仏像

仏像

私に宇宙を創造させる方法を教えた。
森が静まり還り、宇宙の微分積分の密度を上げて、秩序を再構築させた。
夜のお堂でふくろうが挨拶をして、じっと宇宙の星々の動きを見つめ、北極星を中心に星々が回転しているのを悟ったのです。
宇宙の謎が解けた時のお気持ちはいかがですか。
お堂の暗闇の中で、仏像がじっと私を見つめている。
その慈悲深い魂の凝縮に、感度を順応させ、宇宙創造の中心の起点になります。
月の光を浴びて知性を慈しみ、本性の渦が回転し、細胞の起死が回生していく。
仏像が宇宙の中心が何処なのかを、その手が探し当てたようです。
その時、私が微笑したのをあなただけが知っていた。
仏像はひたすら己と向き合い自問自答し、自分とは何なのかを習っています。
言葉が無想の中から、言葉として出現し、いろはにほへと。
生きている言葉が自然と語り初め、生命のポエムがそっと意思の雫を垂らした時、あなたは恋に落ちたのです。
その時生まれた仏像が、本物の生命の言葉を語り始めた。
葉の一枚一枚が分化し、万葉の万象に、お経が己の魂の本能を呼び起こす。
仏像が生きてきた記憶の言葉を語り、出会ってきた知の伝導を感覚し、しっかり私の胸に問い掛ける。
仏像の千本の手が、自分の言葉を探しに、宙をさまよい、風の中に胎児がぴくっと体を動かした。
さらさらと葉が揺れて、生命万物の根元へと、意識は葉茎をくぐり、一番の目的は私が言葉と対話できた。
大事に大事に語ってみた時、宇宙の深部に蓮の花びらが開いた時の音が、微かに熱くしんしんと語り始めた。
一つ一つの雫が滴り、その恋心に、海が円形の波を打ち寄せ、紫の花びらが風で舞わせた。
宙を飛ぶように軽やかに、身も心も全てを、宇宙の中心部へと言葉で語り掛ける。
仏像は人間になる為には己と向き合い、不可思議な創造のお遊びをするのです。
宇宙の闇に最も大事な光を見つけた時、人間でいた事に微々たる情熱を、海に浮かべ、記憶が灯火を発する、無限の情報が私を作っていることを知った。
仏像は人間の記憶の海に浮かび、宇宙の星々の規則正しい動きに、救いの光が浮かび上がった。
星の光は全ての記憶の色なのです。無限の想いがこの一つの創造物に変化された時、人生の目的とはこの為だったのです。
お堂の中で初めて歩き始めた時の想い。初体験の地球の生命は水々しく遺伝子が分化し、60兆の細胞の構造は生きて死ぬまで、ずっと私だったのです。
人間になった仏像は、人間って言葉があるんだと言った。
この世界に生きてきて初めて人間って光を創りました。
明るい光の中に言葉を浮かせてみる。
輝やく単一のモチーフが、生命の根元で生まれました。
一つの生命が一つの言葉になって生まれ、意思を持ち分化し、宇宙の大きさを得たのです。
万葉の花びら。、静寂な地球の軌動に、仏像の静かな手で乗せた時、宇宙の全てが解決の予言に打ちならす。
御霊のゆらゆらとした光で溢れる、単一の細胞の存在に、起動スイッチを与えてください。
全宇宙の鼓動が動き初め、仏像が手の平で意思を動かしたのです。
広大に響き渡るロマンの挑戦に、細胞がそっとあなたの事を見ています。
あなたを見ていたのが、真実なのです。
宇宙に浮かぶ蓮の花びらのように、仏様のようにしんみりと手を合わす。
手から不思議な想いが、ふんわりと無重力で無になっていきます。
宇宙からのさざ波が押し寄せて、計り知れないパワーが私のものになっていく。
この仏像が人間になれた。そう私もあなたも仏様も。

仏像

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-06-06

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