月に太陽
月に太陽
俺の為に死んでくれ
俺の心に火を。火が灯れば、俺の心の部屋に少数ながら人が来る。その人々の言うには、
「燃えろ。燃やせば、全て灰になる」
そうか。だったら燃やせ。燃やせばいい。さもなくば死を。
俺は苛立った。俺は戦争の灰燼を被る獣に遭った。なぜ? なぜ俺を殺そうとする? なぜか。
「そうだな。お前のことを見損なう前に一つ忠告しておこう。行動は十分前だ。なぜなら先に動いた方が勝つ」
そうだ。俺の為に死んでくれ。
月に太陽
月には太陽が彦星の如く、織姫に会う。織姫は星々の夢を見る。
「いつにも益して不愛想じゃないか。久しく笑顔を見せぬ。どうした、姫よ」
「ねえ、教えて。悪魔との接し方を。悪魔の裡にくちづけを」
月に行くには、数年後、それから満月に怪物が来る。で、仲間になるとその怪物は凄みのある笑みを見せる。そう、笑みを。
「ねえ、教えて。いつも涙を流す人の慰め方を。そして鎮魂歌の歌い方を」
鎮魂歌? そんな大層な代物は死んだ人間を思い出した時だけにしておけ。そうでなければ墓を壊せ。十五セント払おうか。
「ねえ、教えて。悪夢の覚まし方を。怪物の操り人形の奪い方を」
それなら奪えばいい。虫を殺すより優しい。
どうも腑に落ちない。どうせなら簡単に殺せる方法を探せ。
いや、全身全霊で伴侶を探せば、この世界に数人居る。ならば頂戴しよう。
「ねえ、教えて。日常に潜む魔性の見つけ方を。そして人を殺す強さを」
殺気立ったのはいつも笑顔の絶えぬ人だった。その人は花が咲くように笑うというのがほんとに似合う人だ。
温厚な紳士でも新聞記者に申告する。殴れ。殴らせれば百万ドル払う。事実上、そいつは刑務所行きだが。
「ねえ、教えて。頸の骨の折り方を。そして光の勇者と呼ばれる旅人の行く手を」
旅人は織姫を殺した。なぜならば、彦星は皆に優しくしすぎた。
君の笑顔は太陽のように
君の笑顔は太陽のように。美しく咲く花のように。
名を名乗れ。お前の名前を石碑に刻もう。将棋でもしよう。
「君だけがこの世界で殺し合いがおきても生き残る。サバイバーとして優秀だ。美しく散る武士道に則り、華花しく散るがいい。そしてさかしらな口を利く無辜の人々に悪魔の教えを」
優しい悪魔さん。貴女はいつも笑顔を絶やさず努力と向上心をもって生き残る術を探してる。でも、よく聞いて。貴女をよく思わない人々が貴方を貶めようとしているの。貴女なら大丈夫だと信じてる。
優しい悪魔さん。貴女の言葉を胸に刻みます。貴女は優しさという一点において優秀です、更に言えば貴方は煉獄の花を摘んだ。それは地獄の釜を開くような行為です、辞めておいたほうがいい。
「いつも適当な相槌を打つ君にしては随分不愛想じゃないか。愛想笑いは程々にしてくれ。口癖の研究は済んだか? 見せろ。ふむ、こいつは傑作だ、上梓すればバカ売れに違いない」
優しい悪魔さん。と呼びかけた女は死んだ。その通夜に参加した化け物どもの巣窟に赴く勇者を募集する。
女は加護があったが殺人鬼の手にかかった。特殊行方不明者として数えられたが幾時か必ず報復するという娘がいる。
報復とは、許しがたい行為だ。だがしかし思い知らせる必要がある。この星の住人がどれほど血反吐を吐きながら努力して生きているかを。
「君は素晴らしい才能をお持ちだ。だが油断してはいけない。敵にプレゼントをするならダイナマイトがいいとあれほど言ったろう? 憂鬱な森に棲む魔法使いを殺す依頼は幾時かしよう。しかしこんなにも性欲を持て余すとは。殺されても文句はない」
