ワイン

ワイン

人間の来た道は何処から来て何処へ行くのでしょう。
宇宙の静けさの中にブランデーのグラスが浮かんでいます。
オシャレなワインバーがあり、特等席から宇宙の全貌を眺める快感。
人間が積み上げた歴史の想いの数々が、純情なワインレッドとなって、創造主の水面でスパークする。
人間の形状ができあがる、まろやかな生命の熱い雫が滴る本当の感応に、皮膚がふわっとヒラエルギーとなる。
期待に溢れるワインの熱いパッションを見つめる。その美しい瞳が、創世記のキリストになった。
ワインが人間の苦難の歴史を見つめて、砂漠に全く新しい芽がめばえ、生命の意思を教えた。
世界の乾いた大地に赤い水が注がれる。救世主の幻影が青い海に注がれ爆きがあがる。
情が漂よう赤い海に、船がロマンで漂流し性格が舞い降りる原酒の到達点。
期する者よ、ワインを飲み救世主の血の無限のさざ波が立つ。
エネルギーが宇宙から我が身に降り注ぐ。
赤き情熱で水が滲み出す想いで一点集中した、この高純度な分子が飛びまわる天使。
天使の囁やきが宇宙の分子の振動になり、幸せのオーラを作り初めて、マリアの手で転がされている。
ワインの赤から濃縮した、核分裂の乙女の新世界へ変象し脱皮した、救いの水分子で微睡むグラス。
グラスを傾けながら、生命の水面に漂よう精霊を心の内面に沈め、森羅万象の外界へと迎える。
世界を形作るワインレッドの煌めきが謎めいて、微笑の中でふわりと誘惑した。
この身一つで生きてきた、数十年もの人生の記憶のかけらが地球を一周し、ふわりと重力を無くして自然体になった。
人間を完成へと導く、ワインの新しい皇帝としての権力に、身と心はパワーを感じるのです。
選任された人間のみが受ける光がこの身に降り注ぐ時、人生に舞う天使の激しいメロディーが完全に合体されていく。
天使はワインの周りを飛び、聖なる粉を降り掛け、人間の原始の形状を初めて手でなぞるのです。
マリアの表情に憧れて、ワインの水面が創造主の手の平でミックスされて、中心には宇宙の赤ちゃんがいた。
産声の間には、ワインの揺れる音が連なり、マタイ受難曲の初めのフレーズを歌い初める。
気が流れるその産道に、見た事のない音の初まりがあった。
人間の意思を形作る意思の一滴の凝縮が、周りの宇宙に優しく振動し、神様のお告げを述べ伝える。
世界の中心を、メシアはワインの色彩で真っ赤にして、丘の頂点に復活の兆しが世に真価を問うている。
人間の生命を懸けたワインレッドの初波に、新しい思想の原体の型が産まれる。
見た事のないキリストの血が、私の手に流れる謎めいた思想の系譜に、一つの歴史が一点に集約されていく。
ワイングラスが輝く高貴な佇まいに、熱の欠片のろうそくの灯火の中で、お告げする秘密の中の秘密。
人生に御心の成すままに、天命の雫が沸き立つ心象世界の赤。
無限の情報の中にふわっと倫理の筋書きが現れ、立ち昇るオーラで筆記する。
見た者を本気にさせ爆発する才能で、一気に飲み干す宇宙の原酒。
宇宙の秘密を知ったその水の中に本当の初波があった。
この初めての波の思想は究極の濃度のエッセンス。
E=mc二乗にカオスが物の見事に整理されて、一つの物語に集約されていく。
期する者よ、ワインとなって神様のもとへと昇天していけ。
この次元の高い新皇よ。宇宙の全望を見なさい。
才能は無限に飛翔しワインと共に生まれ変わり赤ちゃんが生まれた。

ワイン

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-06-06

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