色について

色について

皆さんはどんな色が好きですか?

この世には、様々な色で溢れています。
決してサクラクレパスの12色だけでなく、きっとまだ名前もない色がこの世にはあるのではないでしょうか。
今回はそんな色について思っていることを、つらつらと書き記そうと思います。

私は小さい頃からずっと好きな色があるのですが、それは小学生の頃に使っていたクレヨンにも、クーピーにもありませんでした。
そのせいか、母親が買ってくれたクレヨンはどの色も最後まで使い切ることはできませんでした。
私の好きな色は、浅葱色(あさぎいろ)というものです。
緑かがった青色のような、晴れた昼下がりに見える空のグラデーションの一部のような、そんな色です。
クーピーのように言うなら、そらいろでしょうか。
浅葱色に限らず、私はクレヨンの間にあるような色が好きだったのです。
インディゴブルー、山吹色、藤色…。どれも素敵で、好きな色です。これらの名前は後になって知るのですが、私は一人で並べられたクレヨンとクレヨンの間の色を思い浮かべました、勝手にグラデーションを楽しんでいました。
そんな中で、一番惹かれたグラデーションこそ、青と緑の間だったのです。
ですが、問題が発生します。
頭の中でできた色が何色なのか分からないのです。
自分のイメージを誰かに伝えることが、こんなにも難しいものかと、頭を抱えた覚えがあります。なんとか自分の力だけで辿り着こうと考え、インターネットを使おうと決めますが、母親の携帯で検索しようにも、検索する単語が浮かばず、「青緑」と検索していました。自分の語彙力の無さをとても痛感しました。それでも、とても好みの色が出るのですが、ほんの少しだけ何かが違い、学校の図書室で探そうと決めました。

急いで図書室に行って色についての本を片っ端から目を通しましたが、お目当ての色については何も書かれていませんでした。
諦めて帰ろうとした図書室の出入り口に、教育に関係しているコーナーがあり、そこで目に写った本が「新選組」に付いての本でした。
もうこれは運命です。私が探し求めていた色は、新選組の袴の色だったのです。
漫画の銀魂でしか聞いたことのない単語でしたが、そのおかげですぐにその本に手を伸ばすことができました。ありがとう空知先生。
家に帰って、「新選組 色」と検索することができました。
どんぴしゃりです。運命の人ならぬ、運命の色。
自分の力だけで、何かを成し遂げた数少ない思い出の一つです。だからこそ、浅葱色は自分の中で大切な色なのです。
あの武士たちが纏った色こそ、心を燃やした色なのでしょう。私は情熱の浅葱色と呼びます。勝手に。

そんな中、心がブルーと表現されることがあります。決していい意味ではなく、落ち込んだときに使われます。
そんな色の使い方があるんだと私は勉強しましたが、その中で日頃から思うことがありました。今の自分の心は何色なんだろうということです。この疑問に対し、いくら考えても、答えが出ないんです。というか、何色でもないんです。赤色でもなければ、黄色でもない。緑色でもなければ、青色もない。何色でもない、そんな色。結局いつも考えるたび、自分は自分でしかないんだという結論に至ります。きっと心の色なんて、人の数だけあるんでしょう。だって、白って200色あるんですよ?

目の色も肌の色も髪の色もアルビノも関係ない。すべてその人を彩る色なんです。
性もカラダもココロも関係ない。
そのグラデーションこそ、その人しか持ち得ない彩りでしょう。
誰だって雨上がりに浮かぶ虹色の一部なんです。
きっとレインボープライドってそういうことでしょう?え?違う?

最後に、蛇足ではありますが、この文章を考えたときに思いついた曲について書きます。
スピッツのインディゴ地平線という曲で、同名のアルバムにある、タイトル曲です。
有名な話ですが、スピッツの曲のテーマは「セックスと死」と言われています。
私の考えですがこの曲は死を意識する中で芽生えた生きたいという気持ちのように思います。どこかにあるはずの、自分の居場所を探して。この歌は希望の歌のように感じます。
好きな歌詞を書いて、この文章を締めようと思います。

逆風に向かい手を広げて
壊れてみよう僕たちは希望のクズだから

色について

色について

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-05-15

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