仏堂

仏堂

仏堂に色鮮やかな無限のきらめきが飛び散る、明るい月光りの中で悟りの光が宇宙と対話している。
数千年前に一体このように細かく色を塗り重ねて、精神の豊かな抒情の音程を奏でた、回廊での光の陰影の機微。
色気を含んだ祈りの回文の、仏様の慈悲を含蓄に含ませた才能にほれぼれいたします。
身を潔く決めた人間の覚悟で、生命は脈々とメッセージを教示するのです。
音の階段が天へと真っ白に続いて、お経の調べの中に激しい想いがあった。
仏様を見た人間が手を動かすと天気が変わります。
この場所に天へと続く階段を作りたいと想います。
石を一つ一つ積み上げ丁寧に並べて、人間が通れる道を作った宗教の敬虔な捧げ物に、心は揺れ動かされて、青少年は仏様を見たのです。
生命の吐露は、雨露の中に新たな生命が生まれています。
他力本願の力業で、未知の説明できないパトスの文体を紙面に書いていく。
仏堂の中で、その美しき夜明けの光が誕生する静寂に、指揮棒を持って音の塊を鳴らす天光のさざ波。
期する預言の光で、宇宙の扉をこじ開けた。その肉体が指揮する立体的な動きに、そっと仏様の音楽が鳴ったのです。
音楽の指し示す行き先が、仏様の意思によって天へと迎えられる。
期待した仏堂に極楽鳥が舞い、音のオーラが分散的に飛び散り真っ白に輝き、天地に幸福を呼び起こす。
地上に極楽鳥を飛翔させたのはこのお坊さんに違いない。
幾段にも積み重なる光の階段の先へ、お坊さんは救いを求めて登っていく。
誰も見たことの無い光の渦が取り巻き、仏様の救いに身と心は新しい世界の感応を知るのです。 
人間が生まれて初めて仏様が指揮する音楽を聞いたのです。
その人間の暖かさの中に、感受性の鋭敏なさざ波を重力に委ねている。
極楽鳥に似て、指揮するなめらかな体と手の動きに、光明を見る事で感動する。
宇宙の温度を変えるのは仏様の厳しい威厳に満ちた御姿なのです。
覚悟を決めた人間の力強さの結集で、仏堂は目映く輝き照らす。
お坊さんは仏様の体の動きに合わせて、一緒に身振りを同一にしてお経を読み、期待に満ちて元気になっている。
天へと階段が現れた。音楽が天地一体となって躍動している。
天空を見上げると、満月がお坊さんに和の暖かさを教え、一つの真理を光で指し示した。
仏様が指揮する手つきで、真理のラインを明解に教示し、お坊さんは悟りの表情で、感の行き先は己の心に向かい、誰も見た事のない光を見たのです。
この光は誰が創ったのでしょうか。
仏様の指し示す真理を体で感じ、説法で悟った表情は、ふと人生の意味がわかり始めたのです。
徳を積んできた修行に解決する姿は、指揮する御姿の光なのです。
満月が仏様のもとへと降りて来て、救いの光で輝く、全ての心身脱落の放つ人類の想い。
全ての道が明るく輝き喜びに満ちています。
この天に穴が開いて指し示す道の先に、人間が求めた光があった。
この世で仏様の奏でる音楽を聞いた人間は、全人性の悩みが解決する。
全身全霊で指揮して、民の心の迷いを取り除くあなたこそが本物のメシア。
さあ、己の音楽に全てを委ねなさい。
そうして満月がお坊さんの前に照らし、この見た事のない光に全てが溶けて無くなっていく。
この世界は他力本願の計り知れない力によってできているのです。
全ての努力の結果に仏様は祝福しています。
お坊さんは満月の光の中で晴れ渡った悟りの心をふわっと放った。
みんな嬉しくなって抱き合って涙を流した。感謝。

仏堂

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-06-06

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