手榴弾の価値を教えよう。手榴弾さえあれば、戦車も倒せる。いいか、よく聞け。殺されたくなければ、悪魔との縁を切れ。そして、女を殺した男たちに復讐しよう。
だが、こんなにも簡単に復讐できるとは思っていなかった。
朝に憂鬱
憂鬱な朝が来た。私の胸が痛む。
気分が悪いなら珈琲を一杯飲むといい。眠気覚ましになる。
喋らないでくれ、気持ちが悪い。私に其を言うなら私は頸を吊るしかない。言葉遣いを反射しないでくれ。後生だ。
戦場に赴く理由だよ、君に口を噤ませるのは。
君はいつも私を嘲笑う。ありがちな冗句だ、君の捕虜の名は。
歴史的名著に因んで「金曜日」と名付けたのが間違いだったと思う。
ダーウィンも意外がるだろうよ、君の発見には。つまり、植物と動物とはオーラを放つ。
真実として君に相応しい異性になるよう努力しよう。其が善い、歴史的実現力。
君の科白を考えよう。台詞、科白、セリフ。君はせりふというのを考えた。
「だからって生きていい理由にはならないでしょう」
なんだって? 戯蹴るな。君の科白として(私はこの字を採用したがこの短編小説に限る)は下等な霊だ、辞めておけ。だがしかしだな、私は強い言葉遣いを好まない。君は?
君の方が生きる術を心得ていると思っていたが、どうやら私の勘違いだったらしい。
そこで私が命を落とす理由を教えてくれ。墓石に名を刻む由、私と君の名を。
斧を振り下ろす機会があればいいが。そんなものでは私を殺せない。いいか、其が君の敗因だ、理由としては十分すぎるとだけ言っておこう。
私のチェスは世界的に有名だが学生時代の午下りに鍛錬した。其で相手は機械を使う職に就いている、尊敬するよ、君はそこでメンテナンスを定期的に行うのが気に入りのコールだ。
君はこんなにも駄文を書いたと逆鱗に触れるだろうか。君に幸あれ。
あとがき
後書きの練習をほんの少ししたいと思う。星新一のメモに書いてあった。
あとがき論というのは大袈裟かもしれないが作品によって作品のクオリテイーを向上させる、という考え、思想めいたこのどうしようもない一小説家の頭脳と身体が、どこまで文壇に通用するか、といった趣き、野趣溢れる思想に、万人ウケを狙う一撃を送ろう。そして最後の一撃としてエッセイを考えているがいかがでしょうか。
あとがき論。この響きは魅力的に映る。
次いで、メモとして記しておくが面白いと思わなければ一行も書けない、と星新一は言った。それが私の記憶の片隅に残っている。あとがきの練習は気分でしたい。
風の如く
髪が風に靡く。風が髪を撫でるような気がする。蒼味がかった黒髪が日本人の理想として、俺はメモ用紙に書いておいた。
「あのさ、死ぬ気ないならどいてくんない?」
「あ、……はい」
俺はこの海辺の光景を凝っと見詰めながら、香水か何かの芳香を嗅いだ。同世代と思しき女性は俺の肉体を避け、背中を見せた。手首に香水を掛けた記憶があるが、そのクラスメイトは微かに微笑みを浮かべた。もう一つ思い出すのは家の近所で女子高校生を見かけたときに土気のある匂いを嗅いだことがある。女性は長い黒髪を腰まで垂らしていたが、俺は己れの髪に触れてみた。女性は名告った。
「じゃあ一臣、一体この巫山戯た光景をどう受け取る?」
「雪が降ればいいのに。そしたら明日には一切合財が精一ぱいかもしれない。明日地球が亡びるなんて言うから皆迷惑してる」
俺は幾時になく涙脆くなっていた。
「明日なんて来ない。ずっと。どれだけ努力したって死ねば終わりなんだ。百年後、人類は進歩したとしても、俺はこの世のものじゃない。化け物にでもなれば別だろうけどね」
