夏目漱石作夢十夜第六夜を再度とその他放談。

夏目漱石作夢十夜第六夜を再度とその他放談。


 (本日も簡単に述べ、文豪作品の貼り付けで終わる。
 あ~その前に世代交代によることに関連し、知識や経験が無い上に騙されやすい人類に警告をしておく。
 何かと話題に昇っているカードの不手際や入管の何れも大問題にも関連し、次第に今の時代の状況が戦前の「全体主義~軍国主義」の時代に似て来てしまった。元々、自民は戦後昭和から現在に至るまで、一時のつむじ風で終了した野党政権の僅かな期間を除き、常に「強行採決」を行い或る意味、国民の意見が通らなく其れでも好景気に誤魔化されていた国民は何も気が付かなかった。だが、先日も述べた様に79年から、「好景気は鳴りを潜め」同時に「少子化」が着々進行し始めていた。
 勿論・・其の政府を支持してきたのは、かなり前から「一億総白痴化」と名付けられてきた国民である事は間違いがない。自業自得とも言う。
 其処に持って来て、ありとあらゆる・・考えられる悪夢が接近している。その辺りは起きてからで無ければ分からない人類であるので、仕方が無い。
 例えばこんな事も言える。一例で地震をとってみる。青い惑星にはマグマが存在し、プレートが存在するから、火山噴火や地震が多発する可能性の極めて高い環境下にあると言ってもおかしくはないが・・その中でも地震だけを例にとる。
 此の国では特に回数が多いものであるが、一旦起きたからと言いもう起こらないという事が無いのは御存じの通り。
 要は「力~Energy」が起こす構造上、そのエネルギーが発散され其れで終わりという事は無く、プレートは次々に動いては休み、又動くを繰り返すのは周知。
 
 一昨日の事・・レストランまで車で向かう途中、狭い道路で直前を走行していたタクシーが乗車拒否をしたように見えたが・・迎車。
 其れは兎も角、手を挙げた二人は50代から60代くらいの奥さんと高齢者の女性~お婆さんである。
 タクシーが通るだけでも珍しいような大通りから外れた路地。二人を通り過ぎたところで停止し、ドアを開け道路を戻り声を掛けた。
「・・何処まで行くの・・?」
「・・池公園迄・・」
「・・何だ・・近くじゃない・・送ってあげるから乗りなさい・・?」
 笑顔を見せた奥さんと老女はすぐに車中の人に・・。十五分程度の間に少しは話をしたが・・奥さんが老女は九十二だと言うから、この暑さの中で無理をしたらいけない・・しかも、家を出てからそこ迄かなり歩いたのだが遂に足が止まってしまったと言うから・・確かに聞いた限りのルートでは上り坂がずっと続き、次に下り坂がずっと続く・・かなり距離がある・・よく来たものだ・・。
「・・あんなところで手を挙げていてもタクシーなど通らないよ・・」
「・・アヤメ・菖蒲等が見ごろで・・」 
 ところが・・お礼もせずに・・と拘(こだわ)るから・・そんなものいらないよ・・と苦笑をした・・。
 今の時代は景気が悪い・・お礼を気にするのは・・。
 安心をさせようと・・一瞬ジーンズの後ろのpocketに入れてある折り畳んだ財布を出そうかと思うが・・却っておかしい・・余計な事をし馬鹿にしたように取られたら・・。
 公園の正面入り口で・・脇に止められるスペースがあったから良かった・・其処に止め・・二人を降ろし・・奥さんだけでなく老女も・・どうもご親切に有難う御座いました・・。
 口が利けるなら・・と安心をした・・。
 何時も財布には福沢諭吉を・・百枚以上入れてある・・其れが限度でそれ以上は入らないし・・財布が折れ曲がらなくなってしまうから仕方が無い。
 ジーンズのpocketも其れが限界・・。
 其れでも・・「・・ゆっくり楽しんでいらっしゃい・・」で、二人の後ろ姿が見えなくなった・・尾上雄二の母は九十一・認知症で植物人間の末亡くなった・・子供では無いから金銭を渡す訳にもいかないし・・だが、あんなところ迄歩かせたのは不況のせいか、倹約のつもりだったのかも知れない・・何か雄二は・・自分が母に責められているような気がしたと言う・・。

