結婚式

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二人で手を合わせてチャペルの階段を登り青空に突き抜ける、異次元の白鳥が旅立つ奇蹟の出発。
生命を原子にまで縮小し、内面に軽やかな白鳥の羽根が、弾力性で究極にジャンプをする。
この世が真っ白に旅立つ、白い生命原子のエネルギーレベルが無限に躍動するリズム。
天体の太陽が照りそそぎ、二人の顔を明るくし希望の感情がうずまく。
海を前にして手をつなぎ、ぎゅっと肉体をふわっと空中へと飛ばす。
リズミカルな粒子の回転が、快感と共に手をすり抜けていく。
太陽が私達の心を躍らせダンスする、浮遊性の彼方遠くにマリアがいて浮遊した。
手の平で青空に浮かぶ雲を動かす、生命が踊り戯れる上昇気流。
風が全ての人生を洗い直す、生命の機構は想像を超えた色彩を描いた。
魂の水を泳ぐ優雅な天女は無重力のふわふわ。
水を浮き上がらせ天女が月へと飛翔し、衣がひらひらと揺れる昇天。
回転性の中で意識の超越が熱いフォトンとなって炎を上げた。
柔軟性に富んだ造型美のドレスが隠れて、そっと細長く白い手だけが、カーテンからでている。
晴天の中で、父親が女性の肩を押して真っ白なチャペルの中へと歩みださせた。
世界創造主が、天へと突き抜ける快感の中に、意識の中枢で母の子宮が大きくなった。
限り無い快の情景で満たす、得体の知れない魔法使いのエンターティナーっぷり。
あなたは心の躍動で雲を華麗に浮遊させた。そして天使の羽根をはためかせて飛んでいく。
青空に飛ぶ天使の笑顔に純情な生命史が一新された。
男と女の人生は青空に浮かんで、七色に輝く虹が現れ、生命神秘の中心に創造主がいた。
輝く微睡みの中に浮き上がる女の御姿。ウェディングドレスが流れて羽根が起き上がる。
あなたが輝く赤ちゃんになって産声を上げた。その産声で青空の雲が流れていく。
その昔母は雪が降りしきる小屋の中で、私を産んだのです。
形式の美学が、星を十字にきる光の中枢の中に、男女はチャペルの上空の雲となって浮遊していく。
ふわふわになったあなたを清冽な光が優しく見守り、天使のドレスで、全身は母胎へと還る。
人生が一番星になって輝く天と地の幸福の中で、全ての筋書きが見えています。
夜明けの光で照らされ微睡む海の静けさに、天が開け、一つの真理を授けた。
人生の希望の光が見える手先に全てが産まれる生命の鼓動。
人生で経験した光に奇蹟が起こった。
心臓の鼓動が、男女の結婚の誓いとなり、青空から雨の雫が男女に降り注いだ。
天使が幸福に飛翔する。青空のチャペルで泣いて男女がこれまでの人生を振り返った。
夜明けの雫が滴り、その一つの涙の中に青い海が作られ、母の姿を重ねた。

あなたを産んだ母が海のさざ波に溶けていった。
あなたが産まれる時に母は一体何を思うのでしょう。
あなたの生まれた人生は幸せでした。
こんな人生で幸せでしたと今ならそう思える。

結婚式

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-06-07

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