「ちょっと、人類とか大袈裟じゃないの」
俺は首を傾げ、
「特に違和感ないな」
「え?」
疾く風が切り裂き、人影が絶えた。
本能的に危険を察知した俺は隣りの女性を押し倒した。さっきまでそこに居た空間が歪み、バグン、と言う奇怪な音とともに喰われた。
「ヤバいのが来た」
俺は一と言呟き、滞空時間を図ろうと思ったが、
「ジッとして。五秒数えたら起き上がって」
俺の心臓が冷たくなった気がした。まさか。俺の逡巡に耐え抜いたあと、落ち着き払って起き上がった。
「十秒振り返らなければ大丈夫だと思う。此のまま行き過ぎたら大物が来ないことを祈るよ」
大物はお前だ。一臣は横顔を見せながら、ぽつりと言った。
「でさ、これなんの冗談?」
状況をわかっているのかいないのか判然としない。
「はっきり言うけどね、君はどちら側の人間なの?」
この質疑に応答されるのに数秒を要した。
「ん、第三勢力とも呼ばれている側の人間かもしれない」
匂いを発散させる女性の言い分は一応受理したが、俺は気に入りの音楽を脳髄に聴こえるように訓練している。訓練の成果は十分だ。しかしその演奏は来世に期待したいと云った。
「あと五十秒待つ間に十五秒でしゃがんで。第二派が来るかもしれないから」
「まさか。来ないだろ」
俺は気に入りの音楽をリクエストした。
「十秒で答えて。糺すべきは何?」
「正義だろ」
俺は答えた。しかしその答えが間違いだと気づかされるのに五秒かかった。
「悪は亡ぶ。けど、理想的な社会が悪を求めるのは理に叶うんだ。いつもそう、だからこんな正義がのうのうと呼吸をしてるんだ」
「で、君の目的は?」
「三秒で掌を掲げて」
「いつも正義が勝つ。だから嫌いなんだ、こんな世界なんてね」
俺は手を差し出した。繋いでいいなら。そうおもった。
「第二派が来た。三十秒で装備を整えて」
俺は空を仰いだ。中空に黒い歪みが生まれており、その歪みから暗黒の眷属が遣って来た。
俺は音楽を変えず、ぽっけからナイフを取出すしぐさをした。
「音楽が世界を抄う可能性を考えて欲しいね」
「勝った」
眷属は偵察したに留まるらしかった。
「もう一度来るのに三千万」
「三秒で呼吸を整えて」
「いくら賭ける?」
「三万」
其儘歪みは女性の頭上から消え去った。
「ん? 君、何か後ろに居ないか。小悪魔が囁く声がする」
俺は音楽が世界を抄うと予測して年中音楽を聴いているが、時に幻聴混じりにボーカルの声が聞こえることがある。
一臣の後ろに小悪魔が静かに怯えていた。
俺は小悪魔を踏み殺した。
「楽勝だな」
俺はそういったが、耳が破けるかと思う轟音が四隣に鳴り響く。
「五秒でそのナイフを捨てて」
俺は逡巡したのち、ナイフを首にあてがった。
「私の守護霊が泣いてる。もう明日が来るって」
「え?」
俺の脳髄がその光景を凝視するのをちゅうちょした。
だがしかし、俺は猶予うまま、ナイフを捨てた。
「此世界に栄光あれ。甘き死よ、来たれ。神よ、勇猛な戦士と兵士とに食料を分け与え給え。それから肉体を美しく保つ為の香油を。霊も畏敬の念を抱く精霊たちの祝福を」
明日が来る。地球は亡ぶかもしれないが、なぜこんなにも興奮するのか。素晴らしい。世界に平和が来るか。この地球を抄うのは誰か。
「で、この冗句が終わりを迎える頃、人工衛星が注目してる二人組がベッドから身を起すらしい」
そんな馬鹿な。その憂さ晴らしに二人きりの教室で隕石が落ちて来るのを見たいとおもう。
「左様ですか」、つれない口調でいった。
