体育の授業の感想文

訳もわからず体操服を着せられ、訳もわからず教室を引きずり出され、訳もわからず運動をさせられる。僕はそんな体育の時間があまり好きではありません。
また、体育の授業で執り行われる競技の探求もずさんに思えてなりません。少なくとも僕の通っている高校ではそうです。サッカーなんてただの蹴鞠かと思いました。
殊更に嫌いな体育の要素は、単元修了後に提出が義務付けられる感想文です。
形骸化した授業内容とは対照的に、感想文記入欄は狂気的なまでに大きいのです。
一体先生は生徒に何を書けと言うのでしょうか?
適当にボールを追いかけ回して、一体何の感情が湧くと言うのでしょうか?何の感想を得られると言うのでしょうか?何の学びがあると言うのでしょうか?何の成長があると言うのでしょうか?
正直な所感想なんて「たのぴかった。うへへ」で終わりですよ!
そこで僕は文字数を稼ぐ方法を考えました。
方法その1、授業内で行った競技の歴史について書く。
諳んじる事が難しければ、メモを持って行くのも良いと思います。完全に的外れな事を書いている訳じゃありませんし、歴史に感想を絡めて書く事ができれば尚良しです。
方法その2、自身の半生から書き始める。
僕はこの方法を愛用しています。これはつまり、自身にとって「運動」とは一体何かという事から書き始める訳です。例として、実際に僕が書いた書き出しを紹介します。
「物心付いた時から、運動という概念が私の身近にありました。私は生れつき体が弱かった為、スイミングスクールに通わされていました。水に沈まぬよう必死に腕を動かしているうちに、私は一切風邪を引かなくなりました。そうした経験から、私にとって運動とは健康に直結する儀式なのです。」
どうでしょう。これだけで感想欄の半分は埋まります。この方法の問題点は、一切的を得た感想文では無い事です。体育の教師が真面目な方なら確実に呼び出しを喰らいます。
危険を顧みない勇敢な方は是非お試しくださいませ。
良いお年を

体育の授業の感想文

体育の授業の感想文

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-05-14

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