毎日小説
1日目のテーマ「後悔」
もしも、私が死ぬのなら
きっとあなたが後悔するように
あなたが運転する車の助手席がいいと思うの
たとえば、反対車線の車が飛び出してきて
たとえば、なにかを避けようとハンドルを切って
まあ、なんだっていいのだけど……
重要なのは、運転手であるあなたの判断で私が事故に遭ってしまうこと
知ってる? 運転席よりも助手席の方が死亡率高いんだって
ああ、だから……手助け、なんていう漢字が使われてるのかしら?
とにかく、あなたは咄嗟の判断でハンドルを思いきり切るのだけど
助かった、と思って助手席の私の無事を確認しようとした時に
私は命の灯火が、もう消えそうなほど大量の血を流していてあなたの目から見ても明らかに助からないの
きっと、あなたは呆気に取られたあとに大粒の涙をこぼしてくれるといいのだけど
ああ、でもそんなにグシャグシャな顔で泣いてもらえるなんて私は幸せ者ね
そして、私はあなたの震える手を血にまみれた両手で掴んで微笑むの
私、上手く……笑えてる、かしら?
2日目のテーマ「愛があればなんでもできる?」
愛があればなんでもできるのならば、
きっと、今肩を震わせ下唇を噛みしめ目を潤ませている君を笑顔にすることも可能なのだろうか?
それができない僕は、愛のない男なのだろうか?
誰か教えてくれ。
3日目のテーマ「真夜中」
この静かな真夜中が好きだ。
まるで、闇を広げたみたいな真っ黒な空が無限に続く。
静かかと思えば無音ではなく。
昼間の交通量と比べれば、少ないがトラックやタクシーが走っているので確かになにかが動いていることがわかるのだ。
一人になりたいが、別に孤独を感じくはない。
けれど、思うのだ。
もしも、当たり前に動いているトラックもタクシーも
つまり、自分以外が動くことがなく寝静まってしまったら……
僕はなにを思うのだろうか?
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