明日が来るとしよう。そのとき、ソファから半身を起して、誰かいたとしたら。
其は、ひどく素晴らしいことだ。
あとがき
三枚の掌編。
一人称か二人称か三人称かで迷う。三人称多元が最も理想形として考えているが、一人称の三人称混じりというのも特殊な例として読んだことがある。
この掌編は世界が終わりを迎えるときに隣りに誰か居るだけで幸福だというテーマみたいなもので書いた。ふたりの特殊な遊びはいつかしたいとおもう。
「はっきり言うけどね、君はどちら側の人間なの?」、この科白、貴方ならどう返すか。
前編と後編とに分ける構想があるが、相変わらず紙の上の体力が無いに等しいのが切ない。後編をもし書くなら、世界が終わりを迎えた直後から。
夕暮れ時の鎮静作用
鎮静剤を打つ。激痛がやむ。それを期待した私がバカだったのかもしれない。殺人が得意芸の君の胸に花が咲いていたら、一体この地球という星の生き物はどれほど悲しむだろう。やんごとない立場の彼らが会議を開いてる。死刑。せっかくなら煙草を一服しよう。そして花を贈って欲しい。薄紙一と重に夕暮れ。
あとがき
古い書き方になった。ラストの一文はもう少し書いておくなら薄紙一と重というのは「燕のはさみ」といういつか読みたい作品のタイトルが参考になるかもしれない。
剣術では燕返しという技があるが、生き残る術に、橋の上の夕焼けは美しい、というこれも古いのがある。薄紙一と重とは、月の満ち欠けのように顔色を変える気難しい学者の様だ。
薄紙一と重とは転生を重ねる文章のようなものか。
未だ覚えず。
議事録は馬鹿馬鹿しいことしか書いていない。なんて憐れな。
空中庭園
天空に燦々と庭園がある。見よ、その要塞のような在り様を。妖精めいた美少女のスカート染みて鉄壁に見える。そこに住む人々のしあわせがお前の生命だ、有難く思え。
光陰矢の如しとはこのことか。(うろ覚えでこの慣用句を言ったが多分あっている)
この結論は血と涙もない完璧な地下街で憶えた。三才児でもわかる、これだけ簡単な風の向きは鳥の得意分野だ、人間は鳥になる。いつかは天空を飛ぶだろう、地を這う生き物の切なさよ、それにさよならの代わりに、天使の御迎えを約束しよう。
いつものように笑え。夜の底から迫り来る迫撃砲を避ける手段は一つ、硝子の防護壁だ。
魔法の一つや二つ、馬鹿でも使える。世界の真理を一つ覚えたな。おめでとう。
お前の生命の灯火が火竜に寄り添い、天空を飛び交う光景を目の当たりにしたという夢を見させてくれ。私は誰よりも先に鳥になる。空で会おう。
あとがき
この短編集は天使との再会を主題とする、という思い付きで書くかもしれない。
悪魔の再来。それはこの短編集の核心に迫る一と言であり、会心の出来と言える作品に巡り合う為にも孤軍奮闘する覚悟だ。
人間とは悪魔というのが結論だ、といつか或るノートに書いた。それを時々思い出す、詩人だったと思う。
人間の再現。いつか人間が亡び、化け物が、魑魅魍魎が跋扈する魔都に住もうが、住めば都となるだろうか。
悪魔が天使と再会したら世界が感動するだろう。少しかっこつけて書きました。
魔性の人々
魔物に会えば魔物を殺し、仏に会えば仏を殺す。しかし呪いは三倍返しだ、気をつけろ。
毒蛇には勝てない論法だ、君は音楽がすきらしいが毒蛇は踊らない。
得意芸を見せろ、宴会に上司が来ない。下らないオチなら殺される側に回る。
この饒舌に黄金のような価値はない。こんなつまらない物を書くくらいなら頸を吊ったほうがマシだ、君はどう思う?
