15話
「ハマーン様、連邦製のサイコミュ兵器の奪取に成功しました。
データをお役立てください。」
「「うむ。よくやった。これからもその力を私の為に貸してくれ。」」
「はっ!」
私は家に帰るとすぐにデータの解析をやらせた。
「中佐、お疲れでしょうが、少しよろしいでしょうか?」
「何だ、一体。」
「連邦の一兵士から通信が入っています。」
「なんだと?」
「地上のジャブロー付近から、きたそうです。」
「なんだよ!強化手術って!リリィ中尉に何をした!」
「人工的にニュータイプ能力を付与しただけです。」
「ふざけるな!そんな、モルモットみたいに!」
「レオン落ち着け!」
「でも、隊長!」
「黙れ!!」
その時、怒声が響いた。
「おい。ガキ。ここは軍隊だ。上の意向なんだから、お前は
それに従えばいいんだよ!」
この声の持ち主は…シャルロット…
叩き上げの人で一年戦争を生き抜いた一人だ。
「そういう事だよ。レオン君。」
「で、連邦の士官が何の用ですか?まさか亡命と言う訳でも
ないでしょう?」
「こんな事をジオンの者に頼むのはどうかと思うんだが、
ティターンズにいる私の孫をエゥーゴへ逃がす手伝いをしてもらいたい。」
「論外です。私達の利益が無いどころか、消耗だけでは、無いですか?
しかも後の敵を見過ごす等、できるはずありません。」
「わかっている。だが、君達の利益となる話ならある。」
「なんでしょう?」
「実は…」
「レオン?大丈夫?」
「ありがとうございます。リリィ中尉」
あの後、俺は言い返す事ができず、立ち尽くしていた。
「レオン、お前に面会だ。地上でお世話になった人だぞ。」
「えっ」
地上でお世話になった?
そのまま、俺はある人物に再会した。
「久しぶりだな。レオン君。」
「しょ…小佐?久しぶりです。」
「実は折り入って頼みが三つある。」
「なんでしょう?」
「まず、一つ目だが、リリィの事を頼む。
君も知っての通りあのざまだ。だから君にリリィを任せたい。」
「わかっています。リリィ中尉、いやリリィには俺がいなきゃダメなんでしょう?」
「二つ目は、リリィを連れてエゥーゴへ亡命して欲しい。
このままだと、リリィはまた強化されてしまうだろう。」
「ですが、そんな簡単な事では無いでしょう。」
「だから、ある人物に救援を頼んだ。その後エゥーゴに合流してもらいたい。」
「ある人物とは…誰です?」
「ジオンの者達だ。私が交渉して、協力を取り付けた。」
「ジオン?なぜそんな奴らに…」
「そうでもしなければ逃げきるのはまず無理だろう。」
「中佐、よろしかったのですか?」
「良いんだ。どうせ両者とも共倒れするさ。」
それにこちらの利益の方が大きい。
「それよりアーロン!お前、出る時は留守番だぞ。」
「三つ目に、もしもエゥーゴに合流できない場合は
そのまま、ジオン側に従ってもらいたい。無論、その後
エゥーゴに合流してもらいたい。」
「わかりましたが、一体どうすれば…」
「後でわかるはずだ…」
「そろそろ、時間だ。」
タイミングが良すぎる。
ガンダムZ 0078 15話