ワイン
見知らぬ時の幾億年も昔から積み重ねられた、酒のバッカスの人生教訓で時代を語る、メシアの秘められし言葉。
あなたはバーカウンターで一体何を語り掛け、深夜中の闇の微睡みに深く潜り行き、意味が不可解な人間に成りました。
暴挙にでるワインセラーの色とりどりの歴史的書物の中で、お経を朗々と唱えるお坊さん。
色彩が黒から輝度を高めて赤く色気を持ち始め、生命の水を飲み干す時、人生のひとときが源へと遡る。
宇宙で生前葬の蓮の開花で、交響曲は謎めいた調べを一音一音丁寧に遊び戯れて指揮をする。
バーカウンターのマスターが私を意味深な微熱で遠く彼方の銀河を見つめた。
マスターは優雅にマーラー第2番でのアルトの囁やきで、ふわっとワインにとろけさせていく。
あなたこそが確信犯なのです。
ワインは温度を確かに熟し発酵するのに気を利かして、救世主の血へと化学変化するのをじっと待つのです。
全経験に基づく独自の思想を特殊な色彩でまとめ上げる、人格のか細い色気が、ワインに熟してまろやかな夜の救世主の光を演出する。
バーカウンターに精霊のオーラが舞い始め、力学が一つの的へと向かい始め、人類は初めての経験を語り、微熱でもんもんと迸る欲望。
宇宙の景観の中で、一筋のワインの筋道が頂上ヘ向けて回り道をして、お遍路参りをしている。
周りには目映い星の光で洗心され、命の磨き抜かれた蒸留水が一滴づつ、洗練の極地の淡い夢見心地で一つだけ愛の詩を歌います。
世界を変えたければ、夢を語り酔ってまだ知らない知識を現しなさい、さあ実践する時が来たのです。
ワインよ、肉体の知識を蘇生する細胞パルスは信号を発し、狂信的な暴挙をさせてください。
生命を伝導化させたトリプル三位一体の教化に、ワインのエキスが三角形で形態化し、キリストがあなたを指示して、さあ、語りなさい。
継続して語り続け、夢の中にキリストの生命が、マグマのように熱く血潮を飛ばす時、時代はあなたが最先端になるのです。
さあ、今までやりたくてやれなかった事を今まさに始めなさい。
バーカウンターが今までの人生の業を全て洗い流し、人間回帰の中で、心は微睡み耽り見つめ直し、全く新しい音楽を聞くのです。
人間は全く新しい細胞のスイッチに、ワインが波打ち際に寄せて、深き神の手の中に転がっていく。
努力の結晶の汗に沈んで、苦労の経過をじっと見つめるのが好きです。
この赤い血潮のしぶきが自己投影し、ひたむきな人間の暖かさをじんと響かせる生命の音楽。
ワインは母親の故郷に微睡み素直に弛み続けるドラマで、肉体はワインに浸され、想像上のマリアをぽつんと浮かべる。
浮かべた先に人間が拠り処にした、大事な美しき獣に魂を魅了され、じっと天を見つめて掴もうとする
マスターが獣をてなづけようと、可愛らしくあどけない野心を抱き、天地は微かによろめいた。
この美しき動物がワインにより熟成されて輝度を増し、生命の微生物が意思を持ち美味しくする。
生きている細胞よ、私のバーカウンターのユニバースに歩み寄り化学結合し、高々と鳴り響くファンファーレで、人はしばし高くレベルを頭脳体制化する。
あなたはワインが原始的に鳴り響くメロディーを知っていた。
メシアの二度寝に、添い寝した甘ったれた寝所。人間をワインの寝所に案内し、大きく爆発した意思で、脳は宇宙のカオスで鳴り響く人間の原始リズム。
人間はワインの努力と時間が作り上げた傑作に、意の想うままに独りでこだわり、夜明けのワインが波打つ静寂さで、バーカウンターにはさっと光が射したのです。
バーが色めき立って無限の発音を提示した。
生命のボキャブラリーで生きる、アマゾンの森羅万象の変化作用で化学反応を提供し、ものの見事な大木に可憐な花を咲かせたのです。
生命が熟したメランコリーの中に埋められた、一輪のぶどうの情感に滴る連絡経路の出口。
この世を創造した御方がワインの味を教える聖なる日が来たのです。
選ばれたワインの一滴のロマンで、全人生が光の芸術の啓示で生まれ変わるのに、一時間はかからない。
宇宙のタペストリーに、生命の密度を凝縮させたワインが初めて人類に指し出された、人間味溢れる失敗した人生の数々に乾杯。
あなたに祝いの言葉を授け全ての記憶が報われる、その一滴のワインに邂逅する救いのたまて箱。
生命の結実のバッカスよ。我に祝福あれ。
人類に祝福あれ。来たれ。宇宙。宇宙に浮き始めたワインのエキスよ。幸せです。
ワイン