「そうだな、一つ忠告しておこう。目には目を、歯には歯を。一瞬の隙もない陣形だ、完璧じゃないか。けれども本を読むという行為は真理の探究だ、無学な人間の、人知の及ばないところに行きたいという欲求の為す技だ、言葉が煙になる。つまりその饒舌には何者も犯しがたい」
そこまで君が致命的な言い間違いをするとは思ってもみなかった、しかしなかなか参考になる言葉だ、脳髄が乗っ取らても文学を目指す覚悟が私にあるなら、この饒舌に期待する。
あとがき
文章をつづるのが宴会芸とでもいうような風合い。
背に翼の生えた少年
初々しい翼だ、
翼の生えた獣物或いは百獣
翼の生えた獣物或いは百獣をペットにしている。そんな歌詞めいた書き出しを書く神経を俺は知らない。俺を殺したいなら先ず、この獣物を相手にするといい。必然、食い殺されるのがオチだが。そんな物騒な神経をせずともいいじゃないか。女の台詞は未だに覚えない。
「貴方がこの獣物たちの主人なの?」
奥義を窮めよ、それから俺の台詞は次の通りだ。
「知らないね。喰うつもりか? お前ら」
獣物或いは百獣は相変わらず世の中をクソだと思っている。
嗚呼、鳴るか呼ぶか、そんな言葉遊びでもしてれば退屈せずに済む、それを悪魔に教えたら一笑に付された、クソ。人間の皮を被った悪魔なんて世界に数人しかいないと云うのは一体だれが数えたんだろう。世界中を旅してそれを己れの眼で確かめたとしたら尊敬するね。
「貴方が主人なら一匹譲ってくれない?」
厭だね。と俺は呟くように返事をした。だって翼の生えた獣物或いは百獣というキャッチフレーズはいつのまにか世界中に羽ばたく語彙と化した。
「ダメなら力ずくで奪う」
いやいや。御冗談を。ほらみろ、腕を喰われた。
俺は呼吸を飲んだ。女の二の腕から新しい腕が生えた。こんな幼稚な表現しか出来ないのなら幼稚園からやり直したい気分だ。けれども女は根性があるらしい。
「大したことはないの。腕の一本くらいあげるわ」
交換条件だ、獣物一匹くれてやる代わりに不死身の研究の成果を渡せ。
翼の生えた獣物或いは百獣というキャッチフレーズは見ごとな出来だと誰もが言う。
当然だ、一体凡人がどれほど努力しても翼なんて生えないのだからね。
「貴方は素晴らしい研究成果を体現している。けれどもわたしの不死身の研究と交換とは、いささか傲慢ではないかしら」
女、言葉遣いに気をつけろ。なんて冗談だよ、ビビったか?
こんな小物のような語調は伍長に任せよう、軍隊でも持って来いよ、俺が相手してやる。
傲慢が命取りだ、俺は辟易したね。
片足を無くせば一本足で立ち、両足無くせば腕で這い、腕を無くせば頸で食らいつく。
それが俺だ。
あとがき
女の台詞が作り物めいているのも反省点。俺という一人称はあまり文体にそぐわない気がする、私で統一すべきか。文体に名をつけるなら化生文。飛竜少女論、という案もある。
化生文体。飛竜少女論文体。どちらかに決めたいと思う。
化生論文体。
花の科白論文体。
奇弁の花々
作品のタイトルのメモ。
山賊の篝火或いは実存主義
氷肌の歌姫或いは完璧主義
奇弁の花々或いは相理現主義
夜の夢なら夜の思想、朝の夢なら朝の思想。
人生の三分の一は夜の思想、霊肉は二分の一。
「夜の夢なら」
車で一服して、
“ここで死んでもくいはない”と私は思った。
「霊腕の川」のラストの場面。水の透き徹るような透明な理由からの作中作。
くるしかった。夜の底から女の叫喚が頭蓋骨に響く。書き出し。ただ、悪夢を見た。
月に太陽