洞窟の壁画

洞窟の壁画

洞窟の中を歩いて、この世の闇の音響を聞いた。この世には一体どのような隠れた音の波が渦巻いているのかを思想する。
暗闇の中は一つの音響的な静寂に静まり、冥土のオリエンタルな交響楽が響き、こだまする人生の聴覚は初めて宇宙を知った。
人間の心の安息日に、魂の存在が静かに語り掛けて、自身の光明についての生命の脈動を知る事になるのです。
宇宙の源にある共通の言葉の最深部に灯りを付けて、人の暖かさを知った、そっとご本尊を拝む。
こんな事で人間は闇に灯る一筋の光の所在に、例えようも無い安心を抱く。
宇宙の全てがこの光にエッセンスされていた、どこまでも続く生命。
この暗闇を孤独に歩いて行き漂う冥界のレクイエムに、肌の音触が生命のリズムを刻み、本能は研ぎ澄まされて、一つ一つの傑作の美術に、可憐な模様の鳥が飛び出した。
あの世の鳥が私に泣き声をあげて事実無根で生命化した。その羽毛で宇宙の星々のとげとげした表面の大地が、撫でられて整地された。
癒やしの生命の鼓動で、一つ一つ生きてきた歴史の音楽を奏でる。
鳥は美術から飛び出し、私の周りを極彩色の輝きで飛翔し救いのモチーフで、原音再生する。
申し子は言葉を一つ一つ作り、宙に浮かばせ生命の原始鼓動を刻む、人生最上の時にぱっと明かりが我を照らした。
宇宙の中での孤独の脈動に、ラスコー画のような、人間と動植物の生き生きとした本能の意識に革命を写しだす。
私は生きて人生で一人、美術の崇高な天へと続く梯子を登る特権を与えられた。
この美しいきらきらとした眺めを視覚する喜びで、そっと聖がい布を掛けた。
洞窟はどこまでも続く道で、神秘の美術通路を巡りながら、よりどりの躍動した生命の全体像をひしひしと体で感じた。
生命は今生まれたばかりのお釈迦様になった。
暗い世界の孤高で自問自答する。
かさかさとお地蔵さんが真っ直ぐに歩いて行く修行の道。
私の中の過去の感応が、人生のモティーフとして変容され、遺伝子の究極の完成形へと、人間の意識はもう一つ大上段にレベルを上げました。
全てがぱっと明るくなり、洞窟に生命の讃歌の光が灯されて、全ての壁画の全体像が出現した。
新約聖書のあらすじと、仏教のあらすじのストーリーが描かれた美術傑作が、宇宙に一つの音を奏でて、洞窟の奥へと続き全身は色めき立った。
シナリオが奥へと深遠に続いていく、堂々としたパノラマ的荘厳な人物奇蹟の真実に、時空は我に勉強する事の大事さを教えた。
その奥には神殿があり、祭壇で救世主の誕生を預言し、受難の時に救いの御言葉で、この上ない大劇場の主人公になって、私の生命はたった今昇天する。
一人の人間にはドラマが巡り、人生の言葉の歴史を紙媒体に筆記するその手の美しい形状に感動する。
祭壇の神父は人間一人一人の生きた苦労の歴史の未来に、全凝縮した言葉の系譜があり、一つの青空で、我の未来に救いの光を指し出したのです。
新約聖書と仏教の歴史の万年を生きた、地球の人間の思想史がパノラマで浮き始める、堂々とした洞窟の先へと、誰も見た事のない歴史の御姿が、これから現れる予感に興奮する。
地球の全ての歴史の登場人物は、とてつもない体験をして苦労してもがいて生きて、一つの書物の洞窟美術として描きだした。私にこの傑物の所存を見せつける全人類の生命の集大成。
祭壇の神々は全人類の生き様に感謝する。さあ、あなたも見習いなさい。
その祭壇の頭上に、青空が姿を現わして祝福する、天地での幸いなる喜び。
宇宙の御姿が現れ、人類の生命の結露を祝福した。生命はこの世で賛美歌を謳歌される、全体は一つに、この生まれたままの私に集約されていく。
人を真似て学ぶ姿勢により救世主像が見えてくる。
さあ、洞窟を見上げると青空が見えています。
さあ、飛ぶ時が来ました。
私はそして青空に向けて飛び立ち、この人生を初めからやり直す時が来たのです。

洞窟の壁画

洞窟の壁画

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-06-06

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