 ついでに、最近まで流れていたコマーシャルだが、高齢者目当ての、「・・名前が出て来ないとか、記憶が・・の認知機能が低下してお困りの方に、此の・・を・・USAの学者が考え出した、認知機能低下改善の飲み・・」
 なのだが、実は、人類も動物であり、何れにも老化現象は同じ様に起きるが・・認知機能で無く認知症は他の動物には発症しなく人類にだけ・・。
 其れを人類の医学ではどうともしようがないのが現実。ところが、認知症・認知機能の低下と言えば勘違いをしそうで・・認知症では無い全く別物で、ごく自然な現象と言える。
 其れなのに、余計な事をして・・寧ろ・・効果があったりすれば・・或る意味危険とも言える。
 だが、記憶を司(つかさど)る脳の海馬の謎・未だ人類社会では解けてはいない。一時、約数年前にNHKの特集番組で「認知症の将来は明るい」が放送された。
 県下でTOPだと言われていた認知症専門医に其の話をしたら、怒りだした。
「・・誰?NHKのなんという人がそんな事を言っていたの?明るくない・・明るくない・・」
 此れは、一人の見解では無く、日赤病院だろうと開業医だろうと認知症は治せなく、はっきりとそう言うのが普通だ。
 其れが、やはり一年位前だったが、此の国の製薬会社が「USAで認められた認知症の治療薬・・」、此れは報道機関のニュースでも大きく報道されたが・・。
 其の会社に連絡をし、
「・・認知症の?治療薬と言うのは誇大広告にあたるから・・やめなさい。・・え?進行を遅らせる薬?そりゃ数年前に「アリセプト」と言う薬があり、効果が無いとも言われたが、医者達は二者を比較しても変わりが無い・・寧ろアリセプトの方が効き目があるし・・副作用の点でも・・」
 其の会社は、それ以降治療薬で無く、進行を遅らせる薬として販売をしている筈・・強引に「争う」とは言わなかった・・。
 時間が無い・・先に進む・・。)



 大東亜戦も敗戦色が濃くなってきた頃こんな事があった。
 大本営は相も変わらず・・の一方・・。
 先ず、裕仁親王~昭和天皇~が怖れた事と、偽装部隊名「陸軍東部第三十三部隊~中野学校~」に於いても懸念されていた事はUSA・UKに対する徹底抗戦の他にもう一つ・・。
 両者~裕仁さんと中野~の間には同じ国とは言え、何も関連する(脈絡)は存在しない事を先に述べておく。
 USSRは当時社会主義国で、大国・小国に現在のNATO加盟国の一部も含まれていた。
 つまり何れもUSSRという事になるのだが、此の国が西側に降伏をした後も、USSRは不可侵条約を守らず、其処から戦いを始めた。
 これが、シベリア抑留に繋がる・・。
 其れだけなら仕方が無いのだが・・国民の限られた一部の間でも話された事が・・上記の二者が怖れた事に繋がる。
「・・此の国は、USSRがもう一歩早ければ、朝鮮半島の様に二つに分かれていた。北と南の様に」
 どういうことなのかと言えば、島国は半分に分割されていた可能性も・・実際にはUSAがいち早く・・人体実験目的の原爆投下・無差別大量殺戮の絨毯爆撃などで占領をした事も、Germanyの例でみればわかる筈。
 且つてのGermanyは強く・・Nazisでもあったが、現在は国民の世代が代わりUSA隷属国となっている。
 今の首相ではなく、その前の独立を目指したメルケル女性首相をどう評価するかなのだが、人により分かれる。
 寧ろ、現在はメルケル批判が高まっているが・・其れもおかしな話なのだ・・。まあ、其れは兎も角、Germanyは東西に分断された。
 ケネディーがブランデンブルグ門の近くでGermany(語)で最初と最後だけの演説をした、後は英語・・とはいっても簡単な一行で集約できるが・・「Ich bin ein Berliner」。私はベルリン市民だ。
 Germany語が理解できる者やClassicが好きな者には非常に分かりやすい「アイネ(アインと同様一つの) クライネ(小さい) ナハト(夜の) ムジーク(音楽)~小夜曲」とほぼ同じ、英語でI am a ・・(Berliner)となる。
 ケネディーについては、先日は少しは・・交渉力という・・ナローな一点だけを取りあげ褒めた。だが、人類は権力をもつと女性関係や差別その他乱れまくるのが常。キューバで失敗・・最も分かりやすい例では、彼の友人であるフランクシナトラの更に友人であるサミーデービスジュニアの結婚式は断った・・黒人だから・・。  
 マリリンモンロー ノーリターン・・ってわかるね。女性問題・・。尤も、ジャクリーンと言う奥さんも・・あっさり大富豪と再婚したがね・・。人類は交尾が好きだから。
 ベトナム戦の枯葉剤散布・・USA国民にも非難を浴びた。
 ちょっと話は逸れるが・・宇宙開発についてはUSAよりUSSRの方が早く、スプートニクから・・有人飛行もUSSRに先を越された。
 私達のホームグラウンドに飛び込んできた事になる。まあ、太陽系程度は構わないが。
 NASAはその当時、軍と分離されたから・・現在は宇宙専門局になっている。
フルシチョフとケネディーの第三次世界大戦・・あわやを止め・・。

