フェラーリ
フェラーリにエンジンを点火させたのは誰なのでしょう。
この世の炸裂を促した思想の持ち主は、宇宙の隅々まで光を届けるのです。
宇宙を微かな輝度で明るくしたのは誰なのでしょう。
宇宙の中に有人飛行機がぽつんと浮かぶ。オネアミスの翼で全天空へと飛翔するこの時が、人生で一番の待望の時間。
フェラーリエンジンが人類史上初めて点火しようとしている、初夜の遠い彼方の聖なる日に、炎がぼっと浮かび上がる。
宇宙の時空の悠々たるさざ波を泳ぐフェラーリの疾走。
宇宙に流れる星々は真紅のフェラーリのあまりにもの美しさに酔い知れる、あなたは人生始まって以来の才能。
才能が迸る手の動きで、超絶技術を発揮するエンジン伝説がけたたましい音響を炸裂させる。
馬力を無限に位相的な逸脱をして箍が外れた創造主への挑戦状。
この世界の突発したシリンダーヘッドを激しく叩く炎の炸裂ピストン。
さあ、宇宙を燃え上がらせろ。
無限に響き渡るエンジンの炸裂の咆える気筒に、全身が震え上がる全面真っ赤な発射。
宇宙を激しく燃焼させたエンジンのピストン運動に、動力を磨き改めて密度を増幅していく。
宇宙の中枢密度の中に炎の凝縮があり、命の伝導率を高め、誰も想像もできなかったフェラーリの機動性能を実現していく。
この世で無敵の存在になった傑物エンジンの尖行的全身エネルギー。
フェラーリが本気で燃え上がり、この聖なる丘の上で救世主が誕生した。
石に囲まれた部屋の内部で、フェラーリの精緻なパーツが組み合わされ、とてつもない手法と技術で、職人が手工芸品の究極の融合を行う。
キリストが十字架に架けられた丘で、聖なる精霊のパワーが宿るフェラーリが、微かに揺らめき浮かんでいる不可思議な重力。
重力の中に真の浮遊性を獲得し、回転する銀河の中枢で、ハンドルが救世主の手によって回された。
宇宙の闇に真剣な佇まいのフェラーリが、嘆きの丘を昇り続けひたむきな救いへの情熱に、救世主がふふっと微笑した。
人間の奥深い情念のゆりの花びらが満開で、車体性能を大上段に飛翔させ地を離れて昇天する。
真っ白に目映く輝く御姿に見とれた群衆。
フェラーリというこの世の車では無くなった逸次元の詩人。
3つの十字架に架けられたフェラーリは神様にみそめられた証しを、青空に手で指し伸べる。
生命存在はフェラーリを手にしたい欲求に駆られる。
パワーが満ちたりた芸術の極致のシリンダーは、とてつもないエネルギーのピストンを弾き出す。
神様の手で丹念に丁寧に作り上げられていくパーツとパーツは切り取られ、その計り知れない御手で組み合わされていく。
発進するスムーズな動力性能の完全なシンメトリー。
人間の中で一番美しい神様に愛されたアルペジオで疾走する、闇の中で一筋に光る赤いフェラーリ。
疾走で全ての人生の受難を救う、色彩の組成式の芸術。
深層のマリアは青い地から天空へと十字に両手を広げ捧げた、宇宙の流麗な乗り物。
この疾走の中に一筋の光の癒やしのパトスが乗り移り、人としての本能を目覚めさせる。
宇宙に向けてぱあーっと手を広げる広大な真理の車体が、星一杯の彼方の道を明るく示している。
宇宙の乗り物は悟りの安らぎで、時空を超えた凄絶なスピードでワープしている。
長い年月を掛けたメロディーで溶けていくワインの雫に、さめざめと涙を流すのです。
人間は生まれて来てしまったのです。
この生まれてきた時代でフェラーリに乗って宇宙遊泳し、さざ波に乗ってどこまでも流れて行く。
フェラーリを語る時、宇宙になっていく。心霊のオーラに、脈々とエンジンの爆発が有頂天に響き渡る。
世界の機構が調和していくエンジン性能に、一筋の心が誠しなやかに天昇していく。
美しめられた心象風景の姫君フェラーリの凄すぎる走りの華麗さに、ふわっとファンタジスタになった。
とてつもない走りの精密な時計師に秘められた技術で、夜明けの太陽は昇っていく、静寂に嘆きの神の子の降誕があった。
降誕のフェラーリは人類を救う為に、楽園の丘の十字架へ向けて疾走している。
さあ、キリストの十字架の昇天日に間に合う、時計は人類の復活に向けて進んでいく。
キリストが神様に向けてお祈りをしているそのミサで、真紅のフェラーリが丘を走り抜けていく。
宇宙で最も凝縮した時間が流れていく。
この歴史的な日に、キリストが十字架からフェラーリが来るのを待ち受けている。
フェラーリ