バーカウンター
バーカウンターに座り、一人ワインセラーの美しき選ばれたワインの表情を見つめ、創造主の感覚器の絶妙な表情に酔い知れるのです。
人間の表情が刻々と変化するように、ワインの色彩も日に照らされ明滅を繰り返し、マグマの熱気を放射する。
情熱の全てのリソースを一つのワインを作る為だけに全知識を凝縮する時、色合いがまろやかに一人でに軽やかに歩き始めた。
人間を愛さずにはいられない乙女の幻に、静かに一人窓から宇宙が新しく生まれ変わり脱皮する御姿を見つめる時、ワインは声を出して唸った。
ワインは嬉しくて雄叫びをあげて、男と女の嬉しさにときめき生きて死んで、輪廻のめまぐるしい生命の血の騒ぎで、今生最も燃える事になるのです。
燃える為には裸になり一線を越える激情のひたむきさで、ワインの中枢部に本能のスイッチを押させるつぼがある事を理解した。
小細工の芸を究めた宇宙の縮図に、ワインのエキスが遺伝子の道筋に一筋の光を与えた。
ワインの機能と機構の仕組みで、人生の的へ決死体の決意を持って突っ走る時、本能の中の湖面に革命の色気を与え始めた。
全ての血液を手に取り飲み干す時、人生の色彩が変化する。
美しき色彩に囲まれて生活したい人間は、多量の血液のカタログが必要でした。そしてじっと座ってワインを見つめ誘惑するのが好きなのです。
ワインの中でワインの本能が立派に一人立ちしている。
カウンターのステンドグラスには日が射しこみ、夜明けの海の懐かしき香りがたちこめ、全面の水平線が青色に染まる。
ワインを口に含むと、太陽が一直線の現代アートで十字架の救いへと、鞭に打たれて楽になっていく。
スコアの繰り返し記号は省いていいのです。
夜空には満天の星々がワインの一点へと光を凝縮し、人生苦難の道に光の出口を見つけ出した。
天地の間にバーカウンターの特等席を設けて、全方位の宇宙を見渡せる天ノ川銀河。
最も良かった席、一番かっこよくワインが飲める、カウンターでの宗教力学の絶頂。
神様が愛したワインは一体誰が作り、水の組成式をいじくり転がす分子結合のマジックを起こすのか。
そのカウンターに座った人間は神様になれる奇蹟の行いで、食卓が光に溢れるのを私は見聞きして知っている。
一つのワイン分子が二つのワイン分子へと変化する、自然の分裂の破片に、合体と生成の諸行無常の有機物で、一つの聖書を完成させた。
あなたのリソースを、一人の巫女に雫を飲ませる作業で、宇宙全体を傾かせたのか。
人間になる為の情念で、ワインは華々しく散る事を許され、グラス内部が真の浮遊で挑戦する時、マリアは生まれて初めて微笑したのです。
ワインは己を自発的に克己し、新しい観念の中で最も美しき花を咲かせた。
恋をするのには時期が尚早ではありません。
歴史に残る銘柄とは、人に愛されてきた価値が、力学的エネルギーの最高点で傑物化しているのです。
ワインの創世記からの全リソースが、水模様となりおたまじゃくしが泳いでいます。
品格が、人の世の評価で全凝縮した救世主のワインを、あなたが飲むのです。
神様が宇宙を大きく動かしています。
宇宙の夜明けに一つのワインが昇天していく晴れ上がった朝に、キリストが私にワインをついだ。
それを飲み干すと私の肉体は完全体として復活したのです。
人間を復活させた救世主の一言で、ワインが踊り遊び宇宙の戸が開きました。
宇宙の現状を報告する一人の観察者が、既存のイメージを完全にくつがえし、翼を羽ばたかせ成長し、私を広大深遠な宇宙の時間に還元する。
ワインよ、我と全世界に祝福あれ。
傑物の宿命を一人申し子のように啓示し、バーカウンターは神様の組長の座となった。
この度天が北極星を中心にして回転し始めました。
遠くにワインを創造した人類最初のお方が、バーカウンターでのマスターをじっと見つめるのです。
生命の伝道師が神掛かる才覚の中で、一人でにアルコールがまわり始める。
宇宙の夜明けをバーカウンターで観察する男の劇場は、本能で凄まじく立ち上がる。
この世はバーで全ての事象が初まっていく事を心地良く思い、あの方の創造に乾杯する。
バーカウンター