プレゼント
彼女へ
あの子へのプレゼント。
何を送ろうか。何をあげようか。
私の気持ち、どのようにしたら、彼女は、思ってくれるのだろう。
とびっきりの花束を、大袈裟なぐらいにつめこんで。
ちょっとの驚きと感動を。
そして、。。。
──パタ──
私は、ノートを閉じた。
ふう。あの子のことを思うと、心、苦しくてせつなくなる。
あふれる想いを、ノートに書き記して、私は、いつもの愛の薄れた日常に戻る。
──パタ──
時が立った。
私は、静かに椅子の上で、本を読んで過ごしている。
あの時、彼女は、喜んでくれた。しかし、一瞬だけ、悲しそうな顔を私に見せた。
満開のお花に包まれて、彼女は、ありったけの笑顔を私にくれた。
ただ、言いたくて。
この思いを、ただただ言いたくて。
「ありがとう。」
感謝の気持ちを。
そして、私は、また、眠った。
プレゼント