天使が生まれようとしている

天使が生まれようとしている

だったら天使が生まれようとしているのが、あなたにはわかりますか。あなたは天使になりたかったに違いない。
あと一つで、やっと天使になれるのです。
羽根が美しい白色のなめらかな曲線で、爽やかにはためかす、宇宙は広がる、今なら想像上最も美しい指先で羽根のラインをなぞる快感。
快感は頭の中ですっきりと一直線で、想像上の夢のマリアを地上に浮かせてみる。
神の視座に立つと、全人類の苦悩が手に取るようにわかる。今なら人類の病気の苦労がわかります。
私も病気になって初めて気持ちがわかり、そっと天使に祈る、この全人類の苦悩を全て取り去ってください。
私に救いをもたらせてください。
浜辺に座って、そっと横の天使の手を握り、その暖かさにほんのり愛とは何なのかを知るのです。
天使になってしまったあなたと、またこうして手をつなげる嬉しさをどう形容すればいいの。
天使はそっと私に海の青さって、本当に美しいさざ波のはるか彼方に、この世の俗時をそっと高く放り投げて、私の全てを忘れるために。
さざ波が足を濡らすその時の柔らかさに、人間は生まれ変わり脱皮する新生物。
祈りは無限大になり心身を優しく濡らす、その初体験の水の嬉々とした想いに、人生は死んでもいいわ。
母は私に語ってくれた、この世で何の為に生きているのか。
全人生を懸けて一つの主題を解決しなさい。
ああ、何だか海の水を両手ですくって飲んでみる。
とてもしょっぱくて塩が私に活気を与え、天使は私の頭上の周りを飛び虹を降らす七色の目映い美しき世界に、じっくり自問自答し生きている実感で、人は夢物語での青春の銀河回転の真っ只中にいた。
運動する星々の物質の粒を、手の平の水に浮かべている。
最初の星の粒が美しい七色に輝き、ふんわりと手の平の水に沈んでいく。
手の平に生きている、星の生まれたばかりの物質が、ふと人生で一番エレガントな感触に、ふわっと微かに動いている。
不思議なものなのねと、天使も一緒になってのぞき、ときめく青春。
私の青春時代は今還ってきて、心の中に星が生きる情熱で生きている。
そんな生まれたばかりの星がだんだん大きくなって成長していく、未だかつて感覚した事のない皮膚の体外受精。
人間の手の中で栄養を与えられて、この世になかった本当の生まれたままの姿があった。
生きている事を全く感じない生命誕生の初期状態。
ざわめく心の希望に誕生の讃歌で見違える程に美しくなった星が、大きく立派に成長して浮き始めた不可思議な浮遊体。
煌めく人生で初めての傑作の凝縮物に限りない期待をこめて、ありったけの気持ちをこめて念じる。
天使は星の周りをもの凄い速さで回転した。
天使をこれからもっともっと高く飛ばすのです。
天使は生きている。
まさしく生まれたばかりの初めての「オーラ」をだす時、大自然は微かにふるえた。
天使があまりの嬉しさに感動して泣いている。
大自然の中に一人ぽつんと立ち、全人生を回想する時、ふと力が抜けて脱身した。
天空に向けて天使が昇っていくのを、ふと静寂に周りが感謝で満ち溢れ、全人類が待ち望んだ最も救われる時が来た。
こんなに長く私は待ち望んできました。
人は生まれてきてこの産声を聞いている。
天使が天空へと昇り、そこには生まれたばかりの私がいました。
かわいらしい幼児は天使に抱きついて、ふんわり楽しそうに遊んでいます。
その力で一人の人間を生みだした。
天使は一から二つへと増えていきます。
私と無限の天使達は、この地上を無限の光で輝かす原始生命の一つの産声。
地球の人々の罪が取り除かれたのです。

天使が生まれようとしている

天使が生まれようとしている

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-06-06

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