どうやら俺は死んでしまったようだ

小説を書くのは初めてなので、至らない点が多々あると思いますがよろしくお願いします。

※小説家になろう!にも掲載しています

※序章※

~序章~

この世界には特別な力を持つ者がたくさんいる。と言っても人口の半分にも満たないが・・・・・・。
その特別な力を持つ人間のことを能力者、逆に力を持たない人間のことを無能力者と呼ぶ。
そして、能力者の中でも特に強力な能力の持ち主はこう称される・・・・・・異能力者と。

この俺、神道 恭助((しんどう きょうすけ))は創造((クリエイト))の能力を持つ異能力者である。

俺の能力の使用には多少の規制はあるが、能力としては間違いなくトップクラスだ。

どんな相手にも圧倒的だった。

だが俺は、もうすぐ死ぬだろう。無表情に俺を見ているこの男に殺されて・・・・・・



俺は地面に片膝をつきながら意識を集中させ鋼のような鱗を身にまとい鋭い牙と爪を持つ漆黒の龍((ドラゴン))を想像((イメージ))した。そして残り少ない体力を振り絞り創造を使うために解放詞を唱えた。

「リリース・アビリティー!クリエイトッ!!」

解放詞を唱えると突如目の前の空間がゆがみ、まるでファンタジーの世界に出てくるような見ただけで身体がすくんでしまう全長2メートルは優に越えるであろう漆黒の龍が創造された。

「やっぱり神道くんの能力もすごいね~。んまっ、愛華ちゃんほどじゃないけど。」

「はぁっ・・・・・・はぁっ・・・・・・お前が・・・・・・愛華の名前を・・・・・・口にするなッッ!!」

こいつが愛華の名前を口にした瞬間俺は激怒し、それに呼応したかのように龍が吼え、大地を轟かせた。

「グァァァァァァッッッ!!!」

「おぉ怖い怖い。こんな怖いものたちはこの世界にいちゃダメだよね。」

抑揚のない声でこいつはそういうと、本来愛華しか使えないはずであろう能力の解放詞を唱えた。
そう、俺の妹である愛華を殺すことで奪った能力を・・・・・・!

「リリース・アビリティー。無((ゼロ))。」

すると突然、、龍がもがき苦しむようにして地面に倒れ、光の粒子をまき散らして消滅した。

「やっぱり愛華ちゃんの能力はすごいね~。でも、神道くんも一緒に消すつもりでやったんだけどなぁ・・・・・・やっぱり僕のスキルで再現したんじゃ規制が増えてるのかな?」

「ま、別の能力で殺せばいっか。それじゃね、神道くん。今度こそ消えてもらうよ。」

ちくしょう!ちくしょう!ちくしょう!!!
俺は無力だ。何もできなかった。妹の愛華を守ってやることも!愛華の仇を討つことも・・・・・・!!

「リリース・アビリティ。終((ワールドエンド))。ばいばい。」

こいつが解放詞を唱え終えた瞬間、俺の目の前は真っ暗になり、俺の命が終わった。

〜天国ゲームの始まり〜

「愛華!!」

俺は最愛の妹の名を呼びながら、勢いよく起き上がった。

目に入るのは真っ白いだけの何もない無音の空間だけだ。

ここはいったいどこなんだ?俺は確かあいつに殺されたはずだが・・・・・・

「おっ!やっと目が覚めたんだねっ」

「!!」

後ろに誰かいる!?

身体に緊張を走らせながら後ろを振り向くと、そこにいたのはメイド服を着たクリッとした目が特徴の13,14歳ぐらいの可愛らしい女の子だった。

一体誰なんだ?
組織のやつ・・・・・・ではないな。

俺は身体の緊張を少しとき、目の前の少女に話しかけてみた。

「君は誰だい?」

すると少女は、元気な声で意味不明な自己紹介をしてきた。

「こんにちは、初めましてっ!私は天国ゲーム説明係のクララだよっ」

答えてからクララという女の子はメイド服のすそをちょこんとつまんで可愛らしくおじぎをしてみせた。

「何を言っているんだ?天国ゲーム説明係・・・・・・?」

「そうだよっ。私は閻魔様から天国ゲームの参加資格を持ってる人にゲームの説明をするよう言われてるのっ」

「閻魔様?天国ゲーム・・・・・・?」

「少し説明に時間かかるけどいい?」

現状がよく分からないし、色々と知っていそうな雰囲気だから聞いておくか・・・・・・
いや、その前に聞いておかなければならないことがあるな。

「説明の前に1つだけ教えてくれ。俺は・・・・・・死んでいるのか?」

「うん・・・・・・」

クララは顔を俯けて答えた。

やはり俺は死んでいるのか・・・・・・

「そうか・・・・・・。説明を頼む」

「じゃあ、説明するね」

クララはそう言い顔をあげると、メイド服のポケットの中から天国ゲーム説明書と書いてある手帳サイズの本を取り出し説明を始めた。

「あなたがここにいるのは、地獄の主である閻魔様に選ばれたからなのです。選ばれたのはあなただけではなく、死んでしまった強力な能力の持ち主である人間459名です。その459名が3人1組のチームを作り、一番最初に地獄の最深部にいらっしゃる閻魔様を倒すことを目標とするゲーム・・・・・・これが天国ゲームです。大まかな説明はこれで終わりっ。細かいルールとかの説明は後で天国ゲーム説明書かっこ参加者用かっことじを渡すから見ておいてねっ」

強力な能力の持ち主・・・・・・
閻魔様を倒す、か。
閻魔というのがどういうやつなのか気になったが、今は置いておこう。

「その閻魔様とやらを一番最初に倒したチームはどうなるんだ?」

「生き返ることができるんだよっ」

今なんて言った!?
生き返ることができる!?

そんな都合の良い話があるわけがないじゃないか!
きっと何かの聞き間違いだな。

「すまない、もう一度言ってくれ」

「だから、生き返ることができるんだよっ」

今、確かに言ったよな?生き返ることができるって・・・・・・

「生き返ることができる・・・・・・のか?」

「そうだよっ」

「それは・・・・・・本当なのか・・・・・・?」

「もちろん!でもね・・・・・・生き返る代わりの条件として、とても重要なやってもらわなければならないことがあるらしいの・・・・・・。それは、閻魔様が直接言うらしいから分からないんだ・・・・・・。」

やってもらわなければならないこと?そんなのはどうでもいい!

これはいったいどんな奇跡だ・・・・・・?

このゲームには死んでしまった強力な能力者459名が選ばれているらしい。
それなら、その中に愛華も確実に選ばれているはずだ・・・・・・!

俺と愛華、他1名のチームを組み、閻魔を一番最初に倒すことができれば・・・・・・俺たちは生き返り、愛華と俺を殺したあいつと組織に復讐することができるじゃないか・・・・・・!!!

「ふは・・・・・・ははははは!!!」

これほど愉快な気分になったのは初めてだ!

さぁ、始めようじゃないか・・・・・・復讐のための天国ゲームをッ!!

どうやら俺は死んでしまったようだ

どうやら俺は死んでしまったようだ

殺されたはずの俺が目覚めたのはあの世だった。 そして俺は復讐を果たすべく、クリアすると生き返ることができる天国ゲームという名の地獄の生き抜きバトルゲームに参加するのであった。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-01-03

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