ガラクタ集め

ガラクタ集め

ガラクタ集めの人生だった。
ガラクタ集めの人生だった
家族 同僚 友人 恋人 人間関係の概念全てが
虚飾に塗れたガラクタだった。
ガラクタ集めの人生だった
いつか夢見た自分の理想も
現実逃避の口実だった。
ガラクタ集めの人生だった
あの日感じた人への愛も
所詮自分の物でしかなかった。
ガラクタ集めの人生だった
ずっと求めた幸せも
欲望に装飾されたガラクタだった。

ガラクタ塗れの対人も
ガラクタ塗れの感情も
ガラクタ塗れの僕自身も
ガラクタ塗れの欲求も
最初は美麗で魅力があった
だけどそれは虚像の輪郭だった。
ないものねだりの成れの果てで
残るのは水面に乱反射した自分だけだった。

これが最後のガラクタ集めだ。
右手に人生の蒐集を。
左手に人生の収拾を。
顔のない天使に捧げよう
僕と言う名のガラクタを
顔のない天使に捧げよう
顔のない天使に捧げよう。

ガラクタ集め

ガラクタ集め

  • 自由詩
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-05-12

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