 元に戻す。
 時間も無いので簡単に。
 此の国が分断されていたら・・と言う話だが・・あなたがたは小国を支援しているが・・大国と同じUSSRだった。
 という事は・・?
 此の国が半分になっていれば・・小国は占領者という事になる。そうなっていれば・・かなり・・結果的には印象が異なったと思うよ・・。
 NATOも今だから・・威張っていられるが・・一部はUSSRで・・同じだった。
 此の小国もお笑い芸人だからいい加減で、USAの議会で「真珠湾を・・?」と言ったかと思えば・・此の国には「・・北方領土で困っているでしょ?・・」と、演技に長け・・媚を売るが、USSRであった事には変わりは無い。
 仮の話だが・・全く可能性が無かった訳では無く・・事実、此の国でも一部は其れを考えていた。
 岸田君達は調子よくUSAの同盟国で国民受けしようと思っただけの事で・・脳は無い。メルケルと異なってUSAと同盟を強化した今のGermany首相と同じ路線。
 
 ところで、どうして大国が小国に攻め込んだのかは分からないね・・?
 全て・・昔から同じ局面が続いているだけの事なんだが・・要は、USAは共産主義という言葉にアレルギーで、社会主義も同様。
 世界中を・・民主主義とうたっているが・・実際は何もかも自由で・・節度がない面が表面化し過ぎ・・国内も分裂しているが・・暴力さえ捨てきれない。
 人類は物事の表面だけを見、考えてはああだこうだと短絡的に判断をする。
 其のUSAが世界中を此の国やGermany、SKの様に一本釣りで餌を撒き、引っかけては戴くのが常套手段で昔から変わらない。
 世界があらゆる面で「東西」に分かれたのが、その勢いでコソボにかこつけ・・NATOに基地をなど・・盲点を突いた。
 次第に広まる大国包囲網に反応をしただけの話。まあ、其れをどう考えようと人類個々の勝手ではある。
 私達は、一つの意味合いでのバランス・・そうで無ければ国境を無くすこともできなかったし、宇宙を自在に移動する事も不可能だった。
 まあ、人類には理解が出来ない、或る意味、百五十億年~実際にはもっと離れている・・人類の極一部との合意の上の同化、先ず其処の解釈も難しいだろう。
 生命と生命体と敢えて分けているのは、人類は青い惑星の哺乳動物の域を超えられなく進化も其処で止まっている。
 だから、構造上一部哺乳類との交流も可能であり、体と例えるにふさわしい限りと言える。
 では、同化した人類と他とがどう異なるのかなのだが、理論上全く同じで何も変わらないが、多少の条件が加わるに過ぎない。
 感情と感性の違(たが)え。人類は案外摩擦を好むので感情面に特性が見られ、ゲーム理論や射幸を好み、sportsというジャンルですら感情的にしか見られなくなっている様なのか、対立感情をむき出しにする事で勝ち負けの意識を高揚させる。
 人類で言う感性の意味合いが異なるところが、大きな違いでもある。
 
