思い出コレクター
保存していたいかなるものも
人喰い族の血肉、脳さえ、ストーリーがあれば美しいと感じるほどに 飢えていた
美しいものに
私は幼く分別がつかなかった
だからどんなものもこの中にあったのに
何が正解か分かるようになると
あえて無駄なことをしないような
疲れ果てた魔女になる
これは、思い出を美化してきた代償だ
輝いていたものを増やすために筋を書き換えるなんて
ずる賢いあの大人たちみたいだ
成ったんだ
宇宙が気の遠くなるほどの無限なのに、星が輝いていると教えられる
そういう詭弁みたいに
宝箱の中は暗闇だ
事実でなければ
私がつくった世界なら、全部消していい
真実だけ残っていてくれ
思い出コレクター