 時間が無くなったのでお終い・・。
 



 夢十夜
 
 夏目漱石 

 第六夜

 運慶うんけいが護国寺ごこくじの山門で仁王におうを刻んでいると云う評判だから、散歩ながら行って見ると、自分より先にもう大勢集まって、しきりに下馬評げばひょうをやっていた。
 山門の前五六間の所には、大きな赤松があって、その幹が斜ななめに山門の甍いらかを隠して、遠い青空まで伸のびている。松の緑と朱塗しゅぬりの門が互いに照うつり合ってみごとに見える。その上松の位地が好い。門の左の端を眼障めざわりにならないように、斜はすに切って行って、上になるほど幅を広く屋根まで突出つきだしているのが何となく古風である。鎌倉時代とも思われる。
 ところが見ているものは、みんな自分と同じく、明治の人間である。その中うちでも車夫が一番多い。辻待つじまちをして退屈だから立っているに相違ない。
「大きなもんだなあ」と云っている。
「人間を拵こしらえるよりもよっぽど骨が折れるだろう」とも云っている。
 そうかと思うと、「へえ仁王だね。今でも仁王を彫ほるのかね。へえそうかね。私わっしゃまた仁王はみんな古いのばかりかと思ってた」と云った男がある。
「どうも強そうですね。なんだってえますぜ。昔から誰が強いって、仁王ほど強い人あ無いって云いますぜ。何でも日本武尊やまとだけのみことよりも強いんだってえからね」と話しかけた男もある。この男は尻を端折はしょって、帽子を被かぶらずにいた。よほど無教育な男と見える。
 運慶は見物人の評判には委細頓着とんじゃくなく鑿のみと槌つちを動かしている。いっこう振り向きもしない。高い所に乗って、仁王の顔の辺あたりをしきりに彫ほり抜ぬいて行く。
 運慶は頭に小さい烏帽子えぼしのようなものを乗せて、素袍すおうだか何だかわからない大きな袖そでを背中せなかで括くくっている。その様子がいかにも古くさい。わいわい云ってる見物人とはまるで釣り合が取れないようである。自分はどうして今時分まで運慶が生きているのかなと思った。どうも不思議な事があるものだと考えながら、やはり立って見ていた。
 しかし運慶の方では不思議とも奇体ともとんと感じ得ない様子で一生懸命に彫っている。仰向あおむいてこの態度を眺めていた一人の若い男が、自分の方を振り向いて、
「さすがは運慶だな。眼中に我々なしだ。天下の英雄はただ仁王と我われとあるのみと云う態度だ。天晴あっぱれだ」と云って賞ほめ出した。
 自分はこの言葉を面白いと思った。それでちょっと若い男の方を見ると、若い男は、すかさず、
「あの鑿と槌の使い方を見たまえ。大自在だいじざいの妙境に達している」と云った。
 運慶は今太い眉まゆを一寸いっすんの高さに横へ彫り抜いて、鑿の歯を竪たてに返すや否や斜はすに、上から槌を打うち下おろした。堅い木を一ひと刻きざみに削けずって、厚い木屑きくずが槌の声に応じて飛んだと思ったら、小鼻のおっ開ぴらいた怒り鼻の側面がたちまち浮き上がって来た。その刀とうの入れ方がいかにも無遠慮であった。そうして少しも疑念を挾さしはさんでおらんように見えた。
「よくああ無造作むぞうさに鑿を使って、思うような眉まみえや鼻ができるものだな」と自分はあんまり感心したから独言ひとりごとのように言った。するとさっきの若い男が、
「なに、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋うまっているのを、鑿のみと槌つちの力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない」と云った。
 自分はこの時始めて彫刻とはそんなものかと思い出した。はたしてそうなら誰にでもできる事だと思い出した。それで急に自分も仁王が彫ほってみたくなったから見物をやめてさっそく家うちへ帰った。
 道具箱から鑿のみと金槌かなづちを持ち出して、裏へ出て見ると、せんだっての暴風あらしで倒れた樫かしを、薪まきにするつもりで、木挽こびきに挽ひかせた手頃な奴やつが、たくさん積んであった。
 自分は一番大きいのを選んで、勢いよく彫ほり始めて見たが、不幸にして、仁王は見当らなかった。その次のにも運悪く掘り当てる事ができなかった。三番目のにも仁王はいなかった。自分は積んである薪を片かたっ端ぱしから彫って見たが、どれもこれも仁王を蔵かくしているのはなかった。ついに明治の木にはとうてい仁王は埋うまっていないものだと悟った。それで運慶が今日きょうまで生きている理由もほぼ解った。
 


「死ぬまで進歩するつもりでやればいいではないか。作に対したら一生懸命に自分のあらんかぎりの力をつくしてやればいいではないか。後悔は結構だが、これは自己の芸術的良心に対しての話で、世間の批評家やなにかに対して後悔する必要はあるまい。夏目漱石」

「好人物は何よりも先に、天上の神に似たものである。第一に、歓喜を語るに良い。第二に、不平を訴えるのに良い。第三に、いてもいなくても良い。芥川竜之介」

「金は食っていけさえすればいい程度にとり、喜びを自分の仕事の中に求めるようにすべきだ。志賀直哉」



「by europe123 」
https://youtu.be/N6mykOAclrI 

夏目漱石作夢十夜第六夜を再度とその他放談。

夏目漱石作夢十夜第六夜を再度とその他放談。

